婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

文字の大きさ
上 下
463 / 1,449
連載

新しい年 7

しおりを挟む
「え……だっ!誰にも言いませんからっ!」

「そうね、誰にも言っちゃダメよ」

「はいっ!」

無言でハグハグと食べる私達二人。
そりゃもう必死です。
食べてる最中にコンコン!とか聞こえたら二人してフリーズする事請け合いよ(笑)

カチャン……

「食べたわ……」

「冷え……ますね……新しい紅茶淹れますね」

最早一気食いと言っても良い程の勢いで食べたもんだからすっかり冷えてしまった。

「お願いね、食器片付けてしまうわね。クリーン」

綺麗になったお皿とスプーンをサッと収納してしまう。

「お待たせ致しました」

熱々の紅茶が差し出されると取っ手を摘まんでゆっくりと一口啜る。
無論、音を立てずに啜るんですのよ。
アニスもスチャッと座るとフゥフゥと熱々の紅茶に息を吹きかけて飲み出す。
余程冷えたのだろう、両手でカップを持っている。
着ている物の差もある。
もう少しアニスに良い仕立てのお仕着せを作って貰おう!
後、私の着ないドレスもどうにかして貰おう。
……王都に置いて来たドレスはあの子の所に行くように手配してたけど、こっちでアニスも着ないような物は送りつけようかしら?
木綿とかちょっと思い毛織物とかは着ない気がする。
シルクと近いのか天蚕糸で織った物ってあったかいのよね。
収納リストにドレスも入ってきてるし、どんなペースで作ってるのか怖くて聞けないわよ。
それに暫くは裏の天蚕糸で織った布地でドレスやお着物も作られるだろうし……着ないドレスは肥やしにしかならないわ。

「ねえ、アニス。ちょっと前に仕立てたドレスは着ないからアニスが着たいドレスがあったら持って行って良いわよ」

「え……」

キョトンですか?キョトンですね!
小首を傾げて考え込んだわ!可愛いですわ!

「えーと……着ないドレスって結構ありますよね?」

「そうね、新しい物や輿入れ用に仕立てた物はさすがに手放せないからそれ以外になるのだけど」

それでもかなりの量があるのよね。

「収納リストにもドレスや小物が沢山あるから、物足りなければそちらから出せばすぐにいっぱいになると思うのよね。お着物も置くようになる訳だし」

パァッ!とアニスの顔が輝いた気がした。

「そんなにあるんですか!エリーゼ様のドレスを頂けるのは嬉しいですけど、それよりもエリーゼ様が出し惜しみしてるドレスご気になります!昨日のお着物も凄かったし!見てみたいです!」

アニスの食い付きが凄いです……
しおりを挟む
感想 5,634

あなたにおすすめの小説

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

王侯貴族、結婚相手の条件知ってますか?

時見 靜
恋愛
病弱な妹を虐げる悪女プリシア・セノン・リューゲルト、リューゲルト公爵家の至宝マリーアン・セノン・リューゲルト姉妹の評価は真っ二つに別れていたけど、王太子の婚約者に選ばれたのは姉だった。 どうして悪評に塗れた姉が選ばれたのか、、、 その理由は今夜の夜会にて

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない

ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。 ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。 ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。 ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

悪役令嬢は毒を食べた。

桜夢 柚枝*さくらむ ゆえ
恋愛
婚約者が本当に好きだった 悪役令嬢のその後

巻き戻ったから切れてみた

こもろう
恋愛
昔からの恋人を隠していた婚約者に断罪された私。気がついたら巻き戻っていたからブチ切れた! 軽~く読み飛ばし推奨です。

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

白い結婚はそちらが言い出したことですわ

来住野つかさ
恋愛
サリーは怒っていた。今日は幼馴染で喧嘩ばかりのスコットとの結婚式だったが、あろうことかバーティでスコットの友人たちが「白い結婚にするって言ってたよな?」「奥さんのこと色気ないとかさ」と騒ぎながら話している。スコットがその気なら喧嘩買うわよ! 白い結婚上等よ! 許せん! これから舌戦だ!!

精霊の愛し子が濡れ衣を着せられ、婚約破棄された結果

あーもんど
恋愛
「アリス!私は真実の愛に目覚めたんだ!君との婚約を白紙に戻して欲しい!」 ある日の朝、突然家に押し掛けてきた婚約者───ノア・アレクサンダー公爵令息に婚約解消を申し込まれたアリス・ベネット伯爵令嬢。 婚約解消に同意したアリスだったが、ノアに『解消理由をそちらに非があるように偽装して欲しい』と頼まれる。 当然ながら、アリスはそれを拒否。 他に女を作って、婚約解消を申し込まれただけでも屈辱なのに、そのうえ解消理由を偽装するなど有り得ない。 『そこをなんとか······』と食い下がるノアをアリスは叱咤し、屋敷から追い出した。 その数日後、アカデミーの卒業パーティーへ出席したアリスはノアと再会する。 彼の隣には想い人と思われる女性の姿が·····。 『まだ正式に婚約解消した訳でもないのに、他の女とパーティーに出席するだなんて·····』と呆れ返るアリスに、ノアは大声で叫んだ。 「アリス・ベネット伯爵令嬢!君との婚約を破棄させてもらう!婚約者が居ながら、他の男と寝た君とは結婚出来ない!」 濡れ衣を着せられたアリスはノアを冷めた目で見つめる。 ······もう我慢の限界です。この男にはほとほと愛想が尽きました。 復讐を誓ったアリスは────精霊王の名を呼んだ。 ※本作を読んでご気分を害される可能性がありますので、閲覧注意です(詳しくは感想欄の方をご参照してください) ※息抜き作品です。クオリティはそこまで高くありません。 ※本作のざまぁは物理です。社会的制裁などは特にありません。 ※hotランキング一位ありがとうございます(2020/12/01)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。