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初陣 14 (ルーク)

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角兎の煮込み(いわゆるブラウンシチュー)に野菜たっぷりスープ、それにパンが今日の夕食になった。バートンやルシウス達と一緒に食事をとって、色んな話しを聞いた。
言わば、エリーゼと一緒に旅をするまでは焼いた肉に塩を掛けて堅いパンを塩味のスープでふやかして食べるばかりの野営食だった……とか。夜の見回りもとにかく何にも無くて辛かっただの(これの意味がよく分からんのだが)朝になっても疲れが残ってたりして辛かっただの(これも良く分からんのだが)とにかく、色々と力説されて少し引いたが総じて言えば四番隊の隊長に俺がなって全員喜んでる……と言う事らしい。
今まで諦めていた素材も俺なら持っていけるし、最大の問題でもあった食料も俺がいる事で相当数持ち運べる。
昨日はかなりの量の食料を無限収納に入らさせられたから、それは良く理解出来る。
大部隊の補給線を潰せば勝てる!をリアルで経験とか思いもよらなかった。
お風呂に入れないのは仕方なくても、クリーンの魔法と体を拭くだけでも気分は違うだろうしこの先の大きな街とかで簡単な湯浴みが出来ると聞いて少し安心してる。
お風呂にこだわるのは、やはり日本人だったからかな?だが、キャスバルやトールもお風呂は気に入ってると話した事もあるからその辺りはエリーゼに感謝だな。

「ルーク様、そろそろ馬車に行きますか?」

「ん?ああ、そうだな。キースはワインは良かったのか?」

隊員に一杯か二杯ずつワインを飲めるように頼んで来たが、キースは飲まないのか?俺ですら一杯は飲んで来たのに。

「いえ、弱い訳では無いのですが夜中に何かあってはいけませんから」

真面目だった!でも、そういう所が好感度高いのかもな。でも、勘違いする奴とかいるかもな……キースの良い所であり悪い所かも知れん。

「そうか。じゃあ、馬車で一息いれてから寝るとするか」

カァッ……と赤くなったキースに疑問を感じたが、考えると俺はちょっとヤルか?的な発言だったのかも知れないと思った。
間違ってないけどな。
腕の中でトロンとしてるノエルはもう、お眠らしくてコックリコックリ舟を漕いでいる。ルチルはキースの腕の中で丸くなってる……うん、俺よりもキースの方がヤバイな。

「キース、早く馬車に行ってルチルとノエルを寝かせよう。特にルチルは寝ながら雷属性の魔法を出す時があるから要注意だ」

赤かった顔がサッと青くなって早歩きで馬車を目指す。俺も一緒に歩いて馬車へと向かい、無事二人して馬車の中に入りのえるとルチルを新しい大きな籠の中に入れた。
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