婚約破棄されまして(笑)

連載

ただ今、準備中！ 30

私も十分食べたのでそろそろお暇しよう。

「とんかつ、美味しかったよ。甘味を宜しく、ああ……器は母上の物より大きい物で頼む。」

はぁっ？キャスバルお兄様マジですか！どこの大食いチャンピオンですか！？

「あ！俺も！」

トールお兄様まで！

「どっ……どうしよう……お兄様達の大食いちょっと見たい……」

「禿同。」

どうやらルークも同意見のようです。デザートまで大食いになるとは思わなかった。いっつも食事は山盛りなんで、特に気にして無かったのに……とうとうデザートまで！って本当に大きい器で出されてる！それを見たお母様がえー！って顔になった。ああ、お父様は普通サイズを完食して見守ってます。

「確かに美味しそうだね。」

あれ……ドンブリサイズじゃん……本気なの？優雅な手つきでスプーンを握るキャスバルお兄様！第二ラウンド開始しました。

「うん、確かに美味しいね。母上が何度もお代わりするのも頷けるね。今日は何だか甘い物が美味しく感じるな。」

怖い……何か……末恐ろしい何かを感じる……何だ、あの甘ったるい笑顔をなぜ私に向けて……いや、固定して食べ続けてるの？怖いよ！

「エリーゼを見ながら食べると一層美味しく感じるよ。」

怖い！怖い！怖い！何なの！シスコンが過ぎるよ！置いてけぼりがそんなにキテるの？勘弁して！

「兄貴、それは大分おかしい。別にエリーゼ見た所で味は替わらないだろ？」

良かった！トールお兄様はマトモだった！

「ん？今日の事をきちんと覚えておこうと思ってね。エリーゼの可愛い顔を覚えておけば留守の間もすぐに思い出せるだろ。」

マジでおかしい！何なの！どうしたって言うのよ！いつものお兄様に戻ってぇ！

「エリーゼ、頼みがあるんだが良いかな？」

怖い！でも逃れられない！

「可愛く、美味しい？って聞いてくれるかな？」

なーんだ、簡単なお願いじゃん！笑顔♪笑顔♪

「キャス兄様、美味しい？ニコッ♡」

シーーーーン……
あれ？何か間違った？

「エリーゼ……今のはマズいだろ……」

ルークが擦れた声で小さく突っ込んで来ました。何がマズかったのかしら？

「何か……何か分かった、兄貴がおかしいの……」

え？トールお兄様まで、何？

ガターーンッ！

「お父様には言ってくれないのかーーーーっ！」

「お黙りなさい！」

え？お父様まで？そしてお母様のツッコミが早くて凄い！

「勿論、美味しいよ。エリーゼ。」

フギャーーーー！キャスバルお兄様がピンクオーラ全開で微笑んだぁ！