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一緒に遊ぼう!(チョロギーとご主人)

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空は青く、風は爽やか。
広い草原にしか見えない庭に真っ白い馬が金色のたてがみを靡かせ走っている。
まるで映画か何かに出て来そうな、美しい馬体。
物語なら妖精王が乗って走ってそうな程。

ピューイ!

指笛を鳴らした瞬間、白馬は向きを変えこちらに駆けてくる。
日の光を受けて煌めくたてがみ。
だけど、近付いて来る馬体はとても妖精王を乗せるような優美な姿とは言えない。
軍馬なぞ目ではない大きい馬体が間近にくると迫力が凄い。

ヒヒーン

嘶き前足を上げて立ち止まる。

「チョロギー」

名前を呼べば大きな体に不似合いな程、繊細で優しげな眼差しで私を見る。
鼻面をそおっと寄せて、甘える。
鼻面から額にかけて撫でると嬉しそうに目を細める。
ポンポンと首を叩く。
それだけでチョロギーは大人しくピタリと動きを止め、待ち構える。

タンッと垂直に跳ね、チョロギーの背に乗る。
裸馬だが子供の頃から乗っていれば、どうと言う事もない。
長い金色のたてがみに指を絡ませるとポコポコと歩き出す。

トンッと腹を軽く蹴ると速歩になる。
なるが、背に乗っている主が鼻歌なんか歌ったりすれば速歩か
リズムに乗ってパッサージュを行う。
そんなチョロギーも鼻歌が止むと、ソワソワとしだす。
チョロギーは主を乗せて、思い切り走りたいのだ。
首筋を優しく撫で、改めてたてがみを強く掴み上半身を少し前に倒す。
ドンッと腹を蹴る。


その瞬間をチョロギーは待っていた。
主の体の重みを、自分の体に絡み付く指を足を……
思う様駆け自分と主が一体になる。
首筋にかかる主の息遣い!
主のリズムと自分のリズムが合わさり風となる。

ああ……主!

ひとしきり走り、満足し速度を落とす。
カッポカッポとゆっくりと歩く。
絡まった指がたてがみから離れ、首筋をゆっくり撫でる。
チョロギーにとって幸せな時間。



「楽しかった?」

足踏みをして尾を振る。
チョロギーが楽しかった時の返事。
クイクイとたてがみを引いて、乗った場所へと誘導する。
やがて、目的地へとたどり着くとヒョイと降りる。
一時でも、主を乗せて走るのはチョロギーにとって大事な遊びだ。
別れを惜しむように鼻面を背中に付けてくる。

「おしまい。」

そう言うと、その場で2~3回足踏みすると少し下がって一度嘶き走って行く。



チョロギーは「おしまい。」が遊びの終わりの合図だと分かってる。
だから走って行く。
走って走って主の姿が見える場所を探す。
大好きな主、大切な主。
チョロギーはいつだって主に呼ばれたい。
主を乗せて、どこまでもどこまでも走って行きたい。
どこまでもどこまでも…………
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