上 下
387 / 1,397
連載

大晦日 47

しおりを挟む
でも、新年にうちに来る連中は既に領都入りしてあちこちの宿屋に泊まってるんだよね。
領都で観光とかあるのかな?これが前世なら港街でお買い物ツアーとか楽しめるかもだけど、観光資源あるのかな?……無さそう!まだ前世の料理とか広まってないかもだし、本格的なのは年明けからだよね?
あー……こんな事ならサテュロスゲットの旅に出る前にお料理教室とか開いて貰えば良かった!そうすれば領都の観光資源になったかもなのに!
バカバカバカ!考え足りてなかった!

「どうした?いきなりしょげて」

キャスバルお兄様の優しさが痛い……

「大した事じゃないの……ジムに教えた料理を広めて貰えば良かったなって……」

凹んだままボソボソと話す。

「あら?それなら私の方で話しを進めて、ジムにエリーゼの発案した料理を教えるようにしたわよ。多くの料理人や領都の宿屋や料理人が来て大変だったのよ」

「本当なのお母様!」

即レスしちゃったわよ!

「ええ、本当よ。だから心配しなくても良いのよ。所で観光資源って何かしら?」

説明しなきゃなのね……

「えーと……コホン。説明しよう!観光資源とは言わば、住む場所とは違う場所へ行く事を指す!目的は主に遊ぶ事を指し、食事や娯楽等の事であ~る。」

ドヤ!と胸を張ってみる。「あ~る。とか……」呟きながらクックッと笑うルークをちょっとだけ睨む。

「あら。じゃあ、領都に食事目当てで来るのが観光になるのかしら?」

「はい、お母様。その通りです。そうですね……温泉のあった場所、覚えてらっしゃいますか?」

「ええ、覚えてるわ。寒い時期は行きたくなるわね」

「はい。あれも立派な観光です。私はもっと大勢の方が領都に来て来れればと思ってます。ただ、簡単に行き来出来ない事は分かります。でも、ある程度の方達には一度は領都に来て楽しい思いをして欲しい。その為に出来る事があるのではないかと……」

「そうねぇ……」

お母様が言葉を濁してしまった……娯楽が無いってのは分が悪いよね……遊園地とか作るのも、アレどうやってるのか良く分からないんだよね……メリーゴーランドとかなら作れるかも知れんけど、いまいち分からないんよ……

「エリーゼの気持ちは分かった。だが焦る事は無いだろう?」

お父様……

「そうそう。これからだろう?明日の新年のお祝いが済んでからだよ」

キャスバルお兄様……

「明日のご馳走食べてからでも遅くないって」

……トールお兄様ェ……

「年明けて落ち着いてから煮詰めた方がベストだろ。だから難しい顔は終わり」

ルークの言葉にフッ!と息を吐いて力を抜く。

「分かった。年明けてからにする」

「新年は新年で楽しまないと!」

「そうね」

クイクイと手でやんわりカワイコちゃん達を押し返す。
だって暑くなってきたのだもの(笑)
しおりを挟む
感想 5,613

あなたにおすすめの小説

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

婚約破棄 ~家名を名乗らなかっただけ

青の雀
恋愛
シルヴィアは、隣国での留学を終え5年ぶりに生まれ故郷の祖国へ帰ってきた。 今夜、王宮で開かれる自身の婚約披露パーティに出席するためである。 婚約者とは、一度も会っていない親同士が決めた婚約である。 その婚約者と会うなり「家名を名乗らない平民女とは、婚約破棄だ。」と言い渡されてしまう。 実は、シルヴィアは王女殿下であったのだ。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

初めまして婚約者様

まる
恋愛
「まあ!貴方が私の婚約者でしたのね!」 緊迫する場での明るいのんびりとした声。 その言葉を聞いてある一点に非難の視線が集中する。 ○○○○○○○○○○ ※物語の背景はふんわりしています。スルッと読んでいただければ幸いです。 目を止めて読んで下さった方、お気に入り、しおりの登録ありがとう御座いました!少しでも楽しんで読んでいただけたなら幸いです(^人^)

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな

みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」 タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。

私を侮辱する婚約者は早急に婚約破棄をしましょう。

しげむろ ゆうき
恋愛
私の婚約者は編入してきた男爵令嬢とあっという間に仲良くなり、私を侮辱しはじめたのだ。 だから、私は両親に相談して婚約を解消しようとしたのだが……。

わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜
恋愛
 令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。  ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。 ※連載

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。