婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

文字の大きさ
上 下
428 / 1,449
連載

元日! 38

しおりを挟む
そう言えば王都便、間に合ったかしら?
新年のお祝いにと張り切ったのよね。
紅茶も飲んでしまえば空のカップは戻すしかない。
支度をする前に聞いておかないといけない。

「ルーク。今夜の夜会は大勢の人が来るから、カワイコちゃん達を島に避難ささておこうと思ってるのだけどノエルとルチルはどうする?」

ふむ……とノエルとルチルを見やる。

「預かってくれるか?」

「勿論よ。でも、服は脱がした方が無難かしら?」

「聞いてからでも良くないか?」

……せっかく作ってくれて服をチビナビちゃん達に見て貰いたいかも。

「そうね。着てる姿を見せたいかも知れないものね」

ルークと頷き合い、カワイコちゃん達の所に向かう。
モゾモゾと動き出し、起きようとしてるのが分かる。

「タマ……起きてる?」

クシクシと顔を擦るタマはネコと何ら変わらない。

「んにゃ……おきたにゃ……」

クア……とアクビをして立ち上がる。

「うん。今日の夜は大勢のお客様が来るのどけど、知らない人もいるだろうから島に行ってて貰おうと思ったの」

コクコクと頷くタマ。

「わかったにゃ!」

「でね、皆このままの格好で行くかどうか聞こうと思って。皆の服を作ってくれたのはチビナビちゃん達だから」

「きてくにゃ!みてほしいにゃ!」

トラジもノエルもピカ太郎もルチルもユキもヒナもリコも起きてキラキラした目で私達を見ていた。
まるで心は一つと言わんばかりだ。

「皆、見て貰いたいのね。じゃあ皆、そのままの格好で島に行こっか」

「はいにゃっ!」

タマが代表して返事をした。
一つ頷いてカワイコちゃん達をそのまま島へと送った。
スラ道以外を。

「どうしてキミはボクも一緒に送らなかったんだい?」

忘れてた訳じゃないよ。

「一応説明しておこうかと思って。テイムした子達はここではない場所に行く事が出来るのだけど、いきなりだと驚くかと思って。向こうにはチビナビちゃんって小っちゃい人が沢山いるけど仲間だから仲良くして欲しいの。出来る?」

胸を張ってるかのようにビヨビヨ伸びたり縮んだりするスラ道。

「勿論だとも!ボクは良いスライムだからね!いや、正しくは水の精霊だけどね!」

「その自己紹介はどうかと思うけど、行ってらっしゃい」

そう言ってスラ道を八丈島へと送り出した。
さて、支度に掛かるか!
しおりを挟む
感想 5,634

あなたにおすすめの小説

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

王侯貴族、結婚相手の条件知ってますか?

時見 靜
恋愛
病弱な妹を虐げる悪女プリシア・セノン・リューゲルト、リューゲルト公爵家の至宝マリーアン・セノン・リューゲルト姉妹の評価は真っ二つに別れていたけど、王太子の婚約者に選ばれたのは姉だった。 どうして悪評に塗れた姉が選ばれたのか、、、 その理由は今夜の夜会にて

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない

ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。 ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。 ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。 ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

悪役令嬢は毒を食べた。

桜夢 柚枝*さくらむ ゆえ
恋愛
婚約者が本当に好きだった 悪役令嬢のその後

【完結】脇役令嬢だって死にたくない

こな
恋愛
自分はただの、ヒロインとヒーローの恋愛を発展させるために呆気なく死ぬ脇役令嬢──そんな運命、納得できるわけがない。 ※ざまぁは後半

巻き戻ったから切れてみた

こもろう
恋愛
昔からの恋人を隠していた婚約者に断罪された私。気がついたら巻き戻っていたからブチ切れた! 軽~く読み飛ばし推奨です。

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

白い結婚はそちらが言い出したことですわ

来住野つかさ
恋愛
サリーは怒っていた。今日は幼馴染で喧嘩ばかりのスコットとの結婚式だったが、あろうことかバーティでスコットの友人たちが「白い結婚にするって言ってたよな?」「奥さんのこと色気ないとかさ」と騒ぎながら話している。スコットがその気なら喧嘩買うわよ! 白い結婚上等よ! 許せん! これから舌戦だ!!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。