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「ちょっと・…ちょっと気を取り直して……行くか……」

タークが溜息を一つ吐いてゆっくりと歩き出す。私はタークの後をついて歩き出す。メテオの影響か歩きやすい大地をのんびり歩く。

いつもと同じような特に何かあるような事のない日々。ただ、お水はいちいち汲みに行かなくて良くなったので楽になった。そんなある日だった。

「マーユ、一度シルヴァニアに戻ろうかと思う。」

どうしたんだろう?いきなり決めたとは思えない。けど、タークが戻りたいなら戻って良いと思う。

「良いよ。」

私達は徒歩なので、あまりシルヴァニアの山からそんなに離れていない。

「じゃあ、このまま山目指す?」

「まぁ、そうだな。こっから山目指してから麓の集落に行くか。」

「わかった。」

歩き出すとすぐに大きな木々が生える地域になる。でも不思議と明るい。

「これは人の手が入ってるな。」

「え?」

「向こうに獣道があるけど、普通の獣道とは違う。あの獣道を辿ってみよう。」

獣道に入って歩いていくと木々の先が明るくなってて、どうやら拓けてる様に感じる。

「何か集落があるな。」

「本当?」

「多分な。」

歩いて行くと不格好で不揃いな柵がある。その向こうにどこかの原住民の家みたいな家が建っている。

「あったね。」

「ああ。俺達がこっちに来た時に見たシルヴァニアの家とあんまり変わらないな。」

「うん。」

柵の向こうに見えた人の姿はやっぱりどこかの原住民のようだった。
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