婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新天地を! 12

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焼き鳥だけで腹いっぱいとか飽きちゃうかな?大分、お腹いっぱいになってきたし別の台でちょろっと何か作るかな?
タマの前にはまだまだ沢山の肉もあるし……あれ?……離れた台には果実水やスープが置かれてました。
残った料理担当隊員がちょこちょこ作って置いてくれてました!

「あ!姫様お疲れ様です!どうぞ食べていって下さい!」

若い隊員が八つ切りにしたリンゴの入った大きなボウルをヨイショと置いていった。
隊員の後ろ姿を見て、不意に気付く。ヒナとユキとリコが人集りから離れてご飯食べてました!
しまったぁ!アワワワ……焼き鳥に心奪われて忘れてた!カワイコちゃん達のご飯あげてくれた人達ありがとう!私ったら!

「ゴメンね!ヒナ、ユキ、リコ!向こうに行きっぱなしで!」

ヒナもユキもリコも気にしなくて良いと言ってくれた。忙しそうだったし、優しそうな人達が自分達の好物を出してくれたから気にしないで……と。好物……?優しそうな人達?
見回して気が付く。ユキとヒナとリコ推しの人達だった。

「ありがとう!」

私がそう声を掛けると一人の隊員が丁寧に頭を下げた。

「いえ。お気になさらずに……その、その分近くにいられましたし撫でれたんで……リコちゃんふわふわですね」

リコ推しか……

「いえ。リコが気にしてなければ大丈夫よ」

リコはハグハグと何か……何かの肉を食べて……って腸から食べたのね。そんな所は獣と同じかぁ……皮をキレイに剥ぎ取られ、角とか爪とか取られた多分角ウサギに見える肉?でした。
ユキはそれを幾つか与えられたようで骨とまだ食べてないのが残ってました。
ヒナは野菜とリンゴとリンゴの芯が入ったタライに頭を突っ込んでました。
……リンゴの芯を嬉しそうに啄んでます。芯……何で嬉しそうなのか分かりません。
あえて言うと芯は円筒状になってるんで、芯抜き的な何かが発明され、ガンガン芯抜きされ八つ切りにしたんでしょうね。
とにかくちゃんと食べてて良かった。
カワイコちゃん達が空腹とかダメだもの……ん?んー……何か忘れてるような……

「ピカ太郎よ!タレばかりとは宜しくないぞ!さあ!塩も食べるのだ!」

スラ道の大きく張った声が聞こえる。
スラピカコンビの事、忘れてたと言うか見ないようにしてた。
コンロの前、チラチラ見える黄色の雷ネズミが両手に焼き鳥串(タレ・モモ)を両手に持って食べていました。
スラ道は体の一部を伸ばして焼き鳥串を掴んで食べていた……便利そうだけどビジュアル最低だ。てかスラ道魔物の血も吸うけど、ご飯も食べるんだね。
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