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新天地を! 140

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目の前まで騎乗したまま進んで来たルークは軽やかに降り立ち、私達の前まで歩いて来る。

「四番隊、ただ今無事討伐完了し帰還致しました」

次々と馬から降り立った四番隊隊員達が膝をつく。

「うむ、早馬にて報告は受けてる。華々しい初陣、大変目出度く思う」

「ありがとうございます」

お父様の声は止んで視線が飛んで来た。もう……良いの?

「ルーク……お帰りなさい……会いた……かった。お帰りなさいっ!」

止まらなかった。ルークに飛びついて、固い体に……その背に手を回してルークの温もりを感じたくて……

「ただいま。エリーゼ……泣かないで」

キュッと抱き締められ、顎を指先で上げられ……顔……近い……よ……

チュウッ

涙……吸った?え?嘘、何で?呆然としてる間に反対側も吸われた。

「跡になったら困るからね」

いっ!イケメンは何やっても許されると思ってるの!バカッ!

「無事で良かった……お帰りなさい」

「うん」

嬉しくてもう一度言う。

「コホン……さて、もう良いかな?これだけ華々しい初陣だったんだ、暫くは領都でも噂になるだろう。見た目と違って勇気があると賞賛もされるだろう。これより先、四番隊の隊長として度々大型討伐に出て貰うが俺も安心して見送れる。いつもなら天幕を張った後はゆっくり過ごしてくれ……と言う所なんだが今回は違う。天幕を張った後は、邸の裏に湯の館と言って大勢で入る事の出来る湯浴み専用の棟が出来たからゆっくり浸かって来るが良い」

「は?」

「あのね、スーパー銭湯作ったの。見た目は和風なの、きっと気に入ると思って……」

お父様の言葉に固まったルークが私の言葉にキョトンとした後、メッチャ凝視されました。

「あ……ああ……ありがとうございます…………バートン!聞いたか?天幕を張ったら邸の裏に行くぞ!湯浴みだ!」

「はっ!ははっ!」

「エリーゼ、その……また後で……」

なんだかぎこちない笑顔でルークは離れて行く。
隊長になったんだから、隊の事を指示出し……は初めてだから前隊長だったバートン?について教えて貰うって事よね。
後ろ姿を見つめていたら遠くから小さい影が勢い良くルークの足に突進してルークがぶっ倒れた。
影の正体はノエルとルチルだった。
まさか突進してぶっ倒すとは思ってもみなかったけど、私も小さい頃お祖父さまに突進した事あるから怒れない。

「懐かしいモノを見たな……」

「ええ……」

お父様とお母様のクスクス笑う声が背後から聞こえる。
この幸せな時間に嬉しくて振り返って笑う。
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