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元日の夜 2 (ルーク)

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部屋に戻ってノエルとルチルがいない事に少し寂しさを感じた。
今、部屋にいるのは部屋付きらしい従者と数名の使用人だけだ。

「今日はもう良い、皆下がってくれ」

「畏まりました、では下がらせて頂きます」

折り目正しくお辞儀して全員が部屋から出て行った。
吐く息が熱い……
スタスタと歩いて冷蔵庫へと向かう。
エリーゼ発だと分かる冷蔵庫とミニキッチンが居間に取り付けられ、わざわざ使用人を呼ばなければいけないような事は少ない。
前世のおかげもあってお茶を淹れる事も簡単な料理も出来る。
それこそ冒険者を目指していたから野営の仕方も覚えた。
一見するとどっしりとしたオーク材の棚があるように見える冷蔵庫とミニキッチンも職人達が部屋に合わせて作った特級品だ。
このオーク材の天板を上げると流しと魔石コンロが出て来るとか思わないよな。
グラスを取り出し、冷蔵庫を開ける。
ガラスピッチャーに用意された果実水をグラスに注ぐ。
沈んでる黄色い輪切りはレモンかと思ったがユズだったらしい。
一気に飲み干して室内を見回す。
ガラスピッチャーを冷蔵庫に戻し、グラスを魔法で綺麗にして元の場所へと戻す。
そのまま浴室へと向かい、服を脱ぎ捨てる。
エリーゼ発はこの浴室にも遺憾なく発揮されてる。
深めの浴槽にシャワー。
帝国には無かった。だから湯浴み一つとっても多くの使用人が要った。
少し熱めのシャワーは気持ち良く、体が温まる。

「……俺だけなんだよな……」

呟いて思わず周りを確認する。
手を伸ばして逸物を擦り上げる。
久しぶりのオナニーに少しだけ笑う。
ノエルとルチルがいたら出来ないからな……

「くっ……」

手早く抜いて液体石鹸を手に取る。
これもエリーゼ発だったな……最初は香りが無かったのに、いつの間にか香りがついた。
キャスバルはグリーン系で俺はシトラス系、エリーゼと夫人はフローラル系で侯爵とトールはグリーンとシトラスを混ぜた感じだ。
このままいくと香水が出来るのも早そうだな……
浴室内に広がるシトラスの香りに、この液体石鹸を渡された時の事を思い出す。
「無添加だから頭の天辺から足先まで使えるわよ!」嬉しそうな顔で渡されて嬉しかったな……

「チッ……思い出しただけでコレかよ……」

再び起き出したムスコに苦笑いして、また擦り上げる。
ノエルもルチルもいないなら思いきり出しておくか。
シャワーを浴びながら何度か吐き出してスッキリする。
残った酔いと思う存分抜いたおかげで程よく疲れ、ドライで乾かしてベッドに潜り込む。
明日は朝遅くても良いんだったな……
エリーゼの着物姿、可愛いかっ……た…………
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