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旅の料理番 (料理長&料理人)

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俺達の初めての出番が来た!この人数だが、今いる者達で間に合うだろう。
俺は全員の食事を全て作るつもりだった。だがエリーゼ様の連れている立ち歩きネコがスープを作る事になった。正直面白く無かった。立ち歩きネコだぞ!格好だけは料理人のようにしてるけど、エリーゼ様の強い希望じゃなけりゃあ断ってるぜ!最初はそう思ってたさ。でも昼食のメニューと作り方、材料を出されてそんなつまらない事は考えられなかった。
肌身離さず持ち歩いている商売道具を取り出し取り掛かる。山程あるサヴァを三枚におろして塩を振って焼かせる。捌いても捌いても中々減らない。出た屑は轟々と燃える竃の中に放り込む。勿論放り込む前に風魔法で水気を切ってから入れてるから火の勢いは大して衰えない。
チラッと見た立ち歩きネコの包丁捌きはジムのやつと良い勝負……いや、ジムの方が負けるか?あの縞々、中々やるな!どうやらあの縞々が立ち歩きネコの天辺みたいだな。負けられねぇぜ!
そして次々と出来るんだが、どんどん持ってかれる。エリーゼ様があっという間に食べてしまった!食べた後の顔を見て驚いた。本当に幸せそうに笑ったんだ。料理人冥利に尽きるね。

「おう!まだまだ足りないんだ!じゃんじゃん作るぞ!」

「「「はいっ!」」」

俺達は作って作って作り捲ってからサヴァサンドを食べた。それは驚く程美味しかった。サヴァのこんな食べ方知らなかった。
そしてあの縞々……立ち歩きネコの作ったスープを飲んだ。美味かった!美味かっただけじゃない。何か疲れが吹っ飛んだようで体が楽になった。効果付きって凄いんだな、と思った。
この旅は、きっと俺達を変える!しかも良い方にな!

◆◯◆◯◆◯◆◯◆◯

料理長の気合いが凄い。俺達も必死でサヴァを捌いたり野菜を切ったり色々してたけど料理長の速さにはついて行けない。流石料理長だ!
全部作り終えた俺達はヘトヘトになっていた。でも一口食べたサヴァサンドは滅茶苦茶美味くて!無我夢中で食べた。そのあと手渡された立ち歩きネコの作ったスープを飲んだけど、予想に反して美味しくて驚いた。スープを飲む度にヘトヘトどった筈の体が楽になっていってそれも驚いた。これが効果付きって事か!と凄く驚いた。俺達はきっとこの旅で成長出来る!料理人として、成長出来るのは幸せだ!まだ初日だけど、へこたれねぇぜ!
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