婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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大晦日 23

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「何?何があるんだ?」

うん、なぜにそんなに食いつくのか……ルークよ……

「……ルークだったな。酒は……好きか?」

お祖父さまが怪訝なお顔で探りをいれましたよ……

「勿論です!スッキリとした飲み口、仄かな後味!決して出しゃばらない!だが、料理や食材の味を引き立てより美味しく感じさせる!素晴らしいと思いませんか!」

……何か熱く語ったぞ……そんなにお酒が好きだったのか?

「そうか……そうか、儂は嬉しい!うむ!酒が好きな同士ごいると言うのは良い!」

……まさかの日本酒同盟組まれた……

「父上!俺もお酒は好きです!是非とも同士に!」

……え?

「そうですよ、俺もあの日本酒と言う酒の良さは十分分かってるつもりです。俺も同士として仲間に入れて下さい」

……キャスバルお兄様……

「そうですよ!俺もお酒は大好きです!俺も同士ですよ!お祖父様!」

……ドキッ!男だけの日本酒同盟♡かよ……製造元は私の島の可愛いチビナビちゃん達なのに!グギギギギ……!

「エリーゼ!俺、辛口吟醸飲みたい♡」

「♡飛ばして言ったわね!そんなに日本酒好きだとは思わなかったわ」

ホント、マジでね!ビール派だと思ってたわ!

「ルークはもっと違うアルコール好きだと思ってた……」

ボソリとルークに聞こえるように呟く。

「ん?俺、父さんの付き合いで関谷に行った事あるから。あそこの酒で覚醒したんだよ」

何と!関谷か……ならば納得。私……前世の私も度々買いに行ったな。空に吟……季節限定とか……それに合うツマミってか酒の肴を色々作ったなぁ……
寒い時期は囲炉裏で川魚を焼いたっけ。鮎に虹鱒、山女魚と……美味しかったなぁ……

「エリーゼ?」

ハッ!とする。今、思い出に浸ってルークの事忘れてた!

「ごめん。えー……と辛口吟醸だっけ。乾き物ばっかりになるけど良いよね?」

しまったしまった(笑)まぁ、枝豆とか出てるし、好きな物摘まめば良い訳だしね。

「えーと……辛口吟醸……っと」

収納リストから呼び出して辛口吟醸の一升瓶を三本出す。
うん、我が家の男連中からお喜びの声が漏れてます。
更に収納しておいた乾き物セットの大皿をとりあえず二皿出す。

当たり目・サキイカ・干し貝柱・ジャーキー(色々www)・チーズ・サラミ

「分かってる!」

そう言ったルークはグラスに手酌で日本酒を注ぎ、当たり目を手に取った。
躊躇いない動作ですね。島産のイカは中々のサイズで、美味しそうでしたよ。
……剣先食べたい。収納リストを見て調べる……あった!剣先もちゃんと干されてた!ありがとう、チビナビちゃん達!
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