婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

年越し準備! 3

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そういやミナ達はまだ寝てるのかな?旅の間は早かったような気がするんだけど……

「サテュロス達ってまだ起きてないのよね?」

「いや、なんか全員で楽しそうにお嬢の畑に向かって行きやした。」

ナヌ?私の畑に……だと。大根や人参の葉っぱなら良いけど……でも、この時期特に……って白菜とかキャベツもあるのか?いや、白菜もキャベツもそこらで作ってるし買ってる筈。

「分かったわ、ありがとう。バター多めのは確かに何か足りないから、後で色々試してみましょう。」

レーズンバターとかも美味しいから、後で作ろう!あれとブランデーとか合うよあな気がする。まぁ、バタークッキーと一緒に食べても美味しいかな。

「お嬢……お嬢が何であれ程サテュロスにこだわったのか今なら良く分かります。」

「ありがとうジム。でも、これからなのよ!多くの人にこの味を広めるのよ!」

ジムったら、ちょっと難しい顔になりました。

「お嬢、サテュロスの数があれだけなのに無理言っちゃあいけやせん。」

くっ!圧倒的に数が足りない!どうすれば増えるのかも分からない存在だしね!
とにかくそんな事もミナに相談だ!

「そうね。その辺りもミナと話し合うわね。ジム……凄い頑張ってるのね。今朝のスープ、ジムでしょ?」

「はい!お嬢が前にチラッと言ってた事思い出して何回か賄いで作ってみたんです。だから、早く食べて貰いたくて……口に合って良かったです。」

照れたように笑ったジムはペコリと頭を下げて厨房へと戻って行った。
紅茶で口の中をサッパリさせて、立ち上がろうとした所にお母様がやって来ました。

「おはようエリーゼ。」

「おはようございます、お母様。」

私の声がちょっぴり固いのはアニスの事でお母様とお話したいから。お母様も少し困ったお顔だ。

「エミリから聞いたわ。全く……不相応なのは自分達でしょうに……今日はあの子達に言って聞かせるから、エリーゼは私を探したりしない様に。」

お母様の声のトーンと、ゾワリと感じる冷気……これはお怒りモードでござる。

「分かりました。では彼女達の事はお母様にお任せ致します。」

「ええ。任せて頂戴。しっかり躾けておくから。」

……躾け……お母様の口から怖いワード出ました。

「では、私はやる事がありますから失礼致します。」

「頑張りなさい。」

お母様はニッコリ笑った。いつもの笑顔でちょっとだけ安心しました。
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