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新しい日々 26

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「何か……何かアニスが尊い……」

「ん?」

私と並んで歩くルークがちょっと不思議そうです。

「妹とかいないから、アニスが可愛くてね。キースとキャッキャウフフしてるの見ると癒されるわ」

心からそう思う。妹って響きが良いわよね、ちょっとだけキャスバルお兄様の気持ちが分かる気がする……あくまでも分かる気がするってだけよ!私、キャスバルお兄様みたいな重度のシスコンじゃないもん!

「癒されるか?妹によりけりだろ?」

あ……そうだった!ルークの前世にいた妹ちゃんは腐女子だった……

「でも可愛かったんでしょ?」

「まぁな、でなきゃ一緒に暮らしてないな」

「一緒に暮らしてたんだ。仲良かったんだね」

「……そういや家も三人兄妹だったな……」

「ヘェー……ルークは上のお兄ちゃんだったの?下のお兄ちゃんだったの?」

「下だな」

「へぇ……トールお兄様と同じだったのかぁ……」

ルークがお兄様だったら、楽しそうだし頼りになるお兄ちゃんだったのかも。素で格好いいもんなぁ……

「そうか、そうだな。兄貴はちょっと離れてたから余計一緒にいたのかもな」

「ふぅん」

兄弟でも色々あるものね。そうか……じゃあお兄様たちの気持ちとか理解してたのかな?

「ルークはキャスバルお兄様の気持ちとか理解出来るの?」

「あー……分からんじゃないな、俺も妹が腐ってなかったらシスコンになってたかもな」

ん?シスコンになってたかもな?かもな?なの?本当かな?滲み出る何かがシスコン以外の何者でも無い気がするんですけど。

「じゃあ妹ちゃんとはお出かけとかしなかったの?」

「いや、してたけど」

してたのにシスコンじゃないと言っちゃうのは自覚無しって気がします。
一緒に暮らしてて、たまに一緒にお出かけしちゃうお兄ちゃんがシスコンじゃないってのは無理がある気がする。

「やっぱりシスコンじゃないのかな?」

「違うだろ」

「認めたくないものだな……って事のような気がしてならない」

返事が無いようだ。屍じゃないけど、どこか思う所があるのかな?後ろは相変わらず楽しそうです。

「……そうだな……やっぱり妹は可愛かったな……今更だけど、もっと構ってやれば良かったな」

「そうなの?」

「ん?んー……人前じゃなければコスプレとかやっても良かったかなって」

コスプレ?!

「何の?」

「ジャニとかテニミュとか刀ラブとか」

リアルだな!いや、都会なら身近なのか。

「ねぇ、ルークの前世って格好良かったの?」

「まぁ……」

「リア充だったんだ……」

「それなりに」

否定しないのか!……リア充な兄とか、それがシスコンとか!……私も格好いい兄がいたら変わってたかな?
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