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風のように(ジム)
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ガッカリだ……今回の旅もご一緒出来ると思っていたのに……まさか料理長が行くとは思っていなかった。分かるよ……そりゃもう料理長の気持ちは十分分かるさ!エリーゼ様に教えて頂いた新しい料理の数々、素晴らしい甘味!全く新しい世界に俺は狂喜乱舞したさ!初めて食べたフライドポテトは衝撃の一言に尽きた。
もし俺が料理長の立場だったら……きっと嫉妬でおかしくなっただろうな。それ位エリーゼ様に教えて貰った料理は驚きと喜びに満ちているからな。しかも今回の旅の目的は新たな料理や甘味に深く関わる魔物をテイムしに行く旅だと聞いた。
あちこちから悲喜交々の声が聞こえる。同道する料理人達を決めていたからな……
「失礼致します!料理長。」
ん?あれは奥様付きの侍女様……エミリ様が慌てて何だって言うんだ?
「ああ、どうしました?慌てて。」
「はい。領都で店をしている料理人に新しい料理を幾つか教えていただけるかと……「おお!それでしたら私はエリーゼ様の旅に付いて行くのでジムと話をして頂けますかな?」……分かりました。」
料理長に軽く頭を下げた後、グルンッ!と俺の顔を見たエミリ様はツカツカと近付いて来るとニッコリ笑って……
「貴方が残って下さるなら安心です。何と言っても王都からの付き合いですし、甘味も何種類も作れますからね。後日、しっかりと相談致しましょう。多くの領民が新しい料理を待ち望んでますからね。」
底冷えするような笑顔に俺はガクガクと頷いた。さすが、あの奥様付きの侍女様だけあるぜ!おっかねぇ!
「では、私は奥様に報告しなければいけませんから。」
そう言うと足音も立てずに姿があっという間に消えていってしまう。ほんの僅かな時間しか居なかったが何とも恐ろしい方だ……
「おい、ジム。今のは奥様の侍女だよな。」
料理長が真剣な顔で聞いてきた。うん、ちょっと分かる。
「そうですよ。奥様もかなりおっかないですけど、あの侍女……エミリ様も同じ位おっかないですよ。料理長の方が付き合い長いでしょ。」
「そりゃ、お前……長いって言ったって、前の奥様が居たから今の奥様は大人しかったんだよ。いや……待てよ……大旦那様だけは気を使ってた気がするな。後、サムじいとトムじいもだな。」
「……そうすか……どっちにしろ、奥様とその侍女様達はおっかねぇんで。」
「おう。俺も気を付けるわ。」
全くおっかねぇ……でも、まぁ甘味を食べてる奥様は幸せそうで作った身としては嬉しいもんだけどな。せっかくお嬢が砂糖を沢山置いていってくれたから、それなりに色々作って出そう。サムじいさんが管理している畑も良さげだったしな。ま、俺は俺でこっちで研究するって事だな。料理長に負けてらんねぇぜ!
もし俺が料理長の立場だったら……きっと嫉妬でおかしくなっただろうな。それ位エリーゼ様に教えて貰った料理は驚きと喜びに満ちているからな。しかも今回の旅の目的は新たな料理や甘味に深く関わる魔物をテイムしに行く旅だと聞いた。
あちこちから悲喜交々の声が聞こえる。同道する料理人達を決めていたからな……
「失礼致します!料理長。」
ん?あれは奥様付きの侍女様……エミリ様が慌てて何だって言うんだ?
「ああ、どうしました?慌てて。」
「はい。領都で店をしている料理人に新しい料理を幾つか教えていただけるかと……「おお!それでしたら私はエリーゼ様の旅に付いて行くのでジムと話をして頂けますかな?」……分かりました。」
料理長に軽く頭を下げた後、グルンッ!と俺の顔を見たエミリ様はツカツカと近付いて来るとニッコリ笑って……
「貴方が残って下さるなら安心です。何と言っても王都からの付き合いですし、甘味も何種類も作れますからね。後日、しっかりと相談致しましょう。多くの領民が新しい料理を待ち望んでますからね。」
底冷えするような笑顔に俺はガクガクと頷いた。さすが、あの奥様付きの侍女様だけあるぜ!おっかねぇ!
「では、私は奥様に報告しなければいけませんから。」
そう言うと足音も立てずに姿があっという間に消えていってしまう。ほんの僅かな時間しか居なかったが何とも恐ろしい方だ……
「おい、ジム。今のは奥様の侍女だよな。」
料理長が真剣な顔で聞いてきた。うん、ちょっと分かる。
「そうですよ。奥様もかなりおっかないですけど、あの侍女……エミリ様も同じ位おっかないですよ。料理長の方が付き合い長いでしょ。」
「そりゃ、お前……長いって言ったって、前の奥様が居たから今の奥様は大人しかったんだよ。いや……待てよ……大旦那様だけは気を使ってた気がするな。後、サムじいとトムじいもだな。」
「……そうすか……どっちにしろ、奥様とその侍女様達はおっかねぇんで。」
「おう。俺も気を付けるわ。」
全くおっかねぇ……でも、まぁ甘味を食べてる奥様は幸せそうで作った身としては嬉しいもんだけどな。せっかくお嬢が砂糖を沢山置いていってくれたから、それなりに色々作って出そう。サムじいさんが管理している畑も良さげだったしな。ま、俺は俺でこっちで研究するって事だな。料理長に負けてらんねぇぜ!
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