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新しい日々 43

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「エリーゼはそれで良いと私は思ってますわ。いえ……だからこそなのかしら?」

お母様、フォローになってません!

「そうね、姫様だからこそですわね。本当に長い事シュバルツバルト直系の姫様は久し振りですもの」

おや?エルフが神妙な顔で私を見ましたわ。

「そうだね、直系の姫様は随分と久し振りだねぇ……前の姫様にも随分と色んな物を作った覚えがあるよ」

しみじみとドワーフにも言われました。

「そんなに久し振りなのね、どれ位前なのかしら?教えて頂けるかしら?きっとエリーゼも気になると思うのだけど」

お母様ったら、聞いちゃうの?
顔を見合わせるエルフとドワーフ。

「二百年位前かしら?」

「もうちょっと手前の百五十年位前じゃなかったかねぇ?」

どっちもかなり前ですよ!長生きだと百年ひと昔なんですか?

「どちらにしても百年以上は前なんですね……」

げんなりです。そりゃそうです。分かりませんよ。

「聞いた事無いわ……多分、本当にずっと昔なのねぇ……」

お祖母さまも少し難しい顔してます。直系は男ばかりって言ってたけど、本当に男ばかり!

「きっとね、この辺りの土地は特殊なのだと思うのよ。魔物もあれだけ大きなものばかりがこのシュバルツバルトに現れるというのも不思議な話だと思ってるの。あれらは私の知る限り、大山脈と火山とこのシュバルツバルトにだけ現れるのですもの」

エルフさん?何か大変な事言ってますよね?長生きのエルフさんでも生息域がうちと大山脈の辺って……火山も谷挟んだ並びみたいなもんだし……

「そうだねぇ。帝国の向こうにいるらしいって事だけど、あっちは私等にも分からんしねぇ……それに海にいるやつらもここら辺には現れるね、あと島も海岸線辺りは出るって話だね」

ドワーフまで!いや、あの島ってか 私は上陸した事無いけど島々って一応街とか町とか村があるんだよね?行ってみたい気もするけど、今は無理か……

「ちょっと長居し過ぎたわ、姫様が余計な興味を持つ前に退散するわ」

エルフさんにクスリと笑われました。バレテーラ(笑)興味あっても行かないよ!

「そうだねぇ、あの島々はちょいとねぇ……まぁ、冒険者が好んで行くような島さね。じゃあ、仕事も請け負ったし私も戻るかね」

そう言うとドワーフもエルフも立ち上がってサロンを出て行ってしまいました。

「冒険者が好んで行く島……」

オラちょっと興味沸いて来たぞ!
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