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新しい日々 30
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「雷……それは凄いな……」
うん、確かに凄い。
「すごいピカ?うれしいピカ!がんばるピカ!」
ルチルがクルクル回って可愛いアピールしてきた!
ルークも良い笑顔です。
「さ、ルークは明日の事もあるんだから部屋に戻って休まないとね」
今日位はルークと二人っきりで過ごしたかったけど、ノエルとルチルの気持ちを考えたら譲る方が良いと思うのよね。
特にノエルはルーク大好き小悪魔系ニャンコだもの、甘えたいと思う。
「そうだな、部屋に戻る」
そう言うとノエルとルチルを抱っこして歩き出した。え?……いつもと違くない?お休みの挨拶も無し?
「失礼致します、エリーゼ様」
「にゃっ!」
「ピカ!」
キースとノエルとルチルだけが挨拶して……ルーク?そして部屋を出て行ったルークの後ろ姿に泣きたくなる。
「何か変でしたね、ルーク様。いつもなら軽く抱き締めて挨拶なさるのに……後で挨拶しに来たら驚きですけど」
アニスの言葉に少しだけ期待する。
「そう……かしら?後から来て下さるのかしら?」
後は湯浴みして寝るだけ……でも……
「アニス、少しだけ……もう少しだけお茶を楽しんでおくわ」
「勿論です、きっとご挨拶に来て下さいます」
紅茶が淹れられ、私はソファに深く沈み込むように座って扉の方を見ていた。
明日から一ヶ月程離れて過ごす……危険な大型討伐をする為に旅に出て行く。
「寂しいわ……」
本音が溢れてしまう。私の大切な愛しい人と離れるなんて……辛い……
温かかった紅茶はすっかり冷めてしまった。
「エリーゼ様、新しいのをお淹れしますね」
「ええ……」
一口も口を付けなかった紅茶……カップがソーサーごと下げられ、一口も口を付けなかった事に申し訳ない気持ちになった。
コンコンコンコン……
「エリーゼ様!」
「ええ、アニス」
小さなノックの音にアニスが小走りで扉へと急ぐ。
訪れたのはルークだった。
「エリーゼ、少し二人っきりで話がしたい」
「ええ、アニス……少しの間だけ部屋に下がって貰って良いかしら?」
私の言葉に頷いて、隅にある扉を開け滑るように消えて行った。
迷いが私を立ち上がらせる事が出来なかった、そんな私の隣にルークは座り優しく抱き寄せてくれる。
ルークの私を抱き締める力は決して強くない、でも……だからこそ私はルークの胸に縋りつくみたいに頭を寄せる。
うん、確かに凄い。
「すごいピカ?うれしいピカ!がんばるピカ!」
ルチルがクルクル回って可愛いアピールしてきた!
ルークも良い笑顔です。
「さ、ルークは明日の事もあるんだから部屋に戻って休まないとね」
今日位はルークと二人っきりで過ごしたかったけど、ノエルとルチルの気持ちを考えたら譲る方が良いと思うのよね。
特にノエルはルーク大好き小悪魔系ニャンコだもの、甘えたいと思う。
「そうだな、部屋に戻る」
そう言うとノエルとルチルを抱っこして歩き出した。え?……いつもと違くない?お休みの挨拶も無し?
「失礼致します、エリーゼ様」
「にゃっ!」
「ピカ!」
キースとノエルとルチルだけが挨拶して……ルーク?そして部屋を出て行ったルークの後ろ姿に泣きたくなる。
「何か変でしたね、ルーク様。いつもなら軽く抱き締めて挨拶なさるのに……後で挨拶しに来たら驚きですけど」
アニスの言葉に少しだけ期待する。
「そう……かしら?後から来て下さるのかしら?」
後は湯浴みして寝るだけ……でも……
「アニス、少しだけ……もう少しだけお茶を楽しんでおくわ」
「勿論です、きっとご挨拶に来て下さいます」
紅茶が淹れられ、私はソファに深く沈み込むように座って扉の方を見ていた。
明日から一ヶ月程離れて過ごす……危険な大型討伐をする為に旅に出て行く。
「寂しいわ……」
本音が溢れてしまう。私の大切な愛しい人と離れるなんて……辛い……
温かかった紅茶はすっかり冷めてしまった。
「エリーゼ様、新しいのをお淹れしますね」
「ええ……」
一口も口を付けなかった紅茶……カップがソーサーごと下げられ、一口も口を付けなかった事に申し訳ない気持ちになった。
コンコンコンコン……
「エリーゼ様!」
「ええ、アニス」
小さなノックの音にアニスが小走りで扉へと急ぐ。
訪れたのはルークだった。
「エリーゼ、少し二人っきりで話がしたい」
「ええ、アニス……少しの間だけ部屋に下がって貰って良いかしら?」
私の言葉に頷いて、隅にある扉を開け滑るように消えて行った。
迷いが私を立ち上がらせる事が出来なかった、そんな私の隣にルークは座り優しく抱き寄せてくれる。
ルークの私を抱き締める力は決して強くない、でも……だからこそ私はルークの胸に縋りつくみたいに頭を寄せる。
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