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華のように 2 (キャスバルの思い出)

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「ちゃーにーたま!」

二歳になったエリーゼは、僕を見ると僕の名前を呼んで一生懸命トテトテと歩いてやって来る。
母上からエリーゼに歩かせる様に言い渡され、駆け寄って抱き上げたい気持ちをグッと我慢して待つ。
僕を見てニコニコしながら来るエリーゼは可愛くて仕方ない。もう少し……頑張って!

「ちゃーにーたま!つーたっ!」

そんな可愛い事を叫んで、僕の足にしがみつくエリーゼはご機嫌で僕を見上げてる。

「頑張ったね、エリーゼ。お庭に行こうか。」

「あいっ!」

小さくて軽いエリーゼの体を抱き上げて抱っこする。
ちょっと高い甘い声も僕に見せる笑顔も、何もかもが素敵な思い出になってる。ずっとずっと見てきたエリーゼは、いつでもご機嫌で僕に笑いかける。
父上は時折泣かれるとぼやいていたが、父上は声が大きいんですよ。教えませんけど。

優しい木漏れ日の中の四阿へと行こう。

「キャスバル。あまり長い事連れて行かないでね。まだ、小さいのだから。」

「分かってます母上。」

静にエリーゼを見守っていた母上達は、僕がエリーゼを庭に連れ出すのを止めずに許してくれる。
エリーゼを抱っこしたまま庭へと出て行くと、エリーゼは天に何かを見てるのか手を伸ばしてキャッキャッと笑う。

四阿にはソファセットが置かれ、沢山のクッションが置いてある。抱っこしたままソファに座ってもエリーゼは僕にくっついたままだった。
最近のエリーゼのお気に入り。

「ちゃーにーたま!らーいすちっ!」

そう言って立ち上がり僕の頬にチュッとキスをする。
ニコニコしながら待ってる。

「エリーゼ、大好きだよ。」

そう言ったエリーゼの額にチュッとキスをする。
キャッキャッと笑い、僕の首にまだまだ細くて華奢な腕を回して抱き付く。
エリーゼ、僕のお姫様。いつかエリーゼを苛める奴がいたら、僕がやっつけてやるからな!
だから、ずっと笑顔でいてね。
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