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明けない夜 注意!このお話は少し未来のお話です!
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その荷馬車がゴルゴダ帝国シルヴァニア領・領都に入ったのは御者がマキナに変わってほんの数日の事だった。
領都に入りどんどん進み、領都の最奥にある豪華な石門の前に来た時石門の扉が音も無く開き荷馬車を迎え入れた。
「お疲れ様、大婆様が今か今かと待ち構えておりますよ。」
女達が数人立っていた、その中の一人が声を掛けマキナを労い里の事を少しだけ伝えた。
「手筈通りに持って参りました。幌を外しますね。」
マキナはカロナやセリカと共に荷馬車の幌を外し、荷台を剥き出しにする。
荷台には並べられた二つの棺桶。
目隠しとして掛けられた布類を外し、棺桶が晒される。
「さあ、この棺桶を里まで運びやれ!」
女の掛け声で色とりどりのハーピー達が棺桶の周りを輪になって囲み、そのまま上へ上へと羽ばたく。
輪の中には二つの棺桶がフワフワと浮いて行く。
荷馬車や女達の目の前には高い山がある、この山こそがシルヴァニア領の象徴でありシルヴァニア公爵家本邸や別邸があるシルヴァニア一族が古くから住まうシルヴァニアの里である。
既に棺桶は小さくなり、高さは計り知れない。
「本当にお疲れ様。あの高さまで行けばあと少しで里だもの、大物を運ぶ時だけは助かるわよね。大男を馬に乗せて運びとか嫌だもの。」
「そうですね。私達はまた王国に戻りますね。」
「頼んだわ。かの地の後援を出来る限りで良いから頼んだわよ。あぁ、そう。件の姉弟だけど、そっちの支援も任せるからって。お金は足りてる?追加金いるならって預かってるけど。」
「下さい。あの姉弟に限って言えば、身一つだったしある程度支度金なり何なりあった方が良いので。」
「勿論よ。マキナが良い娘で良かった。さてと……私達は里に戻るわ。」
「はい、ではまた。」
女達は山へと駆け上がり、マキナ達は荷馬車に幌をかけ直し乗り込む。
荷馬車は石門から領都へと進む……荷馬車が領都へと進むと石門の扉が音も無く閉まった。何者も入らないようにと知らしめるように。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
里の広場には何人もの女達が立って、棺桶を見ていた。
「ふむ……早いお着きじゃな……どうせ汚れきっておるじゃろう、誰ぞ水魔法で汚れを流して離れに連れて参れ。」
「ははっ!」
ゆったりと離れに向かう大婆様ことコレットと、婆様と呼ばれるコレットの側近くに侍る術者の女達がコレットの後を追う。
棺桶は開けられフェリシアから教えられた『クリーン』の魔法によって中に入っていた男達は身ぎれいな姿になった。
その場に残っていた女達はハーピーを使い、この大婆様から怒りを買った男達を離れへと運んだ。
薄暗い洞窟の奥、石の扉の向こうは白い石の大きな部屋でその奥には畳敷きの舞台があり大婆様と婆様が決められた座布団の上に座り脇息にもたれ掛かって男達を待っていた。
石の扉が開かれ、男達が運ばれて来る。
運んできた女達は手慣れた様子で男達をそれぞれ舞台から良く見える場所に設置された磔台にはり付けると、磔台の側に置いてある箱から小さな涙型をしたスライムを男達に幾つかつける。スライムはハグハグと男達の靴から衣服を食べるように溶かしていく。
クスクスと密やかな含み笑いをしながら女達全てが男達を見つめる。
やがてスライムは全て溶かし終わるとフルフルと揺れて、磔台の下へと落ちて自ら箱の中へと戻っていく。
「ふむ……行いに相応しい醜さじゃな。誰ぞ、目を覚まさせよ。」
音も無く一人の女が近付き、小瓶の蓋を開け匂いを嗅がせる。
ガクンガクンと男達は頭を上げ下げして、キョロキョロと見回す。
「目が覚めたかや?」
「ババア!何をした!」
「黙りゃ。………マガレ……マガレ……・・・・・」
「バッ…バア………」
「うぁっ!なっ……なんだ!なんだよコレェッ!」
男達の体には黒い蔓のようなモノが幾つも這い上がり絡み付いていく。
「どうと言う事も無しじゃよ。何、誰ぞ殺めておらねば恐れる事も無しじゃ。おや……弟御だけかと思うたら、其方もか。」
「コレット様、新しい薬を試したいのですが?」
「ふむ……どのような薬じゃ?」
「どうやら常よりも強く感じる薬とか……」
「ほほ……それはまた、面白い薬じゃな。良い良い、是非とも試してみるが良い。」
「アレをその者達に。」
男達は首も拘束されているため抗う事も殆ど出来ずに口の中に薬を流し込まれる。
「何、すぐに効く薬ではない故落ち着かれるが良い。」
「ふむ……見苦しいものじゃな。あれらの口を塞ぎや。」
男達は再び猿轡をかませられ、くぐもった叫び声しか出せなくなっていた。
コレットは香木の扇子をパチリと開き、目を細めて見る。
「己等のした事が今から其方等に帰るだけじゃ、何も恐れる事なぞ無かろう?のう……どれ、弟御よ……ほれ。」
真っ黒い蔓は男の腕より遙かに太くなると、グスタフの肛門へと勢い良く突き刺さる。
一際大きな叫びを上げたが、猿轡のおかげでこの石室には大した響きにはならなかった。
「ホホホ………」
「まあまあ……」
「やれ、そのような声を上げるとはのぅ……じゃが仕方あるまい、其方等の体に絡み付いておるのは其方等が殺めたモノの怨念じゃからなぁ。」
「おや?その程度で死なれては困りますえ……どれ……天津神・・・・・・」
白く光る珠がフンワリと浮かんでぐったりとするグスタフの体に溶けていく。
ビクンと大きく跳ねるグスタフの体だが、いまだ突き刺さったままのモノは喜んだようにグスタフの体を突き上げる。
「そちはどうじゃろうなぁ……」
コレットの声にビクリと震えた男爵は小刻みに震える体のままコレットを見つめた。
真っ黒い蔓が首に性器に絡み付き締め上げていく。
ビクンビクンと男爵の体は弾み、絶命しそうになる。
だが男達は死ぬことは無い。死にそうになってもアリスティアが特殊な呪文と治癒魔法でもって男達を全回復の上、制限時間ありの不死の呪文でもって決して死なない時間を作っているからだ。
やがて薬が効き出し男達は更なる激痛に襲われるが、女達には知った事ではなかった。
「なぁに、これまでの行いが帰って来るだけじゃ……のう、恐れる事なぞ無かろう?ホホホ………ホホホホホ…………」
石室には女達の笑い声と男達のくぐもった叫びだけしか聞こえない。
だが、男達は知らなかった。女達が去った後も長い時間をかけて拷問でしかない時間が待ち構えている事なんて……
領都に入りどんどん進み、領都の最奥にある豪華な石門の前に来た時石門の扉が音も無く開き荷馬車を迎え入れた。
「お疲れ様、大婆様が今か今かと待ち構えておりますよ。」
女達が数人立っていた、その中の一人が声を掛けマキナを労い里の事を少しだけ伝えた。
「手筈通りに持って参りました。幌を外しますね。」
マキナはカロナやセリカと共に荷馬車の幌を外し、荷台を剥き出しにする。
荷台には並べられた二つの棺桶。
目隠しとして掛けられた布類を外し、棺桶が晒される。
「さあ、この棺桶を里まで運びやれ!」
女の掛け声で色とりどりのハーピー達が棺桶の周りを輪になって囲み、そのまま上へ上へと羽ばたく。
輪の中には二つの棺桶がフワフワと浮いて行く。
荷馬車や女達の目の前には高い山がある、この山こそがシルヴァニア領の象徴でありシルヴァニア公爵家本邸や別邸があるシルヴァニア一族が古くから住まうシルヴァニアの里である。
既に棺桶は小さくなり、高さは計り知れない。
「本当にお疲れ様。あの高さまで行けばあと少しで里だもの、大物を運ぶ時だけは助かるわよね。大男を馬に乗せて運びとか嫌だもの。」
「そうですね。私達はまた王国に戻りますね。」
「頼んだわ。かの地の後援を出来る限りで良いから頼んだわよ。あぁ、そう。件の姉弟だけど、そっちの支援も任せるからって。お金は足りてる?追加金いるならって預かってるけど。」
「下さい。あの姉弟に限って言えば、身一つだったしある程度支度金なり何なりあった方が良いので。」
「勿論よ。マキナが良い娘で良かった。さてと……私達は里に戻るわ。」
「はい、ではまた。」
女達は山へと駆け上がり、マキナ達は荷馬車に幌をかけ直し乗り込む。
荷馬車は石門から領都へと進む……荷馬車が領都へと進むと石門の扉が音も無く閉まった。何者も入らないようにと知らしめるように。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
里の広場には何人もの女達が立って、棺桶を見ていた。
「ふむ……早いお着きじゃな……どうせ汚れきっておるじゃろう、誰ぞ水魔法で汚れを流して離れに連れて参れ。」
「ははっ!」
ゆったりと離れに向かう大婆様ことコレットと、婆様と呼ばれるコレットの側近くに侍る術者の女達がコレットの後を追う。
棺桶は開けられフェリシアから教えられた『クリーン』の魔法によって中に入っていた男達は身ぎれいな姿になった。
その場に残っていた女達はハーピーを使い、この大婆様から怒りを買った男達を離れへと運んだ。
薄暗い洞窟の奥、石の扉の向こうは白い石の大きな部屋でその奥には畳敷きの舞台があり大婆様と婆様が決められた座布団の上に座り脇息にもたれ掛かって男達を待っていた。
石の扉が開かれ、男達が運ばれて来る。
運んできた女達は手慣れた様子で男達をそれぞれ舞台から良く見える場所に設置された磔台にはり付けると、磔台の側に置いてある箱から小さな涙型をしたスライムを男達に幾つかつける。スライムはハグハグと男達の靴から衣服を食べるように溶かしていく。
クスクスと密やかな含み笑いをしながら女達全てが男達を見つめる。
やがてスライムは全て溶かし終わるとフルフルと揺れて、磔台の下へと落ちて自ら箱の中へと戻っていく。
「ふむ……行いに相応しい醜さじゃな。誰ぞ、目を覚まさせよ。」
音も無く一人の女が近付き、小瓶の蓋を開け匂いを嗅がせる。
ガクンガクンと男達は頭を上げ下げして、キョロキョロと見回す。
「目が覚めたかや?」
「ババア!何をした!」
「黙りゃ。………マガレ……マガレ……・・・・・」
「バッ…バア………」
「うぁっ!なっ……なんだ!なんだよコレェッ!」
男達の体には黒い蔓のようなモノが幾つも這い上がり絡み付いていく。
「どうと言う事も無しじゃよ。何、誰ぞ殺めておらねば恐れる事も無しじゃ。おや……弟御だけかと思うたら、其方もか。」
「コレット様、新しい薬を試したいのですが?」
「ふむ……どのような薬じゃ?」
「どうやら常よりも強く感じる薬とか……」
「ほほ……それはまた、面白い薬じゃな。良い良い、是非とも試してみるが良い。」
「アレをその者達に。」
男達は首も拘束されているため抗う事も殆ど出来ずに口の中に薬を流し込まれる。
「何、すぐに効く薬ではない故落ち着かれるが良い。」
「ふむ……見苦しいものじゃな。あれらの口を塞ぎや。」
男達は再び猿轡をかませられ、くぐもった叫び声しか出せなくなっていた。
コレットは香木の扇子をパチリと開き、目を細めて見る。
「己等のした事が今から其方等に帰るだけじゃ、何も恐れる事なぞ無かろう?のう……どれ、弟御よ……ほれ。」
真っ黒い蔓は男の腕より遙かに太くなると、グスタフの肛門へと勢い良く突き刺さる。
一際大きな叫びを上げたが、猿轡のおかげでこの石室には大した響きにはならなかった。
「ホホホ………」
「まあまあ……」
「やれ、そのような声を上げるとはのぅ……じゃが仕方あるまい、其方等の体に絡み付いておるのは其方等が殺めたモノの怨念じゃからなぁ。」
「おや?その程度で死なれては困りますえ……どれ……天津神・・・・・・」
白く光る珠がフンワリと浮かんでぐったりとするグスタフの体に溶けていく。
ビクンと大きく跳ねるグスタフの体だが、いまだ突き刺さったままのモノは喜んだようにグスタフの体を突き上げる。
「そちはどうじゃろうなぁ……」
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真っ黒い蔓が首に性器に絡み付き締め上げていく。
ビクンビクンと男爵の体は弾み、絶命しそうになる。
だが男達は死ぬことは無い。死にそうになってもアリスティアが特殊な呪文と治癒魔法でもって男達を全回復の上、制限時間ありの不死の呪文でもって決して死なない時間を作っているからだ。
やがて薬が効き出し男達は更なる激痛に襲われるが、女達には知った事ではなかった。
「なぁに、これまでの行いが帰って来るだけじゃ……のう、恐れる事なぞ無かろう?ホホホ………ホホホホホ…………」
石室には女達の笑い声と男達のくぐもった叫びだけしか聞こえない。
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