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元日! 40

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「では湯浴みの支度を致しましょう!」

「分かったわ。お振り袖は脱いでおくわ」

「待って下さい!お手伝いしますから!」

あら?アニスったら慌てて。

「ま……じゃあ待ってるわ」

鼻息荒くしちゃって……仕方ないわねぇ。
寝室に戻ってベッドに腰掛ける。
程なくやって来たアニスはやっぱり鼻息荒くて笑っちゃったけど、時代的なア~~レ~~がやりたい訳ではなくお着物に触りたいだけだった。
初めて触る感触のお着物に興奮してただけで他意はなく、しきりに「素敵」を連発していた。
いつか色無地とか仕立てて貰ってプレゼントしたいわ、いつも頑張ってくれてるんだもの。

「こちらのお振り袖はお預かりしてもよろしいですか?」

「いえ、全て私が持っておくわ。職人達が仕立ててくれたらこちらに置きましょう。せっかくだもの」

チビナビちゃん達のはちょっと技術力が高くて特別な時以外は着るのに躊躇っちゃう。

「そうですか……そうですよね、とても良いお仕立てでしたもの。お飾りも見た事ない位良い物でしたし……残念です」

たまには見たいって事かしら?うーん……どこかに飾る?衣桁を製作して貰って、季節に合わせたお着物を飾ろうかな?

「そんなに気落ちしないの。さ、湯浴みしましょう」

私の言葉と共に数名の侍女が現れ浴室で丁寧に洗われ、マッサージを受ける。
全身くまなくピッカピカにされました。
今回は時間が無いのでゆっくりやってられないのです。
数人がかりでドレス姿になります。
勿論、コルセットを締めるのはアニスがやりましたよ!
紅茶一杯飲むのも時間掛けなければ無理!なレベルです。
ハーフアップに結い直され、ヘッドドレスを付けた後後頭部に櫛が足される。
イヤリング(正確にはピアスだけど)が付けられ、ネックレスを付けて貰う。
両手首に華奢な細工が施されたブレスレットを付けるために指輪が嵌められる。
鏡に映る自分自身はまるで氷の女王のようにも見える。

「お美しいです……」

アニスの呟きに侍女達もホゥ……と溜息を漏らす。
うん、私も溜息が出そう。
コルセットのおかげでいつもより胸が強調されて、せっかく隠してるデコルテも暴けば豊満な胸がソコにあると強めのアピールをしてる。
コルセットの怖いのは胸は大きくウエストは細く!ってのがね。
括れたウエストは目一杯締め上げたせいで、これでもかっ!て位に細い。
滑らかな毛織物の光沢がよりアピールを強くしてる。
立ち上がり姿見の前へと移動する。
ドレスの裾を持ち上げてブーツを見る。
赤いハイヒールのブーツは違和感無く、寧ろ女王様感を強くしてて涙ものです。
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