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冬の朝(裏庭の天蚕達)
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それは寒い冬の朝。
夜明けになるかならないか……そんな時間の事だった。
ギチギチギチィ!
エルフ達が住む集落のすぐ側、天蚕達が作った白い糸の大きな巣から大きな叫び声のような鳴き声が聞こえた。
その鳴き声を皮切りに次々と鳴き声は増え、パタリと叫び声のような鳴き声は止まった。
チィチィ!
チッ!
チチィ!
そんな可愛らしい鳴き声が巣から聞こえて来ました。
天蚕の赤ちゃんが生まれたようです。
卵じゃないんですね。
虫じゃなくて、魔物だからなのでしょうか。
ギチチィ!
チチィ!
ギチギチギチィ!
チッチチィ!
……そんな鳴き声が幾つも聞こえて来ます。
おそらく親子の会話的なモノでしょう。微笑ましい気がします。
「どうしたっ!」
「とんでもない叫び声だったぞっ!」
集落の男衆が分厚い毛織物を羽織って走って来ました。
さすがにあの叫び声のような鳴き声では慌てたのでしょう。
ですが可愛らしいチィチィと鳴く声に男衆は顔を見合わせ、頷き合います。
「随分と可愛い声だな」
「ああ、虫っぽい姿だから卵を産むのかと思ったら違うようだな」
「どんなか気になるがここはそっとしておこう」
「こんなに朝早くに何事かと慌てたがめでたい事で良かった」
「どうせだし、茶でも飲んでくか?」
「有難い、こんなに寒いとちぃとな」
男衆は仲良く話し合うと集会所へとてくてくと歩いていきます。
チィチィ鳴く赤ちゃん天蚕。
見た目は親の天蚕と何ら変わらないのですけどね……
実は巣から何匹か並んで男衆を見てました。
勿論、親の影に隠れて男衆から見えないようにです。
さて、天蚕達と一緒に寝起きしてるサテュロス達ですが男衆を見にいかなかったチビ天蚕達にミルクあげてます。
「小っちゃい~♡ミルク飲んでねぇ~♡」
「私達もそろそろだから賑やかになるわねぇ~♡」
そんな会話がヒソヒソとされてました。
夜明けになるかならないか……そんな時間の事だった。
ギチギチギチィ!
エルフ達が住む集落のすぐ側、天蚕達が作った白い糸の大きな巣から大きな叫び声のような鳴き声が聞こえた。
その鳴き声を皮切りに次々と鳴き声は増え、パタリと叫び声のような鳴き声は止まった。
チィチィ!
チッ!
チチィ!
そんな可愛らしい鳴き声が巣から聞こえて来ました。
天蚕の赤ちゃんが生まれたようです。
卵じゃないんですね。
虫じゃなくて、魔物だからなのでしょうか。
ギチチィ!
チチィ!
ギチギチギチィ!
チッチチィ!
……そんな鳴き声が幾つも聞こえて来ます。
おそらく親子の会話的なモノでしょう。微笑ましい気がします。
「どうしたっ!」
「とんでもない叫び声だったぞっ!」
集落の男衆が分厚い毛織物を羽織って走って来ました。
さすがにあの叫び声のような鳴き声では慌てたのでしょう。
ですが可愛らしいチィチィと鳴く声に男衆は顔を見合わせ、頷き合います。
「随分と可愛い声だな」
「ああ、虫っぽい姿だから卵を産むのかと思ったら違うようだな」
「どんなか気になるがここはそっとしておこう」
「こんなに朝早くに何事かと慌てたがめでたい事で良かった」
「どうせだし、茶でも飲んでくか?」
「有難い、こんなに寒いとちぃとな」
男衆は仲良く話し合うと集会所へとてくてくと歩いていきます。
チィチィ鳴く赤ちゃん天蚕。
見た目は親の天蚕と何ら変わらないのですけどね……
実は巣から何匹か並んで男衆を見てました。
勿論、親の影に隠れて男衆から見えないようにです。
さて、天蚕達と一緒に寝起きしてるサテュロス達ですが男衆を見にいかなかったチビ天蚕達にミルクあげてます。
「小っちゃい~♡ミルク飲んでねぇ~♡」
「私達もそろそろだから賑やかになるわねぇ~♡」
そんな会話がヒソヒソとされてました。
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