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初顔!(クワイ&チョロギー)

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やっと帰ってきた、私の美しい主!
見慣れぬ小さい者達がいたが、いずれも主の僕だろう。
私は厩の中に連れて来られ、向かいの空いていたはずの馬房に見たことのない黒いやつがいる。

「お前、どいつのだ?」

黒いやつは中々美しい姿だった。私ほどではないがな!

「俺の名はクワイ。我が主はルーク。帝国の皇子だ!」

帝国?帝国だと!我等の生まれ故郷の皇子だと!

「そう言うお前はどうなんだ!」

クワイと名乗った黒いやつが聞いてくる。

「私の名はチョロギー。私の主はエリーゼ、この地をおさめる領主の娘だ。」

「なんだと!我が主と番う娘が主なのか!」

なに!そんな話は聞いてないぞ!

「我が主と番うだと!」

ドカドカと足を踏み鳴らし不満を露わにする。
ブフッ!と鼻息を荒く吐き出して私を見た。

「仲はすこぶる良いぞ。」

すこぶる?すこぶるだと!

「おい!喧しいぞ!そろそろ姫は年頃たろうが!仲が良くて結構じゃないか!」

古株の領主のやつ、ナマスが怒鳴ってきた。

「だいたい、ここは領主の馬だけが入れる厩だ。分かってるだろう。」

ナマスの番、ニシメが楽しそうに言ってきた。
そうだ、分かっていた。ただの客の馬なら違う厩に連れて行かれる。ここは特別な厩なんだ。

「ああ、分かってるさ!やっと帰ってきたと思ったら、番うなんて!」

私は悲しかった。主を乗せて思う様駆け巡りたかった!それなのに番うなんて!

「……お前の主は何とかをテイムしに山に行くと言っていたぞ。チョロギーって言ったな、お前に乗って行くんじゃないか?」

「なんだと!それは本当か?もし私に乗ってくれるなら本望だ!」

私は嬉しくて嬉しくて踊り出した。本当に乗ってくれるなら!山に行くなら!

「クワイ、お前は良いヤツだな!」

「俺はアニキだからな。」

アニキだから?まぁ、良いや!きっと明日になれば主が教えてくれるだろう。

初顔のクワイ。良いヤツだ!
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