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新天地を! 111

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「エリーゼ、難しい事はここで考えずに後からでも良いのよ。開拓地はまだ移住出来ないのだし、こちらのは私達だけしか使えないのだから」

その通りだ。どの大浴場も誰かを受け入れる状態にはほど遠い……遠い?

「ドワーフのオッチャンが既に使ってるし、私も使ったけど……」

開拓地で頑張ってるオッサン達が使わないとは思えない……

「え……エリーゼ、今何て……」

うん?お母様のお顔がピキッとしてる?

「ドワーフのオッチャンが作った後入って感想を……」

お母様は無言で眉を寄せたかと思ったらグイッとワインを飲み干した。

「そう……じゃあ男湯は開拓地に関わった連中が浸かってるわね」

断言しました!そう言われるとそんな気がしてきました。

「ですが、毎日身を粉にして働いているのですし構わないと思いますがダメですか?」

チラリとお母様の目が思案気に動く。

「いえ。毎日頑張ってるようですし、英気を養ってると思えば安いものでしょう」

「はい」

疲れた体を湯に沈める快感はちょっと手放せないものね。

「職人達は全員男性ですしね、良いでしょう」

……ひょっとしてだけど、トールお兄様の領主隊の人達も入ってるんじゃないかしら?
あれ?男の花園的な場所になってないよね?一応、あそこ休憩所とかも……まさかハッテン場みたいな事にはなってないよね?
と……トールお兄様にちゃんと聞いておこう……

「あら?エリーゼ、顔色が悪くなってるけど……どうしたの?」

「いえ、何でもありません。少しトールお兄様に確認をとらなければならない事を思い出しました」

本当にね!今日聞いた所で明日にならないと答えが出ないでしょうけどね!
今はここを脱出する事を優先しましょう、そうしましょう!

「ではエリーゼ、幾つか考えている物を後程私の所に図案を持って来て頂戴。それを元に仕立て屋に作らせるようにします」

「お願いします。では先に失礼致します」

よし、とっとと部屋に戻ってデザインとか纏めちゃおう!

「あら?甘味は食べないのかしら?」

「え?えー……そうですね、今はちょっと……午後のお茶の時に頂きます」

……ヤッベ。スポンジケーキにトライするの忘れてた。
デザイン纏めた後厨房でジムとトライすっか。
うん、スポンジケーキが上手く出来たら生クリームドチャッと作って赤くてツヤツヤのイチゴ使ってイチゴショートケーキ作ろ!
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