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シュバルツバルト領主館のメイド達 洗濯係編

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アタイはこのシュバルツバルト領主館の洗濯メイドだ。
今日も朝から大量のシーツやら夜着が山盛りに届けられる。
洗濯メイドにも上下がある。
アタイを始めとするベテランは領主一家や上級使用人の物を洗濯する。
そうじゃない駆け出しは使用人達のを洗濯する。
そうやって洗濯の仕方を学んでく。

「今日も凄いね……」

「そうだね……いくらクリーンの魔法があってもシワまではキレイにならないからね。ちゃっちゃと洗っちまうよ」

ゲンナリした顔で洗濯物の山を見る年下の娘っ子にそう声をかける。

「ほら!ここはお湯で洗えるんだから洗っちまうよ!他所じゃ冬でも水で洗うって噂だよ!」

「はーい!」

アタイより年上の洗濯係のメイド達は若い次分は水で洗濯してたって聞いた。
皆が嫌がる洗濯も今じゃサッと洗って干したら良いだけになった。
それでも丁寧に扱わないといけないし、干し方だってピンとキレイに張らなきゃいけない。
取り込んで畳むのだってちゃんと畳み方がある。
まぁ……クリーンの魔法を使う前は領主様とご家族はお盛んなんだなぁ……って小さくため息をつくんだけどね。
ザブザブと洗濯槽にお湯が溜められてく中に石けん水をバチャバチャ入れる。
真っ白い泡がブクブクしてフンワリと花の香りがしたら洗濯する物を突っこんでいく。

「さぁ!仕事だよ!冬は洗濯室で干すんだから楽なもんだろ!」

この洗濯室で一番エライばあさんが発破をかける。
ばあさん達は一番にやって来て石けん水を足したり、洗濯室に干してた服やドレスを侍女達に渡してく。
ばあさん達はどれが誰のかって、ちゃんと覚えるからだ。
アタイはまだ覚えきれなくて朝一番の支度は見るしかない。
早く覚えちまって侍女達に手渡す立場になりたいもんだよ。

「あいよぉ!」

「はぁい!」

年上のセンパイ達は明るく笑って持ち場について洗い出す。
もちろんアタイもいつもの場所で手近な所にあったがシーツを洗う。
優しい花の香りと白い泡……この洗いがすんだら丁寧にしぼってとなりの槽に回す。
となりのすすぎ槽で何回もお湯にさらしてはしぼってをくりかえして最後に仕上げのすすぎ槽に渡され、うんとキレイにすすがれしぼられる。
その後洗濯室で干してばあさんがあったかい風の出る魔石に魔力を込めて洗濯室はあったかい風の出る部屋になる。
全部干したら洗濯係のアタイ達は洗濯室の隅っこでお茶と甘味で一休みする。
その後はまたあちこちから洗濯する物が運び込まれて洗濯する。
一日何度か運び込まれるけど、昼前は簡単で手間のかからない物ばっかりで時間もそんなにかからない。
で昼メシ食べた後にどっさり今度は服が運び込まれる。
洗い終えたら今度は日が落ちるまで休んで一日最後の洗濯物が運び込まれる。
服やドレスだけど、よっぽどか時間はかからない。
それを洗濯室に干したら一日の仕事が終わって晩メシを食べて寝る。
アタイ達の仕事は大変だけどたまーに領主様やご家族様が洗った服やドレスを着てる姿見たら嬉しくなる。
がんばろうって思う。
今日も洗濯の一日が始まった。
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