上 下
396 / 1,397
連載

元日! 6

しおりを挟む
タマとトラジは服を着るのはこれが初めてって訳じゃないから大丈夫だと思うけど、他のカワイコちゃん達はどうかな?
私が着てからだと着付けられないから、先にカワイコちゃん達に着付けないとね!

「可愛いですね!これ、皆の分ですよね。」

私が着物を出してる間にお仕着せを着てきたアニスが楽しそうにしてます。
ヒョイと雷ネズミ用の紋付き袴風の着物を手に取りニヤニヤしながらピカ太郎に近付く。

「さ、ピカちゃんお着物着ましょうね~」

タマとトラジに前足を掴まれ寝室に戻ったピカ太郎は目隠しを取られる事なく立っている。
ヒョイと跪いてピカ太郎に紋付き袴風着物をサッサと着せるアニス。
早っ!そして上手っ!

「ヤメッ!やめるピカッ!あっ!あっ!ダメピカッ!」

……大した事してないのに何言ってる……

「ふふふっ逆らう事は許されないのよ~」

アニスも何言ってるの……

「やめるピカッ!ゆるしてピカ~ッ!」

どんなコントよ……
それにしても雷ネズミ用は本当に簡素な作りなんだな……浴衣みたいにクルッと巻いて帯じゃなくて、付いてる幅広の紐を帯っぽく縛って羽織を羽織って終わりか……
鉄製目隠しのせいで怪しさ爆発だな……

「おわったピカ?」

「今日は出来るだけこのままでいましょうね」

「はやく、めかくしとるピカ!」

ガギンッ!

アニスの鉄拳がピカ太郎の頭の天辺に炸裂しました。

「エリーゼ様がまだ着付けてないのに目隠し取る訳ないでしょう!」

ピカ太郎がクラリと揺れたかと思ったらフラフラと歩き出しました。

「ピカ太郎、見えてないのに歩いたら危ないわよ」

「そっちピカ?」

ユラユラと揺れながら私の方に方向転換すると前足を彷徨わせながら近づいて……

「ピカちゃん、動いたらお仕置きよ」

ガシリとアニスに掴まれジタバタするピカ太郎。
ドス黒いオーラをピカ太郎に向けて微笑むアニス、オッカネェ!
ブルブル震えるピカ太郎、哀れ!(笑)
とにかくピカ太郎はアニスがどうにかしてくれるので、この隙に肌襦袢だけでと着付けておこう。
久しぶりのお着物♪前世では沢山作って貰って良く着てたのよね。
手早く肌襦袢を身に纏い腰紐で崩れないように縛る。
しまった!腰当て作るの忘れてた!

「エリーゼ様、詰め物大急ぎでお作りしめすね!」

アニスがパタパタ走って消えたかと思ったら裁縫箱持って戻って来ました。
言わなくても分かって貰えるって有難い!
しおりを挟む
感想 5,613

あなたにおすすめの小説

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

婚約破棄 ~家名を名乗らなかっただけ

青の雀
恋愛
シルヴィアは、隣国での留学を終え5年ぶりに生まれ故郷の祖国へ帰ってきた。 今夜、王宮で開かれる自身の婚約披露パーティに出席するためである。 婚約者とは、一度も会っていない親同士が決めた婚約である。 その婚約者と会うなり「家名を名乗らない平民女とは、婚約破棄だ。」と言い渡されてしまう。 実は、シルヴィアは王女殿下であったのだ。

私を侮辱する婚約者は早急に婚約破棄をしましょう。

しげむろ ゆうき
恋愛
私の婚約者は編入してきた男爵令嬢とあっという間に仲良くなり、私を侮辱しはじめたのだ。 だから、私は両親に相談して婚約を解消しようとしたのだが……。

奪い取るより奪った後のほうが大変だけど、大丈夫なのかしら

キョウキョウ
恋愛
公爵子息のアルフレッドは、侯爵令嬢である私(エヴリーヌ)を呼び出して婚約破棄を言い渡した。 しかも、すぐに私の妹であるドゥニーズを新たな婚約者として迎え入れる。 妹は、私から婚約相手を奪い取った。 いつものように、妹のドゥニーズは姉である私の持っているものを欲しがってのことだろう。 流石に、婚約者まで奪い取ってくるとは予想外たったけれど。 そういう事情があることを、アルフレッドにちゃんと説明したい。 それなのに私の忠告を疑って、聞き流した。 彼は、後悔することになるだろう。 そして妹も、私から婚約者を奪い取った後始末に追われることになる。 2人は、大丈夫なのかしら。

わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜
恋愛
 令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。  ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。 ※連載

初めまして婚約者様

まる
恋愛
「まあ!貴方が私の婚約者でしたのね!」 緊迫する場での明るいのんびりとした声。 その言葉を聞いてある一点に非難の視線が集中する。 ○○○○○○○○○○ ※物語の背景はふんわりしています。スルッと読んでいただければ幸いです。 目を止めて読んで下さった方、お気に入り、しおりの登録ありがとう御座いました!少しでも楽しんで読んでいただけたなら幸いです(^人^)

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな

みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」 タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。