婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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新しい日々 88

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おかげで眠気が吹っ飛びました。
ホラー映画見て眠たくなるって度胸座ってる以外の何者でも無いわ……私には無理です。だって怖いの嫌いですもの。

「クックックッ……王家では到底無理な程盛大にやるか?」

お祖父さまのやる気スイッチが!どれ位盛大にやるつもりなの?

「まずは大広間で婚姻式をして、領都をパレードするか?道々に花を蒔いたり、馬車から何か領民に投げてやれば皆喜ぶしな!うむ!華々しく領民も喜ぶな」

「え?お祖父さま、花嫁衣装を何着か着替えるのではダメなのですか?」

お祖父さまの盛大がロイヤルウエディングぽくて引いてます。

「む?なる程!勿論良いに決まってるとも!では、一週間ぶっ続けでやるか!」

「長っ!」

お祖父さまの構想の中では何日やるつもりだったの?

「あら?一週間で終わりにしますの?」

お母様!火に油を注がないでぇ!

「その通りだ!せめて十日は掛けねば全ての寄子貴族も我が領に忠義立てしてる騎士に隊員それらの家族に民達も祝いに駆けつけれん!客人も多く来ると分かってるからな、我が領上げての婚姻式をするぞ!可愛いエリーゼの美しい姿をこれでもかと見せつけるんだ!」

ちょっ!お父様、さっきまでルークとの婚姻に反対っぽい感じだったのに!なのに婚姻式は別なの?どうなってるの?

「フフ……ハインリッヒったら、仕方のない人。お嫁に出したくないけど、うんと着飾らせて自慢したいなんて子供よね?ね、エリーゼそう思わない?でとね、私、あの人のああいう所も気に入ってるの」

お母様の惚気に頷いた。うん、お父様ったら……でも分かる。ちょっと可愛いって思ってしまったわ……

「普段はお父様は渋くて格好いい大人の男って感じなのに、あんな風につまらない事言ってみたりしてお母様に怒られたりする姿を見るとちょっとだけお父様を可愛いと思えますわ。あのちょっとした隙のある所とか少し心が擽られるます……その、ルークもそういう所ありますから」

お母様と二人してクスクス笑う。

「貴女達、そこは私も同じですわ。勿論あの人もね……あの人ったら、まだ気にしてるのよ……木っ端貴族なんて言ってるけど本当は王家そのものに言いたいのよ。あの人からすれば愛しくて可愛くて堪らない孫娘だもの……私もそう。なのに……いえ、だからこそルーク殿下との婚姻式はそれはそれは盛大にやって王国どころか帝国にも引けを取らぬと知らしめたいのよ。どれ程自分が孫娘を可愛がってるか皆に教えたくて仕方ないのよ。大っぴらに言いたいのに口にするのが恥ずかしいのよ、昔からそう……でもね、可愛いでしょう?あんなに見た目ゴツいのにね」

お祖母さまも加わって小さくクスクスと笑い合う。
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