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農園には必要不可欠な物 (トール)
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それは昼間の事だった。
三人の隊員が慌てた様子でやって来た。
「隊長!大変です!」
「そんなに慌ててどうした」
「肥溜めがありません!」
糞便処理の穴。通称肥溜め。エリノユの街は農作物の街として開拓されたのに、肝心の肥溜めが無ければ農作物に影響する。
この肥溜めがありとあらゆる農作物の実りを良くし、味も良くする事は今では常識だ。
それが無いだと?一体エリーゼは何で忘れてしまったのか……土地はまだまだ有り余ってるから作るのは問題無い。
「良く気が付いたな」
「俺の父が桃園をやってて……」
「俺んトコは畑……」
「俺の親は小麦畑が……」
「なる程、全員農作物に携わってたか」
普通は農作物の一家は同じように農作物を作るものなのに隊員になるなんてな……
まぁ、おかげで助かったんだがな。
「土魔法が使える隊員を呼んで来てくれ、幾つか穴を作らせる」
「「「はいっ!」」」
走って行く三人を見送る。
「意外でしたね」
「ああ。忘れてたと思うからエリーゼには帰ったら言いに行くか」
「そうですか……」
「フレイ、まさかと思うけど俺一人で行かせないよな?」
一人で行って俺だけエリーゼに何か言われたら傷ついちゃうだろ?
「分かりました。でも一緒に行くだけですよ」
「勿論だ」
そしてエリノユの街外れに五つ穴を作らせ邸に帰ってエリーゼに伝えればドライを使ったらどうかと言われなる程と感心した。
乾いていれば重さも違ってくるし、運ぶ者達も仕事が楽になる。
エリーゼの元からさっさと退出して父上の所に行く。
丁度一息入れていたのかすぐに通された。
「父上、今エリーゼと話した所なのですが糞便の事ですがドライの魔法で乾燥させるのはどうかと」
「ほう……一度試してみて問題が無ければその様にするか」
「軽くなるでしょうし荷運びする者も楽になるでしょう」
父上とアレクが賛成してる。
「こちらで試すのが良いかも知れん」
「問題が無いのが一番だが、一カ所だけに止めとくか……結果は数年後だが変わりなければ非常に有効だ」
「はい」
やはり父上は尊敬に値する。
領都の周りの広大な農作地全てを支えてる……俺が幼い頃はいつでも父上は難しい顔をしていた。
エリーゼが生まれて、数年して幼いエリーゼが悩む父上に土の事をあれこれ言いだしたんだよな。
肥溜めもだけど、腐葉土ってのも言ったな……それから年追う毎に不作から遠のいて気が付けば沢山のため池に小川……
不作とは縁遠い農作地ばかりになった。
領地全域に広がった農法に備蓄も順調で近隣の領地に売る事も出来るようになった。
「順調に行くと良いな」
「はい。では失礼致します」
「うむ」
一つ礼をして父上の元から下がる。
他領よりも多い魔物。でも魔物だけで生きてる訳じゃない。
野菜も果物も必要だ。
だが雨に一喜一憂するのでは無く、ある程度は対策しなくてはダメなのだと言った幼かった妹。
今の我が領があるのはエリーゼの知識の恩恵が大きい。
分かってるかい?エリーゼ。
小さな頃から不思議な事を言ってたけど、エリーゼのおかげで多くの領民が救われ俺達も救われた。
俺達には分からない事も沢山言ってたけど、それでも何とか出来た事はそれなりにある。
今度の事も上手くいけば良い。
可愛いエリーゼ。
クルクルと変わる表情もハキハキと言ってのける所も可愛いって思ってる。
エリーゼはいつまでも俺の可愛い妹だ。
だから悲しい顔とかすんなよ。ルークに泣かされたら俺がぶん殴ってやるから。
だから幸せになってくれ……
三人の隊員が慌てた様子でやって来た。
「隊長!大変です!」
「そんなに慌ててどうした」
「肥溜めがありません!」
糞便処理の穴。通称肥溜め。エリノユの街は農作物の街として開拓されたのに、肝心の肥溜めが無ければ農作物に影響する。
この肥溜めがありとあらゆる農作物の実りを良くし、味も良くする事は今では常識だ。
それが無いだと?一体エリーゼは何で忘れてしまったのか……土地はまだまだ有り余ってるから作るのは問題無い。
「良く気が付いたな」
「俺の父が桃園をやってて……」
「俺んトコは畑……」
「俺の親は小麦畑が……」
「なる程、全員農作物に携わってたか」
普通は農作物の一家は同じように農作物を作るものなのに隊員になるなんてな……
まぁ、おかげで助かったんだがな。
「土魔法が使える隊員を呼んで来てくれ、幾つか穴を作らせる」
「「「はいっ!」」」
走って行く三人を見送る。
「意外でしたね」
「ああ。忘れてたと思うからエリーゼには帰ったら言いに行くか」
「そうですか……」
「フレイ、まさかと思うけど俺一人で行かせないよな?」
一人で行って俺だけエリーゼに何か言われたら傷ついちゃうだろ?
「分かりました。でも一緒に行くだけですよ」
「勿論だ」
そしてエリノユの街外れに五つ穴を作らせ邸に帰ってエリーゼに伝えればドライを使ったらどうかと言われなる程と感心した。
乾いていれば重さも違ってくるし、運ぶ者達も仕事が楽になる。
エリーゼの元からさっさと退出して父上の所に行く。
丁度一息入れていたのかすぐに通された。
「父上、今エリーゼと話した所なのですが糞便の事ですがドライの魔法で乾燥させるのはどうかと」
「ほう……一度試してみて問題が無ければその様にするか」
「軽くなるでしょうし荷運びする者も楽になるでしょう」
父上とアレクが賛成してる。
「こちらで試すのが良いかも知れん」
「問題が無いのが一番だが、一カ所だけに止めとくか……結果は数年後だが変わりなければ非常に有効だ」
「はい」
やはり父上は尊敬に値する。
領都の周りの広大な農作地全てを支えてる……俺が幼い頃はいつでも父上は難しい顔をしていた。
エリーゼが生まれて、数年して幼いエリーゼが悩む父上に土の事をあれこれ言いだしたんだよな。
肥溜めもだけど、腐葉土ってのも言ったな……それから年追う毎に不作から遠のいて気が付けば沢山のため池に小川……
不作とは縁遠い農作地ばかりになった。
領地全域に広がった農法に備蓄も順調で近隣の領地に売る事も出来るようになった。
「順調に行くと良いな」
「はい。では失礼致します」
「うむ」
一つ礼をして父上の元から下がる。
他領よりも多い魔物。でも魔物だけで生きてる訳じゃない。
野菜も果物も必要だ。
だが雨に一喜一憂するのでは無く、ある程度は対策しなくてはダメなのだと言った幼かった妹。
今の我が領があるのはエリーゼの知識の恩恵が大きい。
分かってるかい?エリーゼ。
小さな頃から不思議な事を言ってたけど、エリーゼのおかげで多くの領民が救われ俺達も救われた。
俺達には分からない事も沢山言ってたけど、それでも何とか出来た事はそれなりにある。
今度の事も上手くいけば良い。
可愛いエリーゼ。
クルクルと変わる表情もハキハキと言ってのける所も可愛いって思ってる。
エリーゼはいつまでも俺の可愛い妹だ。
だから悲しい顔とかすんなよ。ルークに泣かされたら俺がぶん殴ってやるから。
だから幸せになってくれ……
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