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サテュロスゲットの旅 61

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「腐れって……何?」

ハッ!として顔が般若からおっとり美人へと戻りだしました。どうしたどうした?

「ごめんなさいご主人様……私達と人間では違うのに……」

シュンとするミナ。うん。ペコリと下げた頭に小っさい角がピコッと見えた。ラムちゃんみたいだな……フワフワの茶髪で分かんなかったや。

「私達……オスから逃げて来たから……」

「え……そ……れは……」

ヤバイ!聞いたらダメなネタなのか?

「ミナさんは悪くないです!オス達は何かって言うとおっ立てて追いかけて来て無理矢理しようとするんです!私達それが嫌で……」

お通夜の様なサテュロス達。彼女達は悪くない……

バキィッ!ボトッ……

「ヒッ!」

「え?」

「エリーゼ様、カップ割れてます。手が……」

アニスの言葉に我に返るとトロリと手に溢れたヨーグルト。手から落ちた割れた木のカップが足元に落ちていた。

「ああ、ゴメン。最低だなオス達は。だが、安心して頂戴簡単には来れない所だから。」

「ありがとうございます♡ご主人様♡」

なる程、それじゃあピカ太郎の不穏な気配に乳鉄砲撃ったとしても仕方ないわ。

「ピカ太郎、ちょーっとおいで。」

フルフルと首を横に振ってるけど、ダメです。ユキの耳も尻尾もペシャンコでピカ太郎を見つめてる。

「そうか、来たくないか。ならば仕方ない。」

ガッ!と大股で歩み寄りピカ太郎の頭を鷲掴みにした。エロネズミはちょいとお仕置きだ。いや、お仕置きでも何でもないけどね!

「ピッカァ!いたいピカ!ゆるしてほしいピカ!ピッカァ!ピッカァァァ!」

ぶらんぶらんしながら叫ぶピカ太郎。久しぶりに預けるか……

「犬ぅ!そこらに居るんだろうが!出てこぉーい!」

私の呼び声は聞こえてる筈だ。彼奴らは領主隊隊員じゃないから、そこらにいる筈だ。
複数のガチャガチャというけたたましい音と共に現れた私の専属護衛騎士達。

「お呼びで!」

エリックが息を乱したまま跪き頭を垂れる。
ピカ太郎をエリックの胸に向かってぶん投げ、エリックの鎧にぶつかりエリックがヒシと受け止めたのを見届けた。

「エリック、その雷ネズミを久しぶりに揉んでやれ。どうやら乳にむしゃぶりつきたいようだからな。」

「ちがうピカ……ちがうピカァ……」

そんな声が聞こえましたがスルーです。

「無理すんな。たまには良かろうよ。行け。」

「ゆるしてピカァーー!」

「天幕に行くぞぉ!」

「「「おう!」」」

キュ~ン……(がんばるのよ……)

ピカ太郎はエリックの胸に抱かれて消えました。
それにしてもサテュロス(オス)って最悪だな。後からテラにも聞き取ろう、きっと何か知ってるだろうからな。
セクハラは気を付けないと、後々長引くかな?ミナは強そうだし大丈夫だと思うけど暫くは様子見かな。
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