744 / 753
皇宮ラ・ラ・ラ・ラブソディ 2
しおりを挟む
皇帝陛下の謁見室から飛び出した二人はボソボソと小声で相談しながら長兄の執務室はと向かっていた。
「兄上、どういった催しにしますか?」
「ああ、ルークは大変な猫好きだったからな。ほら、いつだったか猫の耳の頭飾りと猫の尻尾を付けたメイドが見たいな……と言ってた事があっただろ?」
「ああ!覚えてる!まだ十にも満たない年だったが、面白い事を言うなと思ったな!」
この兄達、ろくでもない事を思い出してます。
「なのでな、ルーク個人を祝う宴では猫の耳と尻尾を付けたメイドを使おうと思うんだが、どうだ?」
「それは良い考えです!ルークが喜べば婚姻した令嬢もルークの笑顔を見て喜ぶに違いない!」
斜め上です。女心を理解してないのでしょうか?既に妻を娶って子供もいるのに、思いやりの方向が間違ってます。
「良し!そうと決まれば選りすぐり、猫の耳と尻尾を作らせねばな!」
「出入りの者を早速呼び出してましょう!」
ヘタに権力と行動力があるため、兄バカな二人の動きは迅速でした。
その日の内に猫の耳と尻尾をどうするか、出入りの仕立て屋と相談しまずは試作を幾つか作らせ後日メイド数名に付けさせ、意見を述べて貰い更に良い物を作る事としました。
なぜか仕立て屋はもの凄く乗り気で広い執務室の中、ああでも無いとかこうでも無いとテンションアゲアゲでアピールしまくり、兄達二人もああしよう!こうしよう!とやっぱりテンションアゲアゲになっていき、もはや誰も止める事など出来ない有様でした。
こうしてメイドに付けさせる小物の話しが終わって、やれやれと従者達がホッとしたのも束の間。
「宴の室内もそれらしく飾り付けするようにせねばな!」
「流石兄上!どの様な飾り付けをお考えなのですか!」
「うむ……そこが難しい所なのだ。猫が住まう部屋っぽくするべきか、猫が遊ぶ庭の様にするべきか……」
「流石兄上!私では思いつきもしない飾り付けです!」
それは劇団○○のキャッ……じゃないか……お前さん方、ある意味能力高過ぎじゃね?
「うむ!そうかそうか、ルークが使っていた辺りのホールを二つ使って飾り付けするか!扉一つで雰囲気が変わる様にすれば皆も楽しめるだろう!」
そう声高らかに言うと、従者達は一斉に動き出します。
こうして部屋の飾り付け……と言うより大々的な模様替えの発注をする段取りが行われました。
その日の内に呼ばれた大工やら何やらは二人の皇子の相談わ受け、実際に模様替えをする部屋を見せて貰い帰って行きました。
後は従者達に任せたとばかりに二人は執務を行うと言い、仕事を片付ける事にしました。
が、従者達はこの皇子達の思いつきで苦労する事となりました。
長兄はいずれ皇太子となり、次兄はその補佐や代行者となるのですがなぜに弟の事となるとこんなにも斜め上になるのか従者達は皆首を傾げるばかりです。
「兄上、どういった催しにしますか?」
「ああ、ルークは大変な猫好きだったからな。ほら、いつだったか猫の耳の頭飾りと猫の尻尾を付けたメイドが見たいな……と言ってた事があっただろ?」
「ああ!覚えてる!まだ十にも満たない年だったが、面白い事を言うなと思ったな!」
この兄達、ろくでもない事を思い出してます。
「なのでな、ルーク個人を祝う宴では猫の耳と尻尾を付けたメイドを使おうと思うんだが、どうだ?」
「それは良い考えです!ルークが喜べば婚姻した令嬢もルークの笑顔を見て喜ぶに違いない!」
斜め上です。女心を理解してないのでしょうか?既に妻を娶って子供もいるのに、思いやりの方向が間違ってます。
「良し!そうと決まれば選りすぐり、猫の耳と尻尾を作らせねばな!」
「出入りの者を早速呼び出してましょう!」
ヘタに権力と行動力があるため、兄バカな二人の動きは迅速でした。
その日の内に猫の耳と尻尾をどうするか、出入りの仕立て屋と相談しまずは試作を幾つか作らせ後日メイド数名に付けさせ、意見を述べて貰い更に良い物を作る事としました。
なぜか仕立て屋はもの凄く乗り気で広い執務室の中、ああでも無いとかこうでも無いとテンションアゲアゲでアピールしまくり、兄達二人もああしよう!こうしよう!とやっぱりテンションアゲアゲになっていき、もはや誰も止める事など出来ない有様でした。
こうしてメイドに付けさせる小物の話しが終わって、やれやれと従者達がホッとしたのも束の間。
「宴の室内もそれらしく飾り付けするようにせねばな!」
「流石兄上!どの様な飾り付けをお考えなのですか!」
「うむ……そこが難しい所なのだ。猫が住まう部屋っぽくするべきか、猫が遊ぶ庭の様にするべきか……」
「流石兄上!私では思いつきもしない飾り付けです!」
それは劇団○○のキャッ……じゃないか……お前さん方、ある意味能力高過ぎじゃね?
「うむ!そうかそうか、ルークが使っていた辺りのホールを二つ使って飾り付けするか!扉一つで雰囲気が変わる様にすれば皆も楽しめるだろう!」
そう声高らかに言うと、従者達は一斉に動き出します。
こうして部屋の飾り付け……と言うより大々的な模様替えの発注をする段取りが行われました。
その日の内に呼ばれた大工やら何やらは二人の皇子の相談わ受け、実際に模様替えをする部屋を見せて貰い帰って行きました。
後は従者達に任せたとばかりに二人は執務を行うと言い、仕事を片付ける事にしました。
が、従者達はこの皇子達の思いつきで苦労する事となりました。
長兄はいずれ皇太子となり、次兄はその補佐や代行者となるのですがなぜに弟の事となるとこんなにも斜め上になるのか従者達は皆首を傾げるばかりです。
111
お気に入りに追加
6,716
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」
サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる