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ある日の帝国皇室 4

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「嬉しいのは分かるが落ち着け。」

さすが父親であるアーネストはロバートにそう、ぴしゃりと言ってのけた。

「無理ですよ!落ち着けなんて!」

対するロバートの発言がこれである。自分からすれば見た事も無い姪の令嬢だが、シュバルツバルト侯爵とは何度も会ったしフェリシアは妹だ。その二人の顔立ちや知識教養を知っているのだ、期待するなと言う方が土台無理である。王子妃教育を受けていたのだ、きっと振る舞いも美しいに違いない!と期待は高まるばかり。頭の隅でアレックス殿下の正妃殿が嫉妬するかな?等と呑気な考えが浮かぶ程だ。

「早速ノーマ殿に伝えませんと。ジョルジオ様は無理でもノーマ殿はあちらに行って頂きませんと!」

「待て!私は無理とはどういう事だ!ルークは私の息子だ、父たる私が行って何が悪いのだ!」

ロバートの発言にジョルジオは即座に返した。直感だろうか?ジョルジオは行かねば損をする!そんな衝動に突き動かされた。ゴルゴダ家の直感は侮れない。その直感で何度も戦で勝ってきたのだ。言わば直感で様々な危機を脱してきたと言っても過言ではない。政治においても、この直感で帝国内が豊かになった事も数知れない。

「え?次期皇帝になるジョルジオ様は行かない方が宜しいのでは?」

至極全うな事を言うロバートだが、ジョルジオは引かなかった。

「次期皇帝は弟がなっても良い!私は必ずルークの婚姻式に出向く!」

ロバートは恭しく頭を下げた。

「畏まりました。では、そのように日程を組みましょう。」

ロバートは晴れやかな笑顔で自分の補佐をしているシルヴァニアの者達に頷くと、彼等も頷き動き出した。

「ノーマには私から伝えよう。」

ジョルジオは立ち上がり執務机から離れようとした瞬間だった。

「ジョルジオ様は仕事をして下さい。今し方配下の者がノーマ殿の元へ行きましたから、心配ご無用です。」

「そうか……」

時折仕事から抜け出そうとするジョルジオを逃がさないようにするのもロバートの仕事の内だった。今回もしっかり釘を刺して、ジョルジオに仕事の続きを即す。一方のジョルジオも今回も抜けれなかったと思ってしょんぼりするが、気持ちを切り替えて座り直して仕事の続きに入れるようにしておく。
だが末の息子の将来が決まって、内心の喜びが顔に出てしまいニマニマとするのを止められないジョルジオだった。
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