上 下
399 / 753

紅蓮 その後 BLあり!要注意!

しおりを挟む
大草原の中、大きな篝火が幾つもたかれてる。
大きな杭が何本も打たれ、その中に馬や馬車、大小幾つもの天幕が張られてる。
その中央に大振りな肉を頬張りワインを回しのみする男達の姿があった。
最早火竜の巨体は解体され、その全ては馬車の荷台に山積みになっていた。乗り切れない僅かな肉を二番隊の隊員達は腹一杯食べた。それでやっと肉はどうにか消化した。竜種の肉は味もだが滋養も良く精が付くと人気の高い食材であるため、特に味の良い部分から氷魔法が良く効く特別製の馬車に詰め込まれている。そんな竜種の肉を食べてワインを飲んで、誰が大人しく寝れるというのだろう。滅多に出くわさない竜種、しかも誰も欠く事無く圧勝と言っても良い状態で狩ったのだ。誰しもが興奮状態のまま肉を食べたのだ。キャスバルとレイの二人は早々に自分達の天幕へと向かう。大きく立派な天幕から漏れ聞こえるレイの嬌声に腹一杯な男達はゴクリと喉を鳴らす。隊員からすれば若く美しいだけじゃない。自分達ですら一瞬は怯む竜種の背に怯む事無く駆け登り攻撃する胆力や副隊長に引けを取らない攻撃力。そんな男が隊長であるキャスバルに責め立てられ嬌声を上げている。どんなあられもない姿で啼いているのか……その声だけで股間に熱が溜まっていくのが分かる。
二番隊は寄子貴族の跡継ぎが多く彼等は側近と共に入隊している。当然の如く彼等は自分の天幕に側近と共にしけ込む。側近のいない者達は数人ずつ纏まり、大きな天幕で休む。そんな彼等の為に娼婦代わりの隊員が何人もいる。普段は一対一で行う行為もこんな時だけは別だ。それぞれの天幕に引っ張り込まれ、ギラつく目で力尽くで隊服を引っ剥がされ何人もの男達に弄ばれその欲望を絶え間なく打ち込まれるのだ。どこか一箇所で始まれば、その叫びにも似た大きな嬌声に触発され次々とあちこちの天幕から同じような嬌声が聞こえてくる。
見回りする者達は堪ったものじゃないが、その彼等も交代すれば男の体を貪るのだ。自分達の欲望でドロドロに熔けて、うんと淫らになった体はどれだけ貪っても飽きる事なく抱けた。
夜も更ければ満足のいった天幕からは物音一つ漏れなくなる。
大きな天幕からだけ漏れる嬌声も、甘くねだるように変わり見回りを勤めていた男達が交代を告げ更なる嬌声を上げさせるのだ。
たっぷりと楽しんだ後、自分達の欲望でグチャクチャになった男の体をキレイに拭き清め隊服を着せて寝かす。朝になれば馬車に運び、共に領都を目指すのだ。自分達は天幕から出て、杭の内側で僅かな水で水浴びして天幕へと戻る。
帰るだけの旅路、馬に揺られて行くだけの旅路だ。
竜種が出たならば、大型は出て来ない。不思議と竜種が出た後は出くわさないのだ。気楽な帰路だが、きっとそれなりに速度は出すだろう。久し振りの竜種たから。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「火竜は若い雄だったな。」

「そうなんですか?」

「ああ。だが、あの真っ赤な翼膜に鱗。きっと美しい赤い……紅蓮の炎のような武装が出来る。」

「楽しみですね。」

「俺とお前で倒した……初めての竜種だ。」

「他の隊員も居たでしょう。」

「分かってる。」

「楽しみだ。」

「はい。」


そして朝となり彼等は領都へと帰る。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

旦那様、愛人を作ってもいいですか?

ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。 「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」 これ、旦那様から、初夜での言葉です。 んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと? ’18/10/21…おまけ小話追加

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

だってお義姉様が

砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。 ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると…… 他サイトでも掲載中。

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~

山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」 母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。 愛人宅に住み屋敷に帰らない父。 生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。 私には母の言葉が理解出来なかった。

忌むべき番

藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」 メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。 彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。 ※ 8/4 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」

サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――

処理中です...