上 下
497 / 1,397
連載

新しい日々 4

しおりを挟む
湯浴みから出て待ち構えるアニスは何かを期待している顔です。
そうだ……今日からは暫く避けてたドレスとお飾りにするんだった……

「エリーゼ様、今日は淡紅色のドレスをお持ち致しました!」

淡紅色……ピンクかよ……それでも上品なデザインでギリ許せる。
コルセット装着、クリノリン装着でドレス。
たっぷりのフリルに金糸の刺繍……おそらくお花畑系電波令嬢なら大喜びする逸品だわ。
着せられると良く分かる重さ!優雅に見えるけど、素材とか何とかで重いったらない!
まだドレスに宝石が縫い付けてるとかじゃない分軽いけどね!
コルセットもあんまり締めてないけど、余裕でした。
見ただけでコルセットを調整するアニス、さすがです!
コルセットのおかげで無駄に胸の谷間がアピールされてます。
デザインは余り肌を露出させてないので温かいし、エロさは少ないです。

「お飾りはこれでよろしいですか?」

ピンクの宝石が花のように配置され黄緑色の宝石が葉っぱみたいに配置されてる可愛らしいデザインのネックレスにイヤリングのセット。

「ええ」

これならドレスに合いそうだもの……それにコレはお祖母さまからの贈り物だもの、きっとお祖母さまが見たら喜ぶわ。
アニスに微笑むとアニスは手早く髪を梳り、サイドを編み込んで三つ編みを作って……三つ編みが頭を囲うようにぐるりと回される。
まるでカチューシャの様。
お飾りがつけられ完了。アニスに礼を言って立ち上がる。
鏡の中ピンクのドレスを着た女性は変でも何でも無かった。

「アニス、食堂に行きましょうか?」

「はい」

アニスと共に食堂を目指す。
何となく声を掛けづらい……通いなれた廊下を無言で進む。
すぐに食堂の前についてしまう。

「ではエリーゼ様、後程」

「ええ」

どうしても言葉数が少なくなる。
ジッと見つめてくるアニスを振り切るように食堂に入る。
食堂の中にはキャスバルお兄様とトールお兄様がいた。

「おはようエリーゼ、良く眠れたかい?」

キャスバルお兄様の優しい声に首を振ってしまう。ちゃんと寝たのに、どこか疲れてる。

「おはようございます、キャスバルお兄様トールお兄様。寝てはいるんですけど、何だか体が重くて……」

言いながら自分の椅子に座って、目の前に置かれた温かい紅茶に手を伸ばす。

「無理はしなくて良い」

「キャスバルお兄様、そんな訳にはいかない事分かってて言うのはズルいですわ……」

ついジト目で返してしまう……
しおりを挟む
感想 5,613

あなたにおすすめの小説

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

私を侮辱する婚約者は早急に婚約破棄をしましょう。

しげむろ ゆうき
恋愛
私の婚約者は編入してきた男爵令嬢とあっという間に仲良くなり、私を侮辱しはじめたのだ。 だから、私は両親に相談して婚約を解消しようとしたのだが……。

奪い取るより奪った後のほうが大変だけど、大丈夫なのかしら

キョウキョウ
恋愛
公爵子息のアルフレッドは、侯爵令嬢である私(エヴリーヌ)を呼び出して婚約破棄を言い渡した。 しかも、すぐに私の妹であるドゥニーズを新たな婚約者として迎え入れる。 妹は、私から婚約相手を奪い取った。 いつものように、妹のドゥニーズは姉である私の持っているものを欲しがってのことだろう。 流石に、婚約者まで奪い取ってくるとは予想外たったけれど。 そういう事情があることを、アルフレッドにちゃんと説明したい。 それなのに私の忠告を疑って、聞き流した。 彼は、後悔することになるだろう。 そして妹も、私から婚約者を奪い取った後始末に追われることになる。 2人は、大丈夫なのかしら。

わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜
恋愛
 令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。  ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。 ※連載

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな

みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」 タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。

最後に、お願いがあります

狂乱の傀儡師
恋愛
三年間、王妃になるためだけに尽くしてきた馬鹿王子から、即位の日の直前に婚約破棄されたエマ。 彼女の最後のお願いには、国を揺るがすほどの罠が仕掛けられていた。

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。