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主従(マクスウェル)BL注意!

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俺の名前はマクスウェル。先日十五才となったばかりだ。俺には次期領主となる優秀な兄上がいる。俺は小さな頃から領主隊に入って、大型をこれでもか!って位討伐して兄上のお役に立つのが夢だ。父上も俺の性格は戦いに向いてると言って様々な戦い方を教えてくれた。小さい頃から大きかったが、既に上背は大人と変わらない程に伸びた。毎日毎日飽きる事無く剣を振るう事で腕周りもしっかりしてきたし、朝番走る事で足腰もしっかりしてきた。領主隊を引退した邸の護衛達相手に手合わせを何度もした。護衛達からは揃って、すぐに若年隊から領地隊を飛び越えて領主隊に入れると言ってくれた。

「マクスウェル様、旦那様がお呼びです。」

執事が呼びに来た。父上が呼んでる……か。何だろうな?兵舎の訓練室で一汗かいていた俺は顔の汗を拭ってからいまだ止まらぬ体の汗をそのままに父上の執務室へと向かう。執事はノックをする事無く執務室に入って行くのを俺は黙ってついて行く。父上は待っていたらしく俺を見ると薄く笑った。

「マクスウェル。今日呼んだのは、お前の側近候補が決まったからだ。」

側近?ああ、俺が一生側におく男か。執務室に誂えてあるソファセットに俺と同い年と思われる少年が四人座っていた。良く似た体格の四人だが顔立ちはそれなりに違う。

「こちらからカイル「そいつにする。」……そうか。ならば後は二人で自己紹介なりなんなりすると良い。後の者は私が考える事としよう。」

「よろしくお願いします。カイル、付いてこい。」

最も冷たい顔立ち、シルバーアッシュの髪にブルーグレーの瞳のいかにも冷徹そうな容貌。何一つ甘ったるい所の無い感じが気に入った。大体、俺は隊に入って領地を駆けずり回るつもりなんだ。邸で机仕事を期待されても俺にはその気も無いしな!無言で自室に向かう俺にしっかり一定距離を取ってついてくる所も良い。ガチャリと自室の扉を開けて中に入るよう促す。

「失礼します。」

一言告げて室内へと進むカイルの後ろ姿を眺める。自室にいた従者に湯浴みの準備をさせる。従者の強張った顔にギロリと睨みを効かせる。

「俺の側近だ。さっさとしろ。」

フイと顔を逸らし浴室へと準備をしに消えた。

「彼はマクスウェル様の事がお好きなのでは?」

声も悪く無いな。だが、言ってる事は可愛く無いな。

「そんな事は知らん。俺が抱くのは側近のお前だけだ。良いから座れ、俺が座れん。」

ソファに座り俺の顔をヒタと見据える顔の何と冷たい事よ。俺もドカリと座り真っ正面から見据える。

「私の名前はカイル・フォン・ミュゼットです。お前などと言う名前ではありません。」

なる程、それは失礼だったか。

「そいつは悪かったな、カイル。」

俺が名前を言った瞬間、その冷たいと思った顔が朱色に染まった。

「いえ……」

少し俯き両膝の上、きつく握られた両手。緊張してるのか……まぁ、俺だって男相手は初めてだし手探りも良いとこだが参ったな。

「カイル。そう余り堅くなるな。お互い初めてみたいなものだろう、痛いだの何だのはその場その場で言ってくれ。その方がお互い良いだろう。」

「……ありがとうございます……」

消え入りそうな声で呟かれてドキリと心臓が跳ねる。こいつ…見た目と違って可愛い奴かもしれん。

「マクスウェル様、湯浴みの支度が出来ました。」

魔法も使える従者は湯浴みの支度をさせるのに重宝する。普段ならば湯浴みを手伝わせ、湯浴みの後も任せているが今日はそんな訳にはいかない。

「ご苦労。今日は下がるか、ここで呼ばれるまで待つかだ。好きにしろ。」

従者はキュと口元を引き締め床を見つめると、泣きそうな顔で小さく「お待ちします。」と呟いた。

「そうか。カイル今から俺達の初夜だ、覚悟は出来てるか?」

ビクリと体が震えたが、その目は揺らぎなく俺を見つめた。

「覚悟は出来てます。でも、初夜……だなんて……」

ハハ……と笑い立ち上がる。釣られるように立ち上がったカイルの側に行き手を差し伸べる。少し眉を寄せて俺の手を取り立ち上がったカイルの腰を引き寄せる。顔を赤くして視線を彷徨わせるのが可愛くて、そのまま口付けたくてその衝動を我慢するのが少し辛いと感じた。
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