幸せな婚約破棄

竹本 芳生

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婚約破棄されましたけれど、私、幸せです。

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私の名前はローゼリア・ド・マキシマム。公爵家令嬢です。
ここパイン王国で最も位の高い公爵家の娘です。
……このパイン王国は、と言うかこの世界は乙女ゲームの世界の様です。なぜ、『様です』と言うのか?それは私が転生者であるからです。更に言えば攻略対象者や世界観、私の家族の事……様々な事が前世に遊んでいた乙女ゲームのそれと一緒だったからです。私の好みを熟知している友人がオススメしてくれた、実に平和的な乙女ゲームだった物。ザマァ展開無しの所が気に入って、遊んでいた。純粋に競い合い(ミニゲーム)対象者を攻略していくだけのゲーム。エンディングでは攻略対象者とハッピーエンドを迎え、悪役令嬢だった彼女とライバル宣言もするけど互いを褒め称え友人となるのだ。私は悪役令嬢だからと言って、断罪とか何とか不幸なエンディングは趣味じゃなかった。まさか私がその世界の悪役令嬢だった彼女に転生するとは思ってもみなかった。
私の最後の記憶は間近に見えた車と驚いた顔したおじいちゃんだけだった。男っ気無しで四十になろうかって身で反射的に逃げるだけの体力は無かった。その後、優しい声が『ごめんね、君はここで終わる人生じゃなかったんだ。お詫びに君の記憶にある世界で生き直して。』って言ってた。まさか、それが乙女ゲームの世界だとは驚いたけれど……ヒロインじゃなくて悪役令嬢の方だって言うのも驚いたけれど、でも最後はヒロインと友人になるのだから良いかな?って。
前世の記憶は最初からあって、特に何か出来る事もなく生きてきた。令嬢とは自ら何かやるには中々難しいのだと思い知らされたのです。
そんな風に思い生きてきたけれど、現実には大変で何度も挫けそうになった。さらに私を苦しめたのは生まれながらに決められていた婚約者、第一王子アルファード様の事でした。乙女ゲームでも同じ設定で、変えられない事なのね……とガックリしたものだわ。でも悪い事ばかりでは無かった。王子妃教育は五つから始まったのだけど、両親からの深い愛情と両陛下からの愛情を頂けていた事。
今現在、私は十七才。王立学園の二年生。後一年通い卒業後に殿下と結婚する。

「ローゼリア嬢、浮かない顔だね。心配事でもあるのかい?」

いけないいけない。今、私は王宮で王子妃教育が一段落ついて国王陛下と二人っきりでお茶をしているのだったわ。……陛下と二人っきりなのは、学園に入ったばかりの頃王妃陛下が急な病で亡くなってしまったからだった。
それから暫くの間、私は一人でお茶の時間を過ごしていたのです。婚約者であるアルファード様は私を厭っているのか、学園に入った頃から王宮内で会う事は無くなっていた。

「いえ、陛下。心配事なんて在るわけ無いですわ。」

困ったように陛下は笑って、少し首を傾げる。

「ふむ。学園でのアルファードの事が報告されておる。ローゼリア嬢には要らぬ苦労を掛けていると思ってる。済まないね。」

アルファード様は陛下に良く似てらっしゃる。日の光を浴びて輝く金髪も青い澄み切ったような青い瞳も四十代にしては若々しいお姿も十分魅力的なのよね。前世の年齢感覚で言えば、気持ち年上かな?位のお年なんですもの。でも、私はローゼリアと同い年のアルファード様の婚約者。薄く笑って、陛下を見つめる。

「あの程度、大した苦労ではありませんわ。後一年もすれば晴れて私はアルファード様の妻ですもの、このまま王子妃教育を順調に受けていれば一年はあっという間ですわ。」

暖かいガラス張りのテラスに冷たい風が入る事も無い。

「そうか。ローゼリア嬢、どうかアルファードを頼んだよ。」

「仰せのままに。」

こうして私は最後の一年へと踏み出したのだ。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「ローゼリア・ド・マキシマム!今この時を持って、アルファード・ジャック・パインとの婚約を破棄する!」

