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ピザ祭りのカワイコちゃん達

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薪がくべられた石窯のレンガがジンワリと熱を帯び、寒い冬の外気にホワホワとした暖かさを与えている。
石窯から少し離れた所に領主一家と側近と侍女達が焼き立てピザを楽しんでいるが、カワイコちゃん達も石窯の裏側近くに陣取ってピザを食べている。
勿論、ピザがダメなユキとヒナはちゃんと違う物を食べている。
雪狼であるユキは暖かい場所でも平気なのだが、やはり寒い場所の方が好みなのか石窯から離れた草の生えてる場所でのんびりと寛いでいる。

「にゃ~ここはあったかいにゃ~」

そう石窯近くでタマが言えば、やっぱり石窯近くにいるトラジもヘニャヘニャと顔を緩ませて応える。

「ホントにゃ。たべてあったまるだけってダメになるカンジにゃ……」

「なにいってるにゃ!いつもガンバってるにゃ!たまにはあったまってたべるだけもゆるされるはずにゃ!」

トラジの言葉に鋭く言い返すノエルはハムハムとピザを食べている。
そんなニャンコチームと違い雷ネズミチームはホンワカである。

「にいに、ずっとのってるけどへいきピカ?」

ルチルの疑問にピカ太郎はニコニコしながら答える。

「へいきピカ。そうピカ!ルチルもいっしょにのるピカ!かまわないピカ?」

「勿論、良いとも!」

スラ道の返事は堂々としたものだ。みょいーんと体を伸ばしてルチルが乗る場所を作る。

「すごいピカ!」

んしょんしょとスラ道に乗るルチルの姿は何処から見ても可愛い。
ムニムニしたお尻にネズミらしい小さな脚。

「あったかいピカァ!おしりもあったかいピカ!」

「そうピカ」

スラ道はスライムなので石窯近くにいる事でスライムボディも温まり、温かいゲルクッションのようになっていた。
こうしてピカ太郎とルチルはスラ道の上でポヨンポヨンしながらピザを食べる。

「さわがしいコン」

リコはヒナに乗っかり、フワフワの羽毛に半分埋もれながらピザを両前足で器用に持って食べている。

ピュイッ?(リコは嫌?)

「そんなコトないコン。でも、こーゆーのキライじゃないコン」

ピュピュイ?(なら楽しいの?)

「……こーゆーすきコン」

ピュピュッ(良かった)

リコとヒナは平和である。
何せ女子だからだ。
そんな仲間を離れた所から見るユキはパタパタと尻尾を振ってゴロリと寝そべる。
ここで草まみれになっても部屋に戻る前に主がキレイにしてくれる。
ユキは毎日が幸せだ。
多くの仲間と優しい主。
ずっとずっと近くで、探せばすぐに見える所にいる主。
今だって番の男の側で楽しそうな主を見てユキは目を細めた。
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