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第二側妃ミネルバ 注意!このお話は少し未来のお話です!

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輿入れ……準備も有るから早めに王子宮に来た……来た途端、アンナ……いえアンネローゼ様が来た。
アンネローゼ様の顔を見て人払いをする。アンネローゼ様もご自身の連れて来た侍女に一緒に出て行くように指示をする。

「待っていたわ、ミネルバ……様。」

「気持ち悪いです、アンネローゼ様。」

美しく装ったアンネローゼ様とは小さな頃からお付き合いがある。
子供の頃からアンネローゼ様は私の事をミネルバ様なんて二人っきりの時に、言われた事が無かった。大抵は『ミネルバ』と呼び捨てか『ミーネ』と愛称で呼ぶのが、いつもの事でこんな風に様付けで呼ばれると何だか気持ち悪い。

「ふふ……貴女らしくてよ、ミーネ。時間が惜しいから言うわね。ジークフリート殿下は余りお上手では無いわ。エリーゼ様からの贈り物は持って来ている?お手紙にあったように、証立ての儀の前……お支度の時に必ず口になさい。」

「殿下は下手。エリーゼ様からの贈り物はちゃんと持って来たわ。湯あみの後で頂けば良いのよね。後は何かあるのかしら?」

アンネローゼ様はちょっと悩むようなお顔で私を見た。

「そうね……ミーネはお道具は持って来てて?」

「お道具?」

「えぇ、寂しくならないように持たされるお道具よ。」

あぁ、慰めのお道具ね。何で今、そんな事聞くのかしら?

「お慰めの……ですよね、ならば持って来てますわ。」

「そう、殿下は尻穴も感じるお可愛らしい方になったわ。」

あら、アンネローゼ様ったら可愛がってしまったの?

「そうなの?じゃあ、お道具で可愛がった方が子種を沢山吐き出すかしら?」

「まぁ、ふふっ……ミーネは、率直に言い過ぎよ。でも、使った方が沢山子種をお出しになるでしょうよ。」

なる程、じゃあ蜜水と一緒に細めのお道具を持って行きましょう。

「ありがとうございます、アンネローゼ様。助言助かりますわ。」

「えぇ、頑張ってねミーネ。では、私は失礼するわ。そうそう、二人っきりの時は前みたいにアンナと呼んで頂戴。」

「はい……アンナ。」

アンナは軽く笑って踵を返すと、振り返る事無く足早に私の部屋から出て行った。
私は婚姻式の為の準備を行い、支度が整うと案内されるまま連れて行かれジークフリート殿下との婚姻式を終えた。
婚姻式が終われば次は証立ての儀、その前にたっぷりの湯に浸かりたい。
どうせ湯あみをするのだけど、しっかり浸かりたい……何だか、王子宮は寒い気がする。
チラリと窓の外を見れば、チラチラと雪が降っている。
私の実家ロズウェル伯爵領はこの王都よりも暖かい、雪も少ない……幼い頃は早々に降る雪に驚いたものだけど、今は驚きもしないし寧ろ忌々しく感じる。

「ミネルバ様、大分肌が染まりましたよ。」

私が連れて来たロズウェル家の侍女。私との付き合いが長い者を三名連れて来たのだ、先行きの不安な輿入れにお父様が三名は連れて行けと仰ったのよね。お父様の不安も良く分かる。これでは何かと連絡をやり取りしなければならないかも知れない。どこもかしこも整えられ、私好みの部屋だけど何かが足りない気がする。

「そうね、出るわ。しっかり香油を塗り込んで頂戴。あぁ、その前にエリーゼ様から頂いた物を頂戴。」

体を拭かれ寝台のような台に行き、腰掛ければシュバルツバルト領の高級ワインと豪奢な小さな壺に入ったベルような形の飴。
飴三粒だけしか入ってないなんて……でも、何か意味がある。あのエリーゼ様が何の意味も無しに、この様な細かい指定をした贈り物はしない。
飴三粒を一緒に口の中に放り込み噛み砕く。飴の中からトロリとした液体が漏れて来る。そのまま飴をカシュカシュと噛んで細かくしてワインで流し込む。ワインが喉の奥へと落ちる瞬間、カッと喉から熱くなる気がした。
肌は紅色に染まり体の内から何かが燃えるような熱さを感じる。
寝台に寝そべり香油を塗り込んで貰う。

「ふふっ……お可愛らしいですって。楽しみだわ。」

アンナが可愛がったのなら、私が可愛がっても良いですわよね。
だって私も側妃ですもの。
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