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サテュロスゲットの旅 87

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「うわっ!これは大きいな!」

トールお兄様がドン引きで見てます。言ったじゃん……大きいって……

「そうか……この大きさが十四匹か……到底荷馬車や馬車では無理だな。移動速度はどんなもんなんだ?」

「人間の歩行速度より遅いです。多分。」

トールお兄様、ガッカリした顔したわよ!これで移動速度速かったらマジで王蟲並みになるから怖さ倍増よ!このプニプニモッチリボデーでノソノソ動くから私のメンタルが徐々に可愛いかも?と認識始めたんだから!
……サテュロス達がワイワイしながら天蚕の体にくっついてる……

「柔らか~い!気持ち良いわね~!」

ギチチィ!(皆もあったかいよぉ~!)

「このプヨプヨ感!サイコ~!」

……ラブラブか……

「あれは会話してるのか?」

トールお兄様の問に答えましょう。

「してます。仲は良いと思いますよ。一緒に寝起きしてたようですしね。」

「そうか、あんなに大きくても数は少ないんだな。」

あー……ソレな。

「移動速度も遅く、戦闘力も低い。それに加えて美味しいらしいですよ。うちのトラジも食べるのか聞いて来ましたからね。犬鳴きに相当数食べられたみたいです。」

少し考え込んで一つ頷いて納得した顔で天蚕を見てる。

「逃げ遅れたやつは確実に食べれるご馳走か……なる程、犬鳴きも大繁殖する訳だ。あんなに多くの群れはそうそう無いからな……天蚕一匹でも相当腹は膨れるだろうしな。」

鋭いけど嫌な事言うわぁ……

「でも生き残った天蚕を全部テイムしましたからね!これで数が増えても減る事はありませんから!」

「サテュロス達の気が済んだら皆の所に戻してやれ。明日からは領都目指して街道をひた走る、今日は大いに飲んで食べさせたい。頼めるか?」

今日もか!今日も酔っ払いを作るのか!
……でも仕方ないか、道中飲む機会は殆ど無いものね。
でも酔っ払うって事はヤルって事ですよね。ちょっぴり遠い目になっちゃう。

「分かりました。急ぎの旅で無理をさせてますからね、今日もワイン出します。」

ワインしか出さねぇ!

「では後ほど。」

そう言ってトールお兄様から離れて天蚕の目の前に行く。

「そろそろ天蚕を皆の所に戻したいけど良いかな?」

「「良いわよぉ~!」」

「「またね~!」」

挨拶は二手に別れてました。

「ありがとね、じゃあ島の皆の所に行ってね。」

私の言葉でシュンッ!と天蚕は消えました。
さて晩ご飯、何にするかな?
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