上 下
719 / 1,397
連載

新天地を! 136

しおりを挟む
「あら?随分と立派に見えるわねぇ」

お祖母さまがやんやと手を叩いて喜んでる。いや、オリーも一緒になって手を叩いてるわ。

「そうね、ソニアもアニスも嬉しそうで良かったわ。後はのんびりとここで待ちましょう」

お母様の言葉は要約すると、今日は連絡来るまでここで待機!って事です。

「そうですね。もう少ししたらお昼ご飯ですし、自室に戻っても何も手に着きませんもの」

「まぁ……」

「あら……」

ん?私、何かおかしな事言ったかしら?お祖母さまとお母様が……

「「ほほほ……」」

え?何で二人揃って笑うの?

「良いわねぇ。何も手に着かない程待ち遠しいなんて、ねぇ……そう思わない?フェリシア」

おっ!お祖母さまっ!そっそんなつもりじゃ!……やだっ!顔熱くなってきた!

「えぇ、本当に。エリーゼがこんなに可愛らしくなるなんて……恋しいって良いわぁ」

お母様まで!恥ずかしいからっ!

「エリーゼ様、顔真っ赤ですよ」

アニスまで!やだ~!もうっ恥ずか死ねる!
恥ずかしさのあまり両手で顔を隠して俯くけど、多分本当に真っ赤なんだ……顔が本当に熱い。
揶揄われてる?でも、嫌な雰囲気じゃない。何て言うか……生温い視線とか……雰囲気が生温かいって言うか……どうしよう、顔上げずらい~!

「エリーゼ、そんなに恥ずかしがる事では無いわ。夫になる殿方に早く会いたいのはアニスも同じだし、私も……いえ、ここに居る者は皆同じ思いをしてきたのよ。だから恥ずかしがらないで顔を上げなさい」

お母様……恐る恐る頭を上げて見回す。お祖母さまもお母様も優しく微笑んでる。
そうだ……お祖母さまだってお母様だって待ってた。側近を夫に持つ侍女達だって主と共に行動してるんだから同じように待っていたのよね。
今だって私とアニスはルークとキースの帰りをここで待ってる。
変わらない……時が流れても変わらない事をこの邸は見てきたの?

「私もねぇ……輿入れしたばかりの時はお義母様にここで待つ心得と言うのかしら?意味を教えられたわぁ……ね、オリー」

「はい。私も良く覚えてますよ。手と手を取って大旦那様達を待った若かりし頃は今でも鮮やかな思い出ですよ」

お祖母さまとオリーが頬染めて少女のような顔で喋ってる。
私もお祖母さま位の年になったら、あんな風に自分の孫……孫とかに言ったりするのかしら……
しおりを挟む
感想 5,613

あなたにおすすめの小説

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

婚約破棄 ~家名を名乗らなかっただけ

青の雀
恋愛
シルヴィアは、隣国での留学を終え5年ぶりに生まれ故郷の祖国へ帰ってきた。 今夜、王宮で開かれる自身の婚約披露パーティに出席するためである。 婚約者とは、一度も会っていない親同士が決めた婚約である。 その婚約者と会うなり「家名を名乗らない平民女とは、婚約破棄だ。」と言い渡されてしまう。 実は、シルヴィアは王女殿下であったのだ。

私を侮辱する婚約者は早急に婚約破棄をしましょう。

しげむろ ゆうき
恋愛
私の婚約者は編入してきた男爵令嬢とあっという間に仲良くなり、私を侮辱しはじめたのだ。 だから、私は両親に相談して婚約を解消しようとしたのだが……。

奪い取るより奪った後のほうが大変だけど、大丈夫なのかしら

キョウキョウ
恋愛
公爵子息のアルフレッドは、侯爵令嬢である私(エヴリーヌ)を呼び出して婚約破棄を言い渡した。 しかも、すぐに私の妹であるドゥニーズを新たな婚約者として迎え入れる。 妹は、私から婚約相手を奪い取った。 いつものように、妹のドゥニーズは姉である私の持っているものを欲しがってのことだろう。 流石に、婚約者まで奪い取ってくるとは予想外たったけれど。 そういう事情があることを、アルフレッドにちゃんと説明したい。 それなのに私の忠告を疑って、聞き流した。 彼は、後悔することになるだろう。 そして妹も、私から婚約者を奪い取った後始末に追われることになる。 2人は、大丈夫なのかしら。

初めまして婚約者様

まる
恋愛
「まあ!貴方が私の婚約者でしたのね!」 緊迫する場での明るいのんびりとした声。 その言葉を聞いてある一点に非難の視線が集中する。 ○○○○○○○○○○ ※物語の背景はふんわりしています。スルッと読んでいただければ幸いです。 目を止めて読んで下さった方、お気に入り、しおりの登録ありがとう御座いました!少しでも楽しんで読んでいただけたなら幸いです(^人^)

わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜
恋愛
 令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。  ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。 ※連載

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな

みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」 タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。