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新天地を! 136
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「あら?随分と立派に見えるわねぇ」
お祖母さまがやんやと手を叩いて喜んでる。いや、オリーも一緒になって手を叩いてるわ。
「そうね、ソニアもアニスも嬉しそうで良かったわ。後はのんびりとここで待ちましょう」
お母様の言葉は要約すると、今日は連絡来るまでここで待機!って事です。
「そうですね。もう少ししたらお昼ご飯ですし、自室に戻っても何も手に着きませんもの」
「まぁ……」
「あら……」
ん?私、何かおかしな事言ったかしら?お祖母さまとお母様が……
「「ほほほ……」」
え?何で二人揃って笑うの?
「良いわねぇ。何も手に着かない程待ち遠しいなんて、ねぇ……そう思わない?フェリシア」
おっ!お祖母さまっ!そっそんなつもりじゃ!……やだっ!顔熱くなってきた!
「えぇ、本当に。エリーゼがこんなに可愛らしくなるなんて……恋しいって良いわぁ」
お母様まで!恥ずかしいからっ!
「エリーゼ様、顔真っ赤ですよ」
アニスまで!やだ~!もうっ恥ずか死ねる!
恥ずかしさのあまり両手で顔を隠して俯くけど、多分本当に真っ赤なんだ……顔が本当に熱い。
揶揄われてる?でも、嫌な雰囲気じゃない。何て言うか……生温い視線とか……雰囲気が生温かいって言うか……どうしよう、顔上げずらい~!
「エリーゼ、そんなに恥ずかしがる事では無いわ。夫になる殿方に早く会いたいのはアニスも同じだし、私も……いえ、ここに居る者は皆同じ思いをしてきたのよ。だから恥ずかしがらないで顔を上げなさい」
お母様……恐る恐る頭を上げて見回す。お祖母さまもお母様も優しく微笑んでる。
そうだ……お祖母さまだってお母様だって待ってた。側近を夫に持つ侍女達だって主と共に行動してるんだから同じように待っていたのよね。
今だって私とアニスはルークとキースの帰りをここで待ってる。
変わらない……時が流れても変わらない事をこの邸は見てきたの?
「私もねぇ……輿入れしたばかりの時はお義母様にここで待つ心得と言うのかしら?意味を教えられたわぁ……ね、オリー」
「はい。私も良く覚えてますよ。手と手を取って大旦那様達を待った若かりし頃は今でも鮮やかな思い出ですよ」
お祖母さまとオリーが頬染めて少女のような顔で喋ってる。
私もお祖母さま位の年になったら、あんな風に自分の孫……孫とかに言ったりするのかしら……
お祖母さまがやんやと手を叩いて喜んでる。いや、オリーも一緒になって手を叩いてるわ。
「そうね、ソニアもアニスも嬉しそうで良かったわ。後はのんびりとここで待ちましょう」
お母様の言葉は要約すると、今日は連絡来るまでここで待機!って事です。
「そうですね。もう少ししたらお昼ご飯ですし、自室に戻っても何も手に着きませんもの」
「まぁ……」
「あら……」
ん?私、何かおかしな事言ったかしら?お祖母さまとお母様が……
「「ほほほ……」」
え?何で二人揃って笑うの?
「良いわねぇ。何も手に着かない程待ち遠しいなんて、ねぇ……そう思わない?フェリシア」
おっ!お祖母さまっ!そっそんなつもりじゃ!……やだっ!顔熱くなってきた!
「えぇ、本当に。エリーゼがこんなに可愛らしくなるなんて……恋しいって良いわぁ」
お母様まで!恥ずかしいからっ!
「エリーゼ様、顔真っ赤ですよ」
アニスまで!やだ~!もうっ恥ずか死ねる!
恥ずかしさのあまり両手で顔を隠して俯くけど、多分本当に真っ赤なんだ……顔が本当に熱い。
揶揄われてる?でも、嫌な雰囲気じゃない。何て言うか……生温い視線とか……雰囲気が生温かいって言うか……どうしよう、顔上げずらい~!
「エリーゼ、そんなに恥ずかしがる事では無いわ。夫になる殿方に早く会いたいのはアニスも同じだし、私も……いえ、ここに居る者は皆同じ思いをしてきたのよ。だから恥ずかしがらないで顔を上げなさい」
お母様……恐る恐る頭を上げて見回す。お祖母さまもお母様も優しく微笑んでる。
そうだ……お祖母さまだってお母様だって待ってた。側近を夫に持つ侍女達だって主と共に行動してるんだから同じように待っていたのよね。
今だって私とアニスはルークとキースの帰りをここで待ってる。
変わらない……時が流れても変わらない事をこの邸は見てきたの?
「私もねぇ……輿入れしたばかりの時はお義母様にここで待つ心得と言うのかしら?意味を教えられたわぁ……ね、オリー」
「はい。私も良く覚えてますよ。手と手を取って大旦那様達を待った若かりし頃は今でも鮮やかな思い出ですよ」
お祖母さまとオリーが頬染めて少女のような顔で喋ってる。
私もお祖母さま位の年になったら、あんな風に自分の孫……孫とかに言ったりするのかしら……
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