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新しい日々 34

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いつもより長めの湯浴みをしてからレモンイエローのフンワリしたドレスに様々なトルマリンが花束のように配されたお飾りを着ける。

「エリーゼ様、こちらに……」

鏡台の鏡に映る自分の顔に凹む。
今日の私は何て顔なの?まるでお通夜か何かに来てるみたい。

「エリーゼ様、今日は横を三つ編みにして後ろで纏めましょうね。後ろ側の下半分はそのまま垂らしておきましょう」

「ええ……」

鏡の中の私を見ながらボンヤリと考える。
朝ご飯食べて、それから……それからルークの出立を見送って……見送っ……て……離れたくない……お母様もお父様を送り出す時こんなに辛かったの?好きな人と離れるってこんなに辛いの?

「エリーゼ様、失礼致します……」

柔らかな布が目元に当てられる。
ぼやける視界に自分が泣いてる事に気がつく。
しっかりしなきゃ……それなのに次から次と涙が零れて来る。
軽いノックの音と共に現れたのはルークとキースだった。

「おはようエリーゼ、今の内にきちんと会っておきたかった」

「おはようございます、あの……アニスさん、ルーク様とエリーゼ様をお二人だけに出来ますか?」

「勿論です、皆少しの間部屋から出ておくように。キース、その……少し私の部屋に……」

「はい……」

アニスとキースの会話は耳に入って来るけど、良く分からない。
ルークの目が真剣過ぎて胸が痛くなる……ちゃんとルークを見ていたいのにぼやけてきて……

「エリーゼ、そんな風に泣くな」

抱き締められチュッって音が聞こえる……何かと思ったら涙を吸われていた。

「え?……」

「大丈夫だ、必ず帰って来る。だから泣くな」

小さく首を振って「違う……」と言ってみたけど、自分の声が小さくて驚く。

「ルーク……違うの。離れるのが辛い……」

声を張り上げて言ったつもりなのに、それでも聞こえる自分の声はいつもより小さい。

「俺も辛い、けど待っていてくれ」

「……うん……」

キツくキツく抱き締められ訳も分からないまま深く口付けられ何も考えられなくなる。
離れる熱さと唇を追いかけそうになる。

「すぐに大型を討伐して帰って来る、エリーゼの側にいるならそれは必要不可欠な事だろう?だから待っていてくれ」

「分かってる……離れるのが嫌でダダを捏ねてるだけだって……ちゃんと待ってる、だから頑張って」

「ああ」

力強いルークの腕が、私よりも大きくて厚みのある胸板が私と違う体温が離れる。
カツカツと音がしそうな歩いてく後ろ姿がアニスの部屋の扉へと向かう。
ノックと共に声を掛けるとキースとアニスが出て来て、キースと共に部屋から出て行った。
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