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エリーゼの花嫁衣装が出来ました。

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領主一家がピザパーリーを楽しんでる時、裏庭(めちゃ広大)にあるエルフの集落ではシルヴァニアから来た職人達が大歓声を上げていた。

「やっと……やっと納得のいくお着物一式完成したぞぉぉぉっっっ!!」

「「「「「おおーーっっ!!」」」」」

そう。チビナビちゃん達程ではないが、現代日本で買えば結構なお値段になるであろう華々しい刺繍が施されたお着物一式が完成したのだった。
一つ言いたいのは、この世界では白以外の花嫁衣装があると言う事。
彼等彼女等は最初白無垢を作る予定でいたが虫の知らせでもあるまいに、急に方向転換し華やかな刺繍を施し美しく染め上げ色を入れたのだった。
つまりチビナビちゃん達製作の白無垢と被らない着物一式である。
春に着ると言う事で様々な案が出された着物は色鮮やかで上品かつ高級感溢れる逸品へと仕上がり、それに付随する様々な小物や袋帯も仕上がった。
現代で言えば目の玉が飛び出る販売価格になってる。
各職人達も金に糸目も付けずに作って構わないという注文にテンションもボルテージも上がりまくっていた事もあったが、それよりも何よりも初めて手にする天蚕の糸が彼等彼女等の職人魂を刺激しまくったのである。
お飾りとなる簪や櫛も天蚕の糸に負けては為らぬと持ちうる技術を惜しみなくつぎ込み、緻密で美しく眩い物を作り上げた。

「やっと完成したな!今日は湯の館でゆっくり浸かって疲れをとったら、皆で乾杯しよう!」

エルフの長は着物一式が飾られた部屋に来ると、そう言葉をかけ職人達は嬉し泣きしながらドヤドヤと湯の館へと向かった。
その後ろ姿を見送ったエルフの長は特に魔法にたけたエルフの女性を着物一式飾られた部屋へ招き入れた。

「見ろ……この美しいお着物一式を……お飾りもここまでの物を作り上げるとはな……」

「では、よろしいのですか?」

「ああ……勿論だ」

ニヤリと笑うエルフの長は一歩下がりエルフの女性が杖を振り上げるのを見守った。

「ふじ♡☆♪※★●……」

ピカッと杖の先が光り、着物一式へと光が走る。

「おおっ!」

飾られた着物一式全てが光り、ポワポワと白く光りやがて光は消えた。

「成功致しましたわ。天蚕の糸とは親和性も高いようですし、きっと長持ち致しますわ」

「ああ。この様な素晴らしい逸品が傷むのは心苦しいからな。保持魔法を得意とする其方に来て貰って正解だったよ、これで汚れもしないし一安心だ。湯の館から帰って来るまでじっくり見ておこうか」

「では私は帰りますね」

「ああ」

こうしてエリーゼの花嫁衣装として作られた着物一式は完成し、保持魔法によって汚れもつかない傷まない逸品へとなりました。

エルフの長が飽きもせずに見てる最中に職人達が帰って来た後は部屋を移動しどんちゃん騒ぎになったのは、また別の話し。
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