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元日! 46
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「ちょっ……何か目が怖いんだけど」
ルークが少し怯えてますが、キニシナイ!
「ねぇ……婚姻相手を見つける為に夜会に出てたのよね?相手がいなかったの?」
あからさまに目が逸らされました!黒です!こやつ!
「いや、その……ほら、立場が立場だから初夜で失敗しないように手解きとかはさ……ノーカンで!恋愛とかじゃないし、俺は婚約者とかも作る気なかったし遊ぶ気も無かったよ!ホント、剣の鍛錬とかの方が大事だったし!」
ギルティ!こやつはギルティですぞ!って言っても仕方ないわ。
フゥと息を吐き出す。
高位貴族であれば閨の事は教育の一環だもの。
不倫や浮気は厳罰。それは男も女もだけど、より女の方が問題になる。
王国の他領には娼館があるから公然の秘密みたいになってるけど、女は子供を生むからシャレにならない。
その為に必ず閨の教育は気心の知れた侍女と共に受ける。
いつまでも夫が自分を抱いてくれるとは限らない。
特に男子を二人生んだ後は……だが他の男に身を任せる事は許されない。
その為に同じ教育を受けた侍女に性欲処理をさせるのだ。
私と共に教育を受けたのはアニス。
王宮と言う名の籠に閉じ込められ、ジークフリート殿下の訪れが無くなった日々を支える為の存在になる筈だった。
今でも私ではどうにも出来ない熱を逃がすのはアニスに任せるしかない。
そんな私がルークを責めれる訳が無い。
「分かってるわ。皇子と言う立場であれば万が一の事があれば宜しくないものね。それに今は側近がいないから困るでしょう?早く候補が上がって決まると良いのだけど」
側近は決して孕まない。
そして能力は公私に渡ってフォローするに足る。
妻の立場を尊重し、主を敬い慕う。
彼等は妻の代わりであり、仕事を共に行い助け合う存在。
側近が決まれば嫉妬するかも知れない。
でも必要不可欠な存在である以上、嫉妬に駆られ甚振るような真似はしない。
「側近……か」
「私にとってのアニスと同じ存在だわ」
死ぬまで側に置き続ける大切な存在。
ただの侍女じゃない。
友人とも家族とも違う、もっと重くて寄りそう存在。
きっとルークにも打ち明けられない秘密もアニスなら平気……そんな存在。
ルークにとっての側近がそうなってくれればと思う。
夫婦になっても自分の醜い部分は見せたくない。
きっと専属侍女や側近は主の一番醜い部分を知ってる……だからこそ手放さないのだろう。
ああ……まるで共犯者のようね……
「そうよ……ずっと手元に置いて離さない大切な存在となる者よ」
何も言わず私を見るルークの目は恋する男ではなく、皇子と言われる思慮深く探るような目だった。
ルークが少し怯えてますが、キニシナイ!
「ねぇ……婚姻相手を見つける為に夜会に出てたのよね?相手がいなかったの?」
あからさまに目が逸らされました!黒です!こやつ!
「いや、その……ほら、立場が立場だから初夜で失敗しないように手解きとかはさ……ノーカンで!恋愛とかじゃないし、俺は婚約者とかも作る気なかったし遊ぶ気も無かったよ!ホント、剣の鍛錬とかの方が大事だったし!」
ギルティ!こやつはギルティですぞ!って言っても仕方ないわ。
フゥと息を吐き出す。
高位貴族であれば閨の事は教育の一環だもの。
不倫や浮気は厳罰。それは男も女もだけど、より女の方が問題になる。
王国の他領には娼館があるから公然の秘密みたいになってるけど、女は子供を生むからシャレにならない。
その為に必ず閨の教育は気心の知れた侍女と共に受ける。
いつまでも夫が自分を抱いてくれるとは限らない。
特に男子を二人生んだ後は……だが他の男に身を任せる事は許されない。
その為に同じ教育を受けた侍女に性欲処理をさせるのだ。
私と共に教育を受けたのはアニス。
王宮と言う名の籠に閉じ込められ、ジークフリート殿下の訪れが無くなった日々を支える為の存在になる筈だった。
今でも私ではどうにも出来ない熱を逃がすのはアニスに任せるしかない。
そんな私がルークを責めれる訳が無い。
「分かってるわ。皇子と言う立場であれば万が一の事があれば宜しくないものね。それに今は側近がいないから困るでしょう?早く候補が上がって決まると良いのだけど」
側近は決して孕まない。
そして能力は公私に渡ってフォローするに足る。
妻の立場を尊重し、主を敬い慕う。
彼等は妻の代わりであり、仕事を共に行い助け合う存在。
側近が決まれば嫉妬するかも知れない。
でも必要不可欠な存在である以上、嫉妬に駆られ甚振るような真似はしない。
「側近……か」
「私にとってのアニスと同じ存在だわ」
死ぬまで側に置き続ける大切な存在。
ただの侍女じゃない。
友人とも家族とも違う、もっと重くて寄りそう存在。
きっとルークにも打ち明けられない秘密もアニスなら平気……そんな存在。
ルークにとっての側近がそうなってくれればと思う。
夫婦になっても自分の醜い部分は見せたくない。
きっと専属侍女や側近は主の一番醜い部分を知ってる……だからこそ手放さないのだろう。
ああ……まるで共犯者のようね……
「そうよ……ずっと手元に置いて離さない大切な存在となる者よ」
何も言わず私を見るルークの目は恋する男ではなく、皇子と言われる思慮深く探るような目だった。
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