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サテュロスゲットの旅 85

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二匹仲良く赤くてツヤツヤしたハバネロの実をおっかなビックリ齧り付きました。

「スゴイピカーーーー!」

ピカ太郎がちょっと齧っただけで大絶叫しました(笑)

「ビリビリするピカーーーー!」

ルチルも大絶叫です!その後はガリガリと一本分青い実まで齧ってました。

「スゴイピカ……スゴかったピカ……」

「ビリビリスゴかったピカ……」

半ば放心状態で座り込む二匹。それ程までに衝撃的だったか。

「凄かったわね。食いつきが。」

「ああ、辛い物好きだと思ってたけど激辛だとあんなに興奮するのかと思うと驚きだったな。」

「衝撃よね。」

何となくルークの隣に立って話し掛ける。ルークも隣で付き合ってくれる。

「あんなに喜ぶともっとあげたくなるな。」

ん?

「早速、子供に甘いパパの気配が……」

「教育ママの香りがしてきた……」

何だとぅ……間違って無いけど、ちょっとカチーンとするわ。

「優しいパパは良いと思うけど、甘いのは程々が良いと思います。」

「教育も大事だけど、甘やかす事も大事だと思う。」

……それはそうだな。

「私が厳しいと感じたら甘やかして頂戴。でも私が甘いと感じたらルークが少し厳しくして。どっちも甘いとか、どっちも厳しいとか良くないと思う。特に厳しいと逃げ場が無いから追い詰められて辛いと思う。」

ルークを見つめて言ってみる。ルークも真面目な顔で私を見て頷く。

「勉強も大事だけど、遊びも大事だって教育方針で育ったからな。バランスが悪いとねじ曲がるぞって教わった。善悪の区別とかルールがなぜ必要なのかとか……色んな事を教わった。前世でも今世でも。」

声を潜め、私にしか聞こえない様に呟く。

「そうね。そこは同じかも。沢山叱られて教えられて。でも沢山愛してくれて遊んでくれた。今だってトールお兄様は厳しい事を言ったりもするけれど、ちゃんと私の事を大事にしてくれる考えてくれてるって分かる。」

スルリと手が握られ、一度強く握った後離れて指が絡んで手が繋がれる。

「環境が厳しくなった分ストレートだよな。」

「うん。凄く良く分かる。本当に愛されて大事にされてるって感じる。」

繋いだ手が熱い……

「俺の愛も毎日嫌って程注ぎ込むから。」

「はっ?!注ぎ込むとか……バカッ!」

何て事サラッと言うのよ!しかも恥ずかしげも無く!

「えっ!いや!変な意味じゃなくて!ゴメン!」

顔が熱くなる。恥ずかしいやら何やら……もぅ……
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