うわぁ……王宮で開かれている卒業祝いのパーティーで貴族も集まってるこの場で、そんな事言う?頭悪いの?悪いよね?アルファード様バカな子だったの?婚約破棄ね、良いよ婚約破棄したって。ゲームと違って断罪とか……でも、陛下も私のお父様も許すかな?どうかな?アルファード様の三つ下に第二王子もいるのに?更にその一つ下に第三王子もいる。

「どうした!今更、取り繕っても意味等無いぞ!今までの学園での行い、成績、私との時間!全てを鑑みてローゼリア嬢は私の婚約者として相応しく無いと判断した!」

……そうかい。自分とのイベントをしてこなかった私は相応しくないか。まぁ、良い。私は好みじゃないアルファード様とのイベントは進んでやらなかったもの。アルファード様の隣に立つヒロインちゃんを見つめる。正々堂々と競い合い、讃え合った仲の彼女は怯むこと無く立っていた。

「承りました。新たな婚約者様には是非とも殿下と仲むつまじくお過ごし頂けるよう心よりお祈り致しますわ。」

ザワリ……と貴族達が動く。

「このような祝いの席で何を騒いでいる。」

静かだけれど、どこか怒りを抑えているかのような陛下の声が響く。
その威厳に満ちたお姿を見た瞬間、私はもとよりこの場にいる貴族全員……全員かしら?頭を下げ礼をし敬意を表した。おかしい……いつもならば直ぐに陛下はお声を掛けて下さるのに……

「もう良い。其方等の気持ちは分かった。皆も楽にせよ。」

……今、陛下は何を仰った?もう良い?その後もいつもと違ったわ。体を起こし頭を上げて見回せば、殆どの貴族達は私と同じように体を起こしてたりしている。でも殿下とその側近の方達とヒロインちゃんは姿勢を起こした訳でもなく、何一つ動いていないかのようだった。

「アルファード。そちらのご令嬢はどなたかな?ローゼリア嬢では無いし、如何した?」

殿下は胸を張り、実に堂々と声高らかに仰った。

「ローゼリア・ド・マキシマムは私の婚約者として相応しくないと判断し、今しがた婚約破棄を申し付けた。ついては彼女、ソフィア・ド・ミニモを婚約者として迎えたい!」

ヒロインちゃん、ソフィアって言うのね。全く興味無かったから、今ちゃんと名前聞いたわ。ちょっと……陛下のお顔が渋み増したわ!

「なる程。アルファードはそちらのソフィア嬢と結婚する……と、そう言う訳だな。良かろう、アルファードとソフィア嬢の結婚を許す。もとよりローゼリア嬢との結婚は一月後の予定だったが、そのまま式は行う。相手がソフィア嬢になっただけ故、構わないであろう。この結婚は王命とする、良いな!」

「「ありがとうございます!」」

あら?あっという間にお許しになったわ。しかも王命とは思い切りましたね。

「ミニモ家は男爵家だったな。ではアルファードとソフィア嬢の結婚式と同時にアルファードは王家より廃籍し、永らく空席であったショート子爵とする。」

思い切ったわ……まさか切り捨てて、低位貴族に落とすなんて……男爵令嬢と釣り合うように落としたのだろうけど、これは……

「何故ですか!何故、私が子爵になど!」

「簡単な事だ。男爵令嬢と結婚するならば位をある程度合わせねばならぬ。男爵令嬢を王子妃にするには時間も手間も掛かる、ならば其方を廃籍し釣り合いの取れる位に落とし込むのが簡単で妥当ということだ。どうしても王子妃にしたいと言われても、今から王子妃教育をするか?それぞれの教授から合格点を取れなければいつまでも婚約者のままだ。到底結婚式など許されぬ。更に釣り合いが取れるよう位の高い貴族家に養女として入らなければならぬが、公爵家令嬢を引きずり下ろした娘を喜んで引き受ける貴族家があるかな?ローゼリア嬢は物心つく頃から教育を受けていたが、ソフィア嬢はどれ位掛かるかな?」

結構酷な事言いますわね。

「それにアルファード、お前こそ立太子するには少々学びが足りぬようだが分かっているのか?」

青い顔してますね、殿下が現を抜かして勉学を疎かにしていたのは周知の事実ですものね。

「其方の事はずっと報告が上がって来ている。大人しく予定通りそちらの令嬢と結婚し子爵になるのが良かろう。」

ガックリと力を落とした殿下とソフィア嬢は近付いてきて、声を掛けてきた従者に連れられて何処かへと消えた。きっと何処かの部屋へと案内されたのだろう。

「近衛兵。我が国において国王たる私に礼をとれぬ愚かな者がこの場に紛れておる。直ちに外へと連れ出せ!」

まさか!まさか殿下と一緒だからと礼をとらなかったの?何一つ言葉を発する事なく、近衛兵に連れ出される殿下の側近達。ざわつく貴族達。いえ、私もざわつきますけどね。
それにしても、婚約破棄されて私どうしようかしら?とりあえず陛下に挨拶しなければね。

「陛下、今まで教育の一環としてでも共に過ごせる時間はとても楽しゅうございました。王宮に赴く事が出来なくなりましたので、これを最後の挨拶とさせて頂きます。以降、臣下として忠誠を誓います。」

深々と礼をして私は、いずれ王宮で暮らす立場から臣下として王宮に赴く一令嬢になった事を自覚する。

「頭を……頭を上げてくれ。ずっと其方を娘として迎える日を心待ちにしていた。其方と過ごす午後のティータイムは心癒される楽しい時間だった。どの王子にも婚約者がいる以上、其方をいずれかの王子妃に据える事は出来ぬ。」

頭を上げ、まじまじと陛下のお顔を見つめる。苦しげなお顔……悩ましげだけど、私が何か言う事は憚られるのよね……チラリと数段高い場所に据えられている玉座を見た。

「ローゼリア嬢、あの玉座を見てほしい。」

「はい。」

今度はまじまじと玉座を見る。国王陛下と王妃陛下の玉座。あの玉座に何か意味があるのだろうか?

「私の隣の玉座は空席のままだ。私の隣で私を支えて欲しい。そして今までと同じように私とお茶を飲んで私を癒して欲しい。其方の父と変わらぬ年の私の言葉を受け止めて欲しい。」

……どうしよう……陛下と離れたくなくてがんばってもきた全てが……やだ……涙が……泣いたら駄目なのに……

「泣く程辛いか……」

「ちっ!違います!私……私は陛下の為に努力して来ました。生まれつき決まっていた殿下より、陛下の事をお慕いしておりました。父のように……でも、王妃陛下が亡くなられて……殿下からは冷たく……素気なく扱われ、いつも優しく微笑んで慰めて気に掛けて下さる陛下に父とは違う気持ちを抱いてしまいました。私は愚かで罪深き女なのだと恥じておりました。なのに……なのに、そんな私をお側に置いて下さると……どうか、どうかお側に……お慕いしております。」

私の隠していた初恋。誰にも言えなかった初恋。婚約破棄されたのに、私は傷物と後ろ指を指される事無く好きな方に嫁げる。

「ローゼリア嬢……いや、ローゼリア。私の隣に、私が終えるその日まで私の隣で笑っていて欲しい。」

「嬉しい……陛下のお側に、ずっとずっとお側に私を置いて下さいませ。」

貴族達の大きな拍手によって私は陛下の元へと嫁ぐ事になりました。お父様はくしゃくしゃに泣いておりましたが、婚約破棄された後まさか王妃への階段を一気に登ってしまったからなのか大分混乱してました。


後日、アルファード殿下はソフィア嬢と結婚し子爵へとなりかつての側近達はそれぞれの親元へ戻ったようですが皆様病で亡くなったと知らせが来ました。私は陛下の婚約者となり、陛下と一緒にお茶を王宮で頂く日々に戻り結婚式を待つ事となりました。



一年後、私は陛下と結婚し王妃として陛下を支える日々となりました。
陛下は私に二人の娘と一人の息子を与えて下さいました。



あれから何十年と時がたち、陛下はうんとお年を召してしまいました。第二王子が成人して十年後、陛下は退位なさり心穏やかな日々を私と過ごして下さりましたがとうとう起き上がる事も難しくなってしまいました。

「あぁ……ローズ。其方はいつまでも変わらぬ……近くに……」

弱々しく伸ばされた指をそっと両手で包む。

「あぁ……ローズ……愛しいローズ……私のローズ……先に旅立つ私を許しておくれ……ローズ……愛……し…………」

「あ……なた……陛下、許しますとも……だから待っていて下さいませ。愛しい方。あちらで王妃陛下とお待ち下さいませ。陛……下…………陛下……陛下!う……ううぅっ……陛下ぁ…………」

多くの者が側近くにいましたけれど、私と陛下の最後の時を邪魔する者は居りませんでした。
国中に弔いの鐘が鳴り響き、民達は嘆き哀しんで下さいました。


あれから何十年と時がたち、とうとう私も起き上がれる事が出来なくなり多くの家族に囲まれている。

-迎えに来たよ。我が愛しのローズ。-

「あぁ……陛下……やっと、お迎えに来て下さったのですね。待ち遠しかった……陛下……愛しの方…………うれ……し……あな……た…………」

-さぁ、行こう。先の王妃もローズを待っている。-

-はい。私も王妃陛下にお会い出来る日を心待ちにしておりました!-

-ローゼリア!-

-王妃陛下!お会いしたかった!-

-私もよ!-

私は皆に愛され旅立ちました。
私の物語はこれでお終いです。
私は婚約破棄をされましたが幸せでした。
私の努力は報われ愛されたのです。


*****

ローゼリア嬢は毎日がイッパイイッパイでヒロインのソフィア嬢の事をヒロインちゃんと呼んでました。
ソフィア嬢が転生者だったのかは謎です。
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みんなの感想(7件)

penpen
2020.01.18 penpen

こんなヒロイン(笑)ざまぁなんて斬新ですよね?( 〃▽〃)もっとも、斬新なヒロインは登場しない王子の妄想というのもどっかにありましたが題名が思い出せなくて(。´Д⊂)
居ない令嬢を攻略対象(ストーカー)が付きまとい卒業式の断罪イベントでは前日に婚約者の元へ
婚約者は居ないのに妄想でいるように振る舞い陛下に断罪されましたよ?(´・ω・`)悪役令嬢にヒロインが相談して、陛下に話が行き(  ̄▽ ̄)卒業式前日に婚約者の元へ行く許可貰って他国に嫁ぎました(*´∀`)
攻略対象者キモいですよね~(;・∀・)

竹本 芳生
2020.01.18 竹本 芳生

攻略対象者って、どっか壊れてそう。
リアルだとしょっぱいかイタイかかも(笑)
ババアは普通の人が良いです。
(*´▽`*)

解除
penpen
2020.01.16 penpen

相手は公爵家嫡男でした(  ̄▽ ̄)王命なのにね~(о´∀`о)
主人公は国王のスペアとして帝王学学んでいた設定です(´・ω・`)その頑張りを見ていて国王が恋心育んでしまった(。>д<)
国王婚約者いない30代で初恋です( 〃▽〃)
溺愛し過ぎて懐妊したら過保護になるしで、国民皆で生暖かい視線が・・・
気になりましたら読まれてみます?(;・∀・)
BL展開は別の作品で投稿されてますので大丈夫です(´・ω・`)

竹本 芳生
2020.01.17 竹本 芳生

読んでみました!
王様。+゚(*ノ∀`)

それにしてもヒロイン残念すぐる……(笑)

解除
penpen
2020.01.16 penpen

この小説に似た話なんですが、婚約破棄した令息の今後がBL展開になりまして(  ̄▽ ̄)ヒロイン(笑)はお飾り妻になりましたよ?(;・∀・)
主人公は初恋相手の国王と結婚して一姫二太郎生みました( 〃▽〃)

竹本 芳生
2020.01.16 竹本 芳生

オーウ∑(OωO; )
王子、道踏み外してるじゃーん!
いや、うちの某第三王子も踏み外してるけど(笑)

解除

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