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大晦日 50

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ど……どうして今言うの……お母様ったら!

「さて、エリーゼ。新年の準備もあるし、そらそろ休みなさい」

サラリと頭が撫でられ、優しい声でキャスバルお兄様が就寝をすすめてくる。
うん。朝には湯浴みして、お着物着てルークと初詣(なんちゃってだけど)をするんだ!
キャスバルお兄様の顔を見てニッコリ笑顔で頷く。

「はい、キャスバルお兄様。お気遣いありがとうございます。では私、休みますわ。お先に失礼致しますわ、お休みなさい」

「俺も先に失礼します。エリーゼ、部屋まで送ろう」

ルークと二人立ち上がり、家族皆に頭を下げサロンを出る。
お父様だけがしょんぼりした顔でリコを見てたけど気にしたら負けです。
ゾロゾロとカワイコちゃん達を連れて長い廊下を歩いて行きます。
……え?何処からか駆けてくる足音……

「エリーゼ様ぁぁぁ!先に行っちゃうとかヒドイです!」

アニスでした。

「え?アニス……休んでなかったの?」

ガーン!って顔されました。

「私達、専属侍女と側近は控室で待機してたんですよ。」

……しまった……そうだった。今世の私は令嬢で、誰かしら付いているのが当たり前だった。
うっかり前世に引き摺られ、自由に一人で動き回ったらダメだった!

「ゴメンね。ちょっと忘れてた」

「良いです。どうせルーク様と良い雰囲気になってたから私の事忘れてたんでしょ」

ちょっとだけ拗ねた顔をしてるけど、本気じゃない。
アニスは少しだけ寂しいと思ってるだけ。
目の前に立つアニスは少しだけ不安気な顔だ。

「そうね。でも、アニス……どうして私の目の前なの?」

アニスに向かって手を広げて差し出す。

「アニスは私の隣に立つのがお約束でしょう?」

「はいっ!」

駆けよって私の手を握り隣に来たアニスの顔に不安そうなモノは無い。

「一緒に行こう」

ルークは少しだけ困ったように笑ったけど、拒絶するような事は一欠片も感じなかった。
きっと私もルークもこの世界に生きる上で不都合な前世のルールを考えないようにしてる。
今はルークは一人だけど、その内側近が出来る。
そうすれば何かが変わるだろうな……うん……三人から四人になって…………
ヌゥ……ちょっとだけ想像しそうになった。
階段を上がり自室の扉まで送って貰う。
ルークに明日初詣の約束を取り付け、お休みの挨拶をして別れる。

「アニス。明日は朝早くから手伝って貰いたいから一緒に寝よう」

「はい」

アニスとだけじゃない。
カワイコちゃん達も一緒に就寝する。
明日の朝、湯浴みするから今夜はクリーンの魔法で終了です。
若いとちょっと無理してもイケるのが有難いです。
では、お休み!
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