620 / 753
初陣 26 (ルーク)
しおりを挟む
ノエルもルチルも着々と成長してる。
いや、問題はキースだ。レベルもそこそこあるし、魔法も使えるし……体力だってある。だが、下に下がって気になる一文がある。
自己能力制限中
の一文だ。タップして良く見てみれば、魔法や攻撃力を自分自身で制限してるとの事だ。これでは困る。今から討伐だってのに……いや、制限かけていてもあれだけの実力だったって事か?何故に?なんて聞かなくたって分かる。前の主だろ。
腹立たしい……きっと大した実力も無くキースを食いものにしてのし上がったんだろう。部下の手柄でのし上がるとは見下げ果てる。側近という立場は仕える主で天と地程も扱いが変わると聞いた。これだけ有能なのにバカな奴だ、だが俺としては大助かりだ。
「お待たせ致しました」
ノエルとルチルを連れ帰ってきたキースの笑顔を見て、無意識に制限をかけてるのか?と思う。
「キース、今日は俺の初陣だ。頼むから何の遠慮も無く思い切りやって欲しい。俺は手練れだと自惚れてる訳じゃないが、周りが見えなくなる程夢中になるかも知れない。俺自身が思い切りやってるのにキースもが思い切りやれないのは変だろう?」
困ったように笑うキースと視界に入る半透明に浮かぶ文字を見て若干表現が変わった事に安心する。
「ノエル、ルチル。最中に指示出しするから頑張ってくれ」
「もちろんにゃ!ご主人のためにガンバルにゃ!たくさんワナかけてやるにゃ!」
「やってやるピカ!にいにだってがんばってたピカ!ボクもガンバルピカ!」
二匹共やる気満々だ。
「凄いですね。これは俺もやる気満々で立ち向かわないとな!」
自己能力制限解除
その一文が目に入ってニヤリと笑う。そうこないとな。
「ルーク隊長、そろそろ行きますか?」
バートンとルシウスの後ろに武装に身を包みそれぞれが得意とする武器を手に持ちギラついた目で俺達を見てる。
振り返れば、ベースキャンプを守る者達が期待に満ちた目で俺達……いや今から討伐へ向かう全員を見てる。
思わず帯剣した剣の柄を掴む。
前衛を任され、今から討伐に向かう連中を見回し一つ頷く。
「ただ今より大型討伐を行う!作戦計画通りに二班に分かれ、彩鳥討伐は俺の指揮下とし彩鳥が呼ぶであろう赤竜討伐はバートンの指揮下とする!作戦行動中は各々の指揮に従う事とする!では……行動開始!行くぞ!」
俺はキースとノエルとルチル、そして前衛半数の四番隊隊員を引き連れ昨日見かけた川べりへと静かに息を潜め行軍する。
いや、問題はキースだ。レベルもそこそこあるし、魔法も使えるし……体力だってある。だが、下に下がって気になる一文がある。
自己能力制限中
の一文だ。タップして良く見てみれば、魔法や攻撃力を自分自身で制限してるとの事だ。これでは困る。今から討伐だってのに……いや、制限かけていてもあれだけの実力だったって事か?何故に?なんて聞かなくたって分かる。前の主だろ。
腹立たしい……きっと大した実力も無くキースを食いものにしてのし上がったんだろう。部下の手柄でのし上がるとは見下げ果てる。側近という立場は仕える主で天と地程も扱いが変わると聞いた。これだけ有能なのにバカな奴だ、だが俺としては大助かりだ。
「お待たせ致しました」
ノエルとルチルを連れ帰ってきたキースの笑顔を見て、無意識に制限をかけてるのか?と思う。
「キース、今日は俺の初陣だ。頼むから何の遠慮も無く思い切りやって欲しい。俺は手練れだと自惚れてる訳じゃないが、周りが見えなくなる程夢中になるかも知れない。俺自身が思い切りやってるのにキースもが思い切りやれないのは変だろう?」
困ったように笑うキースと視界に入る半透明に浮かぶ文字を見て若干表現が変わった事に安心する。
「ノエル、ルチル。最中に指示出しするから頑張ってくれ」
「もちろんにゃ!ご主人のためにガンバルにゃ!たくさんワナかけてやるにゃ!」
「やってやるピカ!にいにだってがんばってたピカ!ボクもガンバルピカ!」
二匹共やる気満々だ。
「凄いですね。これは俺もやる気満々で立ち向かわないとな!」
自己能力制限解除
その一文が目に入ってニヤリと笑う。そうこないとな。
「ルーク隊長、そろそろ行きますか?」
バートンとルシウスの後ろに武装に身を包みそれぞれが得意とする武器を手に持ちギラついた目で俺達を見てる。
振り返れば、ベースキャンプを守る者達が期待に満ちた目で俺達……いや今から討伐へ向かう全員を見てる。
思わず帯剣した剣の柄を掴む。
前衛を任され、今から討伐に向かう連中を見回し一つ頷く。
「ただ今より大型討伐を行う!作戦計画通りに二班に分かれ、彩鳥討伐は俺の指揮下とし彩鳥が呼ぶであろう赤竜討伐はバートンの指揮下とする!作戦行動中は各々の指揮に従う事とする!では……行動開始!行くぞ!」
俺はキースとノエルとルチル、そして前衛半数の四番隊隊員を引き連れ昨日見かけた川べりへと静かに息を潜め行軍する。
61
お気に入りに追加
6,716
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」
サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる