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蜜水⑲ BL注意!(長くてガチ)

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キャスバルは晩餐の後、家族間の団欒をパスして自室へと下がった。
自室へと近づくにつれ、キャスバルの顔は少年の顔から男の顔へと変わっていった。
婚約者が決まった事で、自分は10年以上独り身で過ごさなければならない。
女なぞ要らない。
面倒なだけの存在より、自分を支えついてくる側近レイが居る。
だが、レイを雁字搦めに縛り付ける事は出来ない。
いつかレイが望む相手が決まったなら、婚姻させれば良い。
それまでは、手放す事など出来ない。
いや、レイは側近として日がな一日自分の傍に居る。
夜に女の元へと返した所で、痛くもかゆくもない。
それこそ自分が望む時に受け入れさせる事も最早難しい事では無くなった。
妹は本当に良い物を作ってくれたとほくそ笑んだ。
そこには打算も計算もする、狡い男の顔へと変わったキャスバルがいた。

カチャリ と自室に入ると、レイは自分の部屋に下がらず書類整理を行っていた。
自分より1つ年下の少年。
自分を追いかけ、傍に侍り欲望すらその身に受け入れる大切な存在。
手放せる訳が無い。
キャスバルは気が付いてしまった、己の暗い欲望を……

「キャスバル様、どうされましたか?今日はお早いお戻りですね。」

レイはいつもと変わらない、朗らかな笑顔で聞いてきた。
この笑顔を汚したい。
狡い自分の元へと引き摺り落としたい。

「レイ、俺の婚約者が決まった。」

「……!……あぁ……左様ですか……おめでとうございます。その……」

一瞬で笑顔が消えたレイの顔を見て、キャスバルはレイに近づき腕を掴んだ。

「話は寝室でしよう。」

強張った顔のレイを引きずるように、寝室に入りベッドの上へと乱暴に突き飛ばした。
ランプを置くために設置したサイドテーブルの中には、蜜水の上物が入れてある。
即座に蜜水を取り出し、自らの服を脱ぎ捨てた。

「キャスバル様……?」

何もかも脱ぎ捨て、裸になった自分の主に今から行われる事を理解したが体は思うように動かなかった。

「怖いか?まぁ、良い。剥いでいくのも一興だ。」

言い放つとキャスバルはレイに覆い被さり、深い口づけをした。
貪りながら、その手はレイの着衣をどんどん剥ぎ取り一糸まとわぬ姿を晒させた。
普段キャスバルは抱く時は後ろからだったが、今日は違った。
いつもは感じない視線を浴び、レイの羞恥は跳ね上がり意識した。

「レイ、自分の足を抱え上げろ。ちゃんと俺に尻穴を晒せ。」

恥辱に塗れた命令は初めての事だった。
逆らう事は出来なかった。
なぜならレイも又、命令され己の欲望が充血し支配される喜びに打ち震えていたからだった。
己の足を抱え上げ、注視しているキャスバルの顔を見て更に欲望が燃え上がる。
レイは自分の尻穴が、パクパクと伸縮しているのを感じ触れられてもいないのに体中が火照り出していた。

「ククッ……見られているだけで感じているのか?ここも、まるで弾けそうだな。」

ピンッと指で弾かれたが、軽い痛みは快感へと変わっていった。
キャスバルは蜜水の瓶を手に取り、蓋を開ける。
甘い蜜と桃の香りが、ほんのりと漂い先日の慌ただしくも強い快楽を思い起こさせた。
あの強い快楽を再び与えられる!その期待感で頭の中は自分の鼓動が鳴り響いた。

「欲しそうな顔だ。この間はそんなに良かったか?」

キャスバルの意地の悪い問いかけも、快楽に繋がるエッセンスでしかなかった。

「はい。キャスバル様、お願いします……もぅ……」

ニヤリと笑う主の顔に見とれたが、己の尻穴に蜜水が塗され嬌声が洩れる。
更に穴の中へと塗り込められ、嬌声が止めどなく溢れていく。
いきなり膝裏を掴み上げられ驚いてキャスバルの顔を見た。

「レイ、自分の尻穴を拡げろ。」

逆らえる訳等無かった。
早く欲しかった、自分を犯し満たして欲しかった。
左右の指で拡げ、キャスバルの肉の剣を迎え入れようと残った指が彷徨う。

「自ら受け入れるところを見届けろ。」

彷徨った指が目的のモノを見つけ、蜜水で濡れた場所へと導く。
ヌチャリと粘つく水音と己の股間に突き刺さり、ゆっくり深く沈み込む肉の剣を見詰める。
太く長いソレが、到底受け入れるには狭くキツい場所に潜り込んで行く。
一番太い所がある場所を通り過ぎると、後はすんなりと突き進んで来る。
中の深い場所でゴリゴリと当たる所は、自分が快楽でよがり狂う所だ。
蜜水の滑りであっさりとその深みに到達した肉剣で滅茶苦茶にされたかった。

「キャスバル様、滅茶苦茶にして下さい。これ以上無いほど犯して下さい。」

まごう事なき本心を吐露した。
婚約者が出来た今、本心を偽る事も抑える事も出来なかった。
キャスバルは殊更ゆっくりと掻き回すように律動し、レイの欲望を焦らした。

「レイ、どうした?いつものお前らしく無い。」

最早、うそ偽りも自分の本当の気持ちも無視出来なかった。
決して満たされない快感を与えられ、レイは白状した。

「わた………い…え、俺はキャスバル様の側近にっ……選ばれて嬉しかったっ……はぁ…っ…憧れってっいたお方っ……でしたっからっ……キャッスバ…ル様に抱かッれて……俺っ……俺は……他の誰……にも、渡したく無かっ…た……だっ……だからっ……だっんな様っにっ…言って買ってもらっ……たっア……ンァ……それっ……それっなのにっ……婚っ約者っなんって……俺っはっ……勝てっなっい……」

レイの告白にキャスバルは喜んだ。
レイの指はまだ穴にかけられ、またキャスバルのモノを擦っていた。

「そうか……レイ、俺の婚約者はエリーゼの1つ下らしい。婚姻するまで随分と待たされる、それまで俺の相手はお前1人だ。だがな、俺の婚姻までに相手を見つけて子供を作れ。」

あまりと言えば、あまりだった。
レイはイヤイヤと頭を降って泣いた。

「あ……ア……嫌っです……な……んでっ……そっんな……狡いっ……ッ……」

パンッ
いきなり、ゆっくりだった律動が一転して大きく抜き差しされた。
ヒグゥッ とうめき声が漏れる。

「俺は狡いな、だがレイお前も狡くなれ。ハッ……キツくなったぞ!そして地の底までも俺の傍に居ろっ!」

ギリギリまで抜かれ、深い所でまで一気に突き刺される。何度も。
肉のぶつかる音と大きな衝撃と快感に、レイは陥落した。
泣き叫ぶような嬌声と誓約がキャスバルの耳に入った。

「アーッ!アーっ狡いっ!狡いですっ!そんなっ……アッアッ……狂うッ……キャスバルっさっまぁっハァっ!……落ちっ……るっ!落ちますっ!どこっどこまでっもっ……お側にっィッ!キャスバルさっまぁっ!」

キャスバルは嗤った。
これで地の底までもレイは傍に居る。
何処までも何処までも、例えお互いが妻を持ち子が出来ても離れないと……

「あぁ、何処までも一緒だ。レイ、ずっと傍に居ろ。お前を手放す事も逃がす事もしない。」

そして一際強く突き刺し、レイの中に吐精した。
大きく反り返り、吐精されて感じたレイも己の腹の上な子種を吐き出した。

「あ……あぁ…っ……何処までもご一緒します、俺のっ狡いっご主人様……」

そして2人は欲望のまま何度も何度も子種が尽きるまで、貪り続けた。


そしてレイは主の望むままに狡い男へと、変わっていった。
キャスバルは幼い令嬢と交流しながらも、決してレイを手放す事無く過ごしていった。
ある意味、その姿はシュヴァルツヴァルト家嫡男に相応しい姿とも言えた。
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