婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

文字の大きさ
上 下
668 / 1,449
連載

新天地を! 85

しおりを挟む
心行くまで炭酸風呂に浸かり、汗をカキカキした後お風呂から上がって石のベンチで一休みです。
ヒンヤリした石のベンチ、ちょっと気持ち良い……とか思いながらグラスを出して炭酸水を半分程入れて、オレンジの果汁をジャバジャバ入れて指先に魔力を流して中身をかき混ぜる。勿論片方の手に冷却魔法使って冷やしてます。

「お母様、オレンジの炭酸水ですわ。火照った体にはきっとよろしいですわよ」

お母様は差し出したグラスをすぐに手に取りコクコクと飲んでいく。
次々とオレンジ炭酸水を作り上げ侍女トリオもアニスも手に取る。
自分のグラスを手に取り、コッコッと飲んでいく……シュワシュワする感覚とオレンジの爽やかな甘酸っぱさ!あ~美味しい~!

「美味しかったわぁ……」

お母様の笑顔がいつもより優しいです。

「この喉に刺さるような刺激は癖になるわね……スッキリとするわねぇ……でも、きっと珍しい物が好きな貴族とかは喜ぶでしょうね」

お母様……それは新しい商売をせよ!という事ですか?そんなに仕事したら私、表に行けなくなってしまいます……だからトールお兄様辺りにふって下さい(笑)

「まぁ、ホホホ……お母様ったら。我が家の事業になさるのならトールお兄様にお願い致しませんと、ここ開拓地の管理責任はトールお兄様なんですよね?」

ぶん投げますわよ♡

「まぁ!ホホホ……エリーゼったら、そうでしたわね。管理責任はトールでしたわね、では後ほどトールに話しを持って行きましょうか」

ホホホ……とお母様と私は笑い合いました。お母様の笑顔が黒いような気がしたけど、そんなの気にしたらダメです。

「あー……気持ち良い……」

「そうね……温泉郷とは違うけど、とても気持ち良いわねぇ……」

私とお母様がしみじみと呟く……アニスがソッとグラスを回収したので、サッと受け取りクリーンの魔法でキレイにして無限収納にしまう。

「エリーゼは何でも出来てしまうわね」

「はっ?」

お母様の言葉に思わずお母様を凝視してしまう。何を言ってるのかしら?

「私が出来る事は限られてるわ。エリーゼの様にこんな大規模な物は造り出せないし、大型に立ち向かう力も無いわ」

お母様らしくない気弱な言葉に驚く。

「エリーゼの様に色んな魔法が使えたらって……不思議そうね、お母様だって思う事はありますのよ」

「そう……なのですか?」

お母様がちょっと眉根を寄せて困ったように笑う。
何で……どうして?
しおりを挟む
感想 5,634

あなたにおすすめの小説

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

王侯貴族、結婚相手の条件知ってますか?

時見 靜
恋愛
病弱な妹を虐げる悪女プリシア・セノン・リューゲルト、リューゲルト公爵家の至宝マリーアン・セノン・リューゲルト姉妹の評価は真っ二つに別れていたけど、王太子の婚約者に選ばれたのは姉だった。 どうして悪評に塗れた姉が選ばれたのか、、、 その理由は今夜の夜会にて

悪役令嬢は毒を食べた。

桜夢 柚枝*さくらむ ゆえ
恋愛
婚約者が本当に好きだった 悪役令嬢のその後

【完結】脇役令嬢だって死にたくない

こな
恋愛
自分はただの、ヒロインとヒーローの恋愛を発展させるために呆気なく死ぬ脇役令嬢──そんな運命、納得できるわけがない。 ※ざまぁは後半

巻き戻ったから切れてみた

こもろう
恋愛
昔からの恋人を隠していた婚約者に断罪された私。気がついたら巻き戻っていたからブチ切れた! 軽~く読み飛ばし推奨です。

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

白い結婚はそちらが言い出したことですわ

来住野つかさ
恋愛
サリーは怒っていた。今日は幼馴染で喧嘩ばかりのスコットとの結婚式だったが、あろうことかバーティでスコットの友人たちが「白い結婚にするって言ってたよな?」「奥さんのこと色気ないとかさ」と騒ぎながら話している。スコットがその気なら喧嘩買うわよ! 白い結婚上等よ! 許せん! これから舌戦だ!!

精霊の愛し子が濡れ衣を着せられ、婚約破棄された結果

あーもんど
恋愛
「アリス!私は真実の愛に目覚めたんだ!君との婚約を白紙に戻して欲しい!」 ある日の朝、突然家に押し掛けてきた婚約者───ノア・アレクサンダー公爵令息に婚約解消を申し込まれたアリス・ベネット伯爵令嬢。 婚約解消に同意したアリスだったが、ノアに『解消理由をそちらに非があるように偽装して欲しい』と頼まれる。 当然ながら、アリスはそれを拒否。 他に女を作って、婚約解消を申し込まれただけでも屈辱なのに、そのうえ解消理由を偽装するなど有り得ない。 『そこをなんとか······』と食い下がるノアをアリスは叱咤し、屋敷から追い出した。 その数日後、アカデミーの卒業パーティーへ出席したアリスはノアと再会する。 彼の隣には想い人と思われる女性の姿が·····。 『まだ正式に婚約解消した訳でもないのに、他の女とパーティーに出席するだなんて·····』と呆れ返るアリスに、ノアは大声で叫んだ。 「アリス・ベネット伯爵令嬢!君との婚約を破棄させてもらう!婚約者が居ながら、他の男と寝た君とは結婚出来ない!」 濡れ衣を着せられたアリスはノアを冷めた目で見つめる。 ······もう我慢の限界です。この男にはほとほと愛想が尽きました。 復讐を誓ったアリスは────精霊王の名を呼んだ。 ※本作を読んでご気分を害される可能性がありますので、閲覧注意です(詳しくは感想欄の方をご参照してください) ※息抜き作品です。クオリティはそこまで高くありません。 ※本作のざまぁは物理です。社会的制裁などは特にありません。 ※hotランキング一位ありがとうございます(2020/12/01)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。