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新しい日々 46
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「何でそんな事に……」
幾らなんでもそこまで酷くなるなんて思ってもみなかった。
え?ちょっと待って?そんな短期間に経済が悪化するなんて、幾らなんでもおかしすぎるでしょう?
「谷から王都へ向かう帝国の商隊が使う大街道の通ってる通行税が高くなって王都に行く帝国の商隊が無くなったのが始まりよ」
お母様の冷たい声が聞こえる。
帝国の商隊は通る各領地で売買をしてく。そのおかげで各領地が潤う。だからこそ通行税は上げないのが普通なのに、通行税を上げる?愚かだとしか言えない。
「何故、通行税を上げたのかしら?」
「第三王子妃のせいよ。あれで大街道が通ってる下位貴族家が自分の娘も王家に食い込めると勘違いしてお金をかき集めようと通行税を上げたのよ。大抵は寄子だから親の貴族家が慌てて通行税を下げさせようとしたけど、言う事を聞かなくて外された下位貴族もそれなりにいる。けれど王都に近い下位貴族は既に商隊が来なくなってにっちもさっちも行かなくなったのよ」
「え?でもうちの領地には多くの帝国商隊来てますよね?」
領都にだって多くの帝国商隊が来てるし、商売をしてる。
「ええ、うちから塩街道側の一部領地には商いをしてるわ。それでも王家直轄地までよ」
王家直轄地……あの小さな集落しかない領地か……商いに繋がらないなら選択しないか……
帝国商隊はいわば物流のメインみたいな立ち位置だった筈、荷馬車の数も多く商人も多かった。小さな商隊は魔物怖さに領地から出ないのが普通だった。
じゃあ物流の止まった王都は僅かな生命線だけで?バカな!
「ではどうやって生き延びるというの……」
「今、我が家の定期便は数を増やし物品も増やしました。可能な限り物資を王都に送り続けてます、もし王家からの要請があっても大丈夫なようにしてます。勿論、他の貴族家からの要請があれば対応出来るようにもしてます」
さすがお母様いえ、お父様かしら?便数も増やして量も増やしてるなんて!
「なら安心かしら……」
「そうね……」
お母様の歯切れは悪い。
「でも、多くの貴族は余程切羽詰まらないと助けを求めて来ないでしょうね」
お祖母さまが放った一言にハッとする。そうだ、貴族は弱味を見せない。もし貧しくても我慢出来るなら限界まで我慢する可能性の方が高い。
「ええ……今、何とかやり取りをしてるのはギョーム公爵家、キンダー侯爵家、ロズウェル伯爵家、ウナス伯爵家辺りね。ギョーム公爵家は王家の分も少し賄ってると思うわ、そうしなければ到底賄いきれないでしょうしね」
脳内に地図を広げて確認する。ギョーム公爵領から王都へはギョーム公の寄子貴族とロア公爵家の寄子貴族とロア公爵領しか無いから何とか物資を運ぶ事も出来る。
それでもシビアな状況だ。
王家だけじゃなく、王家が抱える騎士や兵士もいる。王都民まで回す余裕は無いんだろう……
幾らなんでもそこまで酷くなるなんて思ってもみなかった。
え?ちょっと待って?そんな短期間に経済が悪化するなんて、幾らなんでもおかしすぎるでしょう?
「谷から王都へ向かう帝国の商隊が使う大街道の通ってる通行税が高くなって王都に行く帝国の商隊が無くなったのが始まりよ」
お母様の冷たい声が聞こえる。
帝国の商隊は通る各領地で売買をしてく。そのおかげで各領地が潤う。だからこそ通行税は上げないのが普通なのに、通行税を上げる?愚かだとしか言えない。
「何故、通行税を上げたのかしら?」
「第三王子妃のせいよ。あれで大街道が通ってる下位貴族家が自分の娘も王家に食い込めると勘違いしてお金をかき集めようと通行税を上げたのよ。大抵は寄子だから親の貴族家が慌てて通行税を下げさせようとしたけど、言う事を聞かなくて外された下位貴族もそれなりにいる。けれど王都に近い下位貴族は既に商隊が来なくなってにっちもさっちも行かなくなったのよ」
「え?でもうちの領地には多くの帝国商隊来てますよね?」
領都にだって多くの帝国商隊が来てるし、商売をしてる。
「ええ、うちから塩街道側の一部領地には商いをしてるわ。それでも王家直轄地までよ」
王家直轄地……あの小さな集落しかない領地か……商いに繋がらないなら選択しないか……
帝国商隊はいわば物流のメインみたいな立ち位置だった筈、荷馬車の数も多く商人も多かった。小さな商隊は魔物怖さに領地から出ないのが普通だった。
じゃあ物流の止まった王都は僅かな生命線だけで?バカな!
「ではどうやって生き延びるというの……」
「今、我が家の定期便は数を増やし物品も増やしました。可能な限り物資を王都に送り続けてます、もし王家からの要請があっても大丈夫なようにしてます。勿論、他の貴族家からの要請があれば対応出来るようにもしてます」
さすがお母様いえ、お父様かしら?便数も増やして量も増やしてるなんて!
「なら安心かしら……」
「そうね……」
お母様の歯切れは悪い。
「でも、多くの貴族は余程切羽詰まらないと助けを求めて来ないでしょうね」
お祖母さまが放った一言にハッとする。そうだ、貴族は弱味を見せない。もし貧しくても我慢出来るなら限界まで我慢する可能性の方が高い。
「ええ……今、何とかやり取りをしてるのはギョーム公爵家、キンダー侯爵家、ロズウェル伯爵家、ウナス伯爵家辺りね。ギョーム公爵家は王家の分も少し賄ってると思うわ、そうしなければ到底賄いきれないでしょうしね」
脳内に地図を広げて確認する。ギョーム公爵領から王都へはギョーム公の寄子貴族とロア公爵家の寄子貴族とロア公爵領しか無いから何とか物資を運ぶ事も出来る。
それでもシビアな状況だ。
王家だけじゃなく、王家が抱える騎士や兵士もいる。王都民まで回す余裕は無いんだろう……
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