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青氷の薔薇 6 注意!このお話は過去のお話です!

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あれから馬車の勢いは変わらず『ゴルの街』と呼ばれるゴルの谷から最も近い集落に着いた。
街はかなり大きい集落で、街を取り囲むように造られた柵を超えてから馬車の速度が落ちたのを良い事に窓の外を見れば黄金色の麦畑が広がっていた。
その向こうに見えた石壁の大きな門に入る。大きな通りに多くの民、多種多様な店には見た事も無い毛皮や牙が売られている。
ここは本当に帝国とは違う国なのだ……

「どれだけ多くの情報をお父様に届けられるかしら?」

見た事も無い魔物に、それらからとれる素材。さっき見たあの大きな鳥の羽!黄緑色の美しい羽!それだけじゃない、色んな色があったわ!
あら、いけない。こんな事考えてる場合じゃなかったわ。

「かなり有益な情報が沢山送れそうですね。先程の魔物と言い、店先に売られていた素材等もかなり種類が多そうでしたしね。あれらで武装なり武器や防具を造ったら、一体どれ程の物が出来るか……フェリシア様馬車が止まるようですよ。」

速度がゆるゆると落ちていき、かなり大きな屋敷の前迄来ていた。どうやら、この街を取り仕切る者の屋敷のようだ。
また、外が騒がしくなった。王国の者は騒ぐのが好きなのだろうか?

「主、聞いてこよう。」

察したのかアリエルが耳元で小さく呟いて消えた。
いやだわ、顔に出ていたのかしら?

「フェリシア様、私のロロも飛んで行ってしまいました。やはり初めて訪れる場所で、より多くの情報を取得しようとしてるのでしょうか?」

エミリのロロまで行ったとなると思いも寄らなかった。だがエミリの言い分も成る程と思える。初めて訪れる場所故、様々な情報を集めたがるのは仕方ない事だ。情報一つ欠けただけで生死が分けられる事すらある、アリエルに限らずロロまで行ったと言う事はそう言う事なのだろう。
私達は降りて良いと言われない限り降りる事が出来ない。まだ誰も降りて良いとも何とも言って来ない、怠惰だとは思わないそれが普通だからだ。

「待たせた。どうやら領主の息子が居ない事に慌てた街長が騒いでるだけだ。」

「あの大きな鳥に立ち向かっていった者達と共に戦ってると言ってた!」

領主の息子が・あの大きな魔物と・戦ってる。
愚かなの!領主と言えば、確かシュバルツバルト侯爵家でしょう!なんで高位貴族の息子が、何故死ぬかも知れないような魔物の討伐に精を出してるのよ!
愚かにも程があるでしょう!

私は顔も知らない次期侯爵たる男の顔も知らずにプリプリと怒っていた。
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