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大晦日 22

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……また……また、松露を山ほど作らないとダメなのか……

「お母様ね!あの緑の松露がお気に入りなのよ!」

少女のように瞳をキラキラさせて言って来ました!眩しいですっ!
緑……抹茶あんの松露な……黒い普通のやつより正規松露のが好きか……ふむ……

「そうですね、またあの壺一杯作りますね」

そういや、女主人としての仕事内容って頭脳労働もあるし頭疲れちゃうんだろうな。だから消費スピード早いのかも。

「嬉しいわ!フフッ……お母様ね、エリーゼが沢山美味しい甘味作ってくれるから凄く幸せ♡」

……お母様……とりあえず、この場にお父様がいなくて良かった……

「あっ!侯……」

へっ?ルーク?……そろ~っとサロンの扉を見る……気配を消したお父様がションボリした顔で立ってました。その後ろでアチャーな顔のお兄様達が見えます。
てか、何で気配消してた!音すら立てずに開けたらダメ!絶対!

「お……父様……」

「フフフ……ハインリッヒったら、いらっしゃったの?」

確信犯かぁ!お母様め!小悪魔みたいな笑顔でお父様見て!

「フェリシア……」

お父様のちょっと哀愁漂う声が堪らないですわ!

「ハインリッヒも何か摘まんだらどうかしら?色々あるのよ」

ゆったりと歩み寄るとお母様の隣に座りクイとお母様を抱き締めた。

「エリーゼの甘味だけが幸せなのか?」

「まぁ!何を仰ってるの!私の人生最大の喜びは貴方に出会えて、一緒になった事!最大の幸せは愛する貴方の子供に恵まれた事でしてよ!」

お母様……♡は飛びませんでしたが、堂々と仰いましたね。
さすがです。お父様もやられてます。
ラブラブな雰囲気になってる……熟年カップルの熱に当てられそうです!

バァーーンッ!

「皆、ここにおるのか!」

……お祖父さま……豪放磊落だね。ビックリしたよ……

「ハァ……いやぁ、飲んだ飲んだ!やはり、あのお酒というのは飲みやすくて良い!」

「あらあら、そんなにお気に召したのね」

お祖父さまが日本酒の虜に!そして、それを温かい目で見るお祖母さま!カワユス!

「おう!今までワインばかりだったが、あの日本酒というのは魚に良く合う!あの酒をもっとゆっくり味わいたいものだ」

お祖父さまのリクエスト来たーーっ!

「お祖父さま!日本酒はまだまだありますわ!そして、日本酒のお供も出しますわよ!」

「マジか!」

ルークが先に食いついたわよ(笑)

「お……おお、そうか……」

ルークの食いつきにお祖父さまが引いて遅れました(笑)
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