婚約破棄されまして・裏

sweet pain 8 （マクスウェル）

柔らかい唇、暖かい滑る舌。
吐息混じりに漏れる息遣いに理性はあっという間に奪われる。
ただアナスタシアの全てを暴きたくて夜着を出来る限り優しく剥ぎ取った。
現れた白い体。
ズクリと己の剣に熱が集まるのが分かる。
義姉上と呼ぶ筈だった女性の体の何かもを暴き、痛みと苦しみを与え己のモノにする。
僅かに胸が痛む。
だが、この痛みを甘んじて受けよう。

「美しい……アナスタシア、夜空に輝く月のように美しい」

耳たぶを軽く食みながら囁く。

「や……」

小さな呟きに恥じらいはあれど、嫌は無いようだ。
細い首に上下する胸元へと口付け、強く吸う。
次々と浮かぶ紅い跡。

「あぁ……見ないで……」

アナスタシアの掠れた声の願い。

「駄目だ。俺の妻になったのならば詳らかにする。何もかも」

そうだ。
何もかも……俺のモノにする。
もういない兄上に囚われていた俺とアナスタシア。
だが……だが、いつまでも囚われていて良い訳じゃない。
未知の快感に震えるアナスタシアの足を大きく割り開き、女性にとって最も大切な場所を見つめる。
紅く色付き小さな蕾に口付け舐める。
それだけであられもない声をあげ、体を捩る。
尻穴とは違う場所を舌先で抉り、解す。
こんなに狭くては俺の剣を受け入れてしまったら壊れてしまう。
体を起こし蜂蜜を手に取り大切な場所へと塗す。
ちらりと見たアナスタシアの顔はとろりと溶け、その眦にはきらりと光る涙が見えた。
兄上を思い出してるのか？それとも今から始まる事に怯えているのか？

「少し辛いかも知れんが耐えてくれ」

「は……い……」

蜂蜜塗れの指を一本潜り込ませ、アナスタシアの顔を見つめる。
眉根わ寄せ喘ぐ顔に……その美しさに溜息がもれそうになる